桜宮自然公園をつくる会は平成16年環境省の里地・里山30選に選ばれ、県の「里山条例」に認定されたが、この認定は農地法に関係する谷津田の部分は対象とせず、里山の部分だけが対象となる法律で散策道の整備、山の下草刈りなどの施策、補助金の対象になるが、谷津田の道路、畦の補修といった部分には予算がつかない。今回農水省企画の田園都市再生コンクールで8部門の受賞のうちのひとつの対象になったが、折角県の里山条例がありながら縦割り行政で水田を対象としないといった歪んだ行政が行われている。
環境保全型の対象となる谷津田を含む里地・里山の維持管理を発展させるためには、谷津田が経営的には採算の合わない場所であるが、不耕起・湛水の栽培をすることで、特に古代米の導入で安定した栽培が可能であり、希少生物の復元、サギ、カモ、コウノトリ、トキ、サシバ、カワセミ、オオタカなどの夢とロマンの持てる環境づくりにつながっていく。湧き水豊かな谷津田で、慣行栽培では畑地化を進めてきたが、湛水化にすることで美味しい米、無農薬の米が可能になる。もちろん次世代にこの田園的環境を残していきたい。
遊休地の復元のポイント
ヨシ・ガマの除去には重機ブルトーザーによる根の除去を考えるのが普通であるが、まず6~8月のヨシ・ガマの生育の旺盛な時期に刈り払い機で刈り取ることで生育を大幅にダウンさせることが出来る。これは竹林での竹を抑える場合と共通している。その後11月にもう一度地表面すれすれで雑草を刈り払い、直後に湛水することで、より不耕起栽培を可能にする。その後5月の田植えまでにヨシ・ガマの根を掘り起こし地表面をトンビで平らにして田植えとなる。