新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

夜目遠目傘の内

2009年08月22日 08時20分36秒 | インポート

 私が学生だったころ、スマートボールというゲームがあった。

 パチンコを凌ぎそうな勢いで流行りだしたこともあった。

 パチンコは立てて玉を弾くが、スマートボールの場合、箱を横に寝かせて玉を弾いた。

 玉の大きさは、パチンコよりも幾倍もの大きさだった。

 右手で玉を弾き出す。

 玉はゆっくりした勢いで箱の中を通り、釘をくぐり抜けたり跳ね返ったり……。

 途中の穴に入れば、何個かの玉が出てくる。つまり、アタリだ。

 どの穴にも入れなかった玉は、手前の大きな出口の穴へ流れ込んでくる。これはハズレ。

 ゲームのやりかたはどうでもいい。

 友人と私が、そのゲームに凝った時代があった。

 特に友人の凝り方が異常だった。ある特定の店へ、毎日のように通った。私が同道しなくても顔を出していたらしい。

 女性店員に気があったのだ。

 その女性店員は、いつ行ってもマスクをしていた。

 色白であることは分かった。声は爽やかで、歯切れもよかった。大人しげな感じであった。

 友人はうまいこと話をして、その女性を誘いだしたようだ。

 ことの次第はよく知らなかった。その後、友人はその件を話したがらなかった。

 そのとき以降、友人のスマートボール店通いは止まった。必然的に、私も止めた。

「夜目遠目傘の内」

 そのおりの友人の言葉だった。

 そのことがあって以来、私はその友人が嫌いになった。許せない気持ちだった。

 薄暗がりや遠くから女性を見ると、とてもいい雰囲気に見える。

 傘の中での見え隠れは、色白であれば美人に見えてしまうのは当然だ。

 これは女性に限らない。男の場合も同じ。

 薄い頭髪むき出しの私の場合、マスクをしても遠目であっても論外。

 危険物と思われることだってありそうだ。

 このこと、実は容貌に限らない。

 人の評価についても言える。

 遠目によく見えていても、とんでもないことがある。

 だから私にとっては、むき出しがもっとも安全なのだ。

 別館として、写真俳句ブログの「いのちの囁き」を開いております。

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コメント (13)
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