お寺さんぽ Ver.03

現在は更新をお休みしています。

こまいぬ[狛犬] (赤山禅院)

2006年04月14日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日はよく見かけるけど詳しく知らないシリーズ(そんなのない)
とってもキュートな神社のアイドル「狛犬」です。

神社・お寺などにはほぼ確実におられますよね。
これが稲荷神社だとその眷属であるキツネになるんですが、
狛犬ってのはどうなんでしょうか?


まず、大前提として狛犬は想像上の生き物です。世界中の何処を探しても見つかりません。
ああ、それくらい知ってますか、そうですわね。
でも、本当はあれ「狛犬」じゃないってことは知ってますか?
↑なーんて偉そうに書いてますが、ひでるさんもずっとあれを狛犬と信じて疑わなかったんで
す。…まあ、疑おうとも思わなかったですけど。
やっぱ教育って大事ですね(笑)

岐阜の日吉神社にある重文の狛犬は正式名称「高麗の犬」これで「こま国という異国にいる
犬」となります。ちなみに、その原形はインドライオンであるよう。
そんなんがいるらしいよー、というところでしょうか?
大陸から伝わったため、狛犬の作例としては当然中国にもあるんですが、何故か日本に来て
から大ブレイクしたようです。
まあ、日本人犬好きだから…。

さて、ブレイクした狛犬ですが、そこらの神社で狛犬像を左右とも見てもらうと、片方は口を開け
ていて、片方は閉じていることに気づくと思います。
これは、ほぼ日本独特の形態らしく「阿吽」で作成される仁王様の影響を受け、こうなったよう
です。(※)
なんと、平安時代頃にはもう阿吽の狛犬が作成されていたそうですよ。
(おそらく、それ見て次を作るから、延々違うものがコピーされてくこととなるのね)

で、先の問題に戻りまして、実際座っているのは何者だ?
…ということなんですが、正式名称は「獅子」でした。
ああ、なんのこっちゃ分かりづらいですよね。そうですねぇ…ほら、有名な「唐獅子屏風」とか、
身近なところだと「獅子舞」を思い出してくださいな。
神社で座っている方と似てる、というか同じでしょ?あれは獅子なんですよ。
狛犬ではないのでした。

本来では、正面から見て通常右側は「阿」で、口を開いている獅子。
左側は「吽」で、こちらは口を閉じていて、過去には角がありました。
なんと、これが狛犬。
実は獅子に角のついた、一角獣のようなのが本当の狛犬なんですねー。

だから、正式には「獅子・狛犬」像になるんですが、時代が新しくなるにつれ、いつしか左右とも
獅子で作られるようになっていました。
本来であれば「獅子」像となるんですが、日本に獅子がいないためかどうだか知りませんが、
「狛犬」という言葉だけが残ったようです。

そんな訳で、神社(神道)とは特に込み入った関係はないようですが、稲荷=キツネ、春日=鹿
のように、神様によって同様の役割を他の動物へ振り分けたりしています。
犬との縁は古いと聞きますから、なんというかおさまり良く、ぴったりハマったというのが真実では
ないでしょうか?


(※)阿吽(あうん)
仁王像などに見られる、口を開いた・閉じたもの。
実際は仏教の真言で、阿は口を開いて最初に出る音。吽は閉じる時の最後に出る音。
で、物事の始まりと終わりを表現しているそうです。
「阿吽の呼吸」ってのも共に行動する時に使いますよねー。

※ちなみに写真は赤山禅院の狛犬です。ね、角があるでしょ。


※関連記事 ⇒ お寺と神社
※関連記事 ⇒ 八幡大菩薩
※関連記事 ⇒ 稲荷神社 前編 後編

[住所] 赤山禅院 京都市左京区修学院関根坊町


 ★ランキング参加しております。応援お願いします★
⇒ 人気blogランキングへ
⇒ ブログランキング (マイプロフ

◎東京国立博物館 「最澄と天台の国宝」展 開催中◎ ⇒ ひでるさん行ってきました。


仏像が気になりだしたら… 自宅で選べる美術品 掛軸、絵画、美術工芸品のトップアート
ちょっと旅へ出たいと思ったら… 旅の総合サイト『BON VOYAGE!』

最新の画像もっと見る

コメントを投稿