お寺さんぽ Ver.03

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箱根石仏群① (石仏っていいね・応用編2)

2007年11月18日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は神奈川県は箱根町の注目スポット「箱根石仏群」についてです。

知ってますか?
この付近はちょっとレアな石仏が乱立する、トリップできるような光景が堪能できるのです。
できれば真夏よりも、凍えるような冬をオススメしておきます。
なぜかって、えらく寂しげなので、風情がでるんですよ。
(……でもメチャ寒いぞ)
いやー、石仏って本当にいいもんですね。
ということで↓どうぞ。

「磨崖仏(まがいぶつ)」
岸壁に掘られた石仏を「磨崖仏」と言います。
これは藤原時代が最も盛んで、大分の臼杵石仏や栃木大谷寺など有名な磨崖石仏はその時代です。
鎌倉時代以降になると作例はぐっと減り、非常に稀なんです。
でね、こちら「箱根石仏群」は鎌倉時代に作成された、レア石仏なのでした。

重文「磨崖仏(まがいぶつ)」
俗称「応長地蔵(おうちょう・じぞう)」

応長元年(1311)
鎌倉時代で十四代執権「北条高時(ほうじょう・たかとき)」の頃。
「元寇」からだいたい三十年が経過しており、御家人が不満を募らせていたあたりのこと。
この磨崖仏、重文「応長地蔵」が作られたのです。

↑写真を見てください。
この岩には大小二つの凹みがあり、それぞれに「地蔵菩薩」が刻まれていますね。
左に彫られた丸枠の梵字は「阿弥陀如来」を表わしています。
これらは石仏と関係される「末法思想」そのまんまですね。
また、文字は「応長元年七月八日」となっているんだって。

元々このあたり一帯は「地獄」と言われていました。
特に付近の「精進池」は、あの世へ通じる入口と信じられていたようなのです。
そんな訳で、六道の番人「地蔵菩薩」にスポットが当たり、地蔵信仰が根付いていったのです。

このあたりの習慣「浜降り」
身内に不幸があった際、こちらの「応長地蔵」の前で送り火を焚き、「精進池」に花や線香をあげていたんだって。
別名の「火焚き地蔵」ってのは、その風習からと言われているのでした。

☆アクセス
箱根登山鉄道「箱根湯本」駅下車。
箱根登山バス、伊豆箱根バスの「箱根町」行きでだいたい三十分。
バス停「六道地蔵」を下車して下さい。
降りた一帯がもうそのままなんですが、地蔵までは徒歩で五分程度です。

[住所] 箱根石仏群 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根

[関連記事] 【石仏っていいよねー】
⇒ 石仏っていいね (石仏・入門編)
⇒ 石仏の種類について (石仏・基本編)
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