新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

電車風景の一つ

2007年12月07日 07時38分21秒 | 日記・エッセイ・コラム

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日比谷公園の紅葉  2007.11.27

 写真は11月27日の日比谷公園。また出しの風景です。この赤はあまり変化なしです

 昨日出会ったJR電車のシーンです。

 少し甘えて、「優先席」に座りました。

 隣には、私より年下の老人。競馬か競輪の新聞記事を読んでおりました。

 3人掛けのその隣の席には、20代前半の男性が座りました。座る前から、携帯電話で話をしていたケシカラン君でした。

 私は、チラリとケシカラン君を見ました。でも、注意する気にはなりません。注意するのは厭です。いい結果にはならない予感があったからです。

 年下老人もケシカラン君に目を向けましたが、黙したままです。

 ケシカラン君の電話は、遠慮しながらの小声でした。でも、辺りには聞こえます。

 やがて電話が終わりました。ヤレヤレです。

 ところが再び電話をかける仕草をしました。つまり、指先でピコピコ始めたのです。

 年下老人が怒りました。

「止めろ!」と、一喝です。

「………?」 

 ケシカラン君の顔に、怪訝そうな表情が浮かびました。怒鳴られた意味が、理解できなかったのでしょうか。

「ここは優先席だ。ケイタイの電源を切れって書いてあるじゃないかっ!」

「………?」 

 ケシカラン君は黙ったまま、年下老人を見つめていました。まだ状況理解に達していない様子でした。

「オレの胸にはキカイが入っているんだ。ケイタイを使うと、オレは死ぬぞ。オマエ殺人だぞ!」

 年下老人の言葉は、簡潔で単刀直入でした。

「あっ、ゴメンナサイ」

 ケシカラン君は小さい声で詫びました。理解出来たのでしょう。そしてコソコソと消えました。

 やはり、見た目には気分のいいものではありません。

 しかし、年下老人の勇気には感心しました。

 私にはそんな勇気はありません。どうせ結果は知れているので、注意しません。いえ、正直に言えば、注意する気持ちになれません。こちらが不愉快になるのがオチです。

 かつては私も注意したことが幾度かありました。結果は良くなかったのです。イヤな気分になっただけでした。

 それからの私は、見て見ない振りを決め込むことにしたのです。

 そんな私だったので、年下老人の言動には驚きました。

 有無を言わさない断固たる姿勢でした。ギャンブル新聞を読んでいる人とも思えない。

 ではありますが、やはり釈然としない感じは残りました。

 スゴスゴ消えた若者が気の毒にも思えたのです。

 携帯電話についての注意事項は、繰り返し車内放送で流れています。

 優先席の窓には、はっきり書いてあります。

 しかし、なぜか従わない乗客が沢山おります。

 もはや日本語が通用しない有様です。

 日本国中で色々なものが毀れ始めています。

 こんなこともその一つかも知れません。

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コメント (8)
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