藤崎水田は生き物の培養器、慣行田は希少生物になる
報告書では不耕起栽培での収量粗玄米10a当たりで566キロ、慣行栽培で514キロであった。
作業時間の比較では不耕起栽培で除草をする時間が10a当たり7時間で全体の作業時間に占める割合が慣行と比較して約2倍になっている。不耕起栽培で湛水にすることで草は生えないということであるが水田に高低があったり、水が1週間以上切れたりすることで実際には生える場合がある。ただ代をかく場合と比較して土中に含まれる雑草の種子が発芽する機会はすくなく「拾い草程度」で年3~4回の確認は必要である。水性のコナギオモダカ、セリ、イボクサ、ヨシ、ホタルイ、キシュウスズメノヒエなどが藤崎水田では問題にしている。
生き物の数としては日本アカガエルが5300匹、トウキョウダルマガエル20匹であるのに対して慣行水田周辺で日本アカガエルが910匹であるがこれは藤崎水田が発生源でそこから逃げだしたものである。水田内の小動物では不耕起水田で10a当たりでイトミミズは113万匹、ミジンコ321万匹、ミズムシ2万匹、ドブシジミ3万匹などであるが、それに対して慣行栽培の水田ではイトミミズが23万匹、二枚貝が8万匹で種類、数とも極めて少なく生き物の活動は期待できない。