お寺さんぽ Ver.03

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「臨・兵・闘・者…」でお馴染み、九字の印 (密教)

2009年12月03日 | お寺
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は…歴史ネタがまだどうにも書き終わらないため、急遽でっちあげの企画です。

よく漫画・映画などで、「臨・兵・闘・者…」とか言って退魔するようなシーンがあるじゃーないですか。
本日はそんなんについて時間のある限り、ざーっと書いてみたいと思います。

…あらかじめ。
薄い専門知識で時間の無い中の記事なので、”だいたいそんなもん”程度でお願いします。
なんちゃってブログですからね(笑)
詳しく知りたい方は、専門サイトか紀伊国屋さんへれっつごー!

印と真言の本―神仏と融合する密教秘法大全 (New sight mook―Books esoterica)

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「九字の印をきる」
そう言ったりする、密教・修験道などで用いる基本的な実用技法です。
身にふりかかる邪を祓う簡単なものだそうです。
”気迫によって所願成就を目指す”ものらしく、要は気合いみたいですよ。

まずは簡単に出来そうな刀印(とういん)のパターン。
刀印というのは、人差し指・中指を立て、親指で薬指・小指を押さえたような形になります。
片手で刀印をつくり、九字の真言と共に縦、横の順に空間を切って、格子を描くようにします。
だいたい下のようなイメージ。

臨→ 兵↓ 闘→ 者↓ 皆→ 陣↓ 列→ 在↓ 前→

…こう並べてしまうと……格闘ゲームか、ファミコンのウラ技みたいですね。
この際にへらへらしてはダメです。気合いです。
精神を集中して強く真剣をイメージして、空間を斬り裂くような気合いが必要になるのでした。
こちらは護身のため、武士らもよくやっていたのだとか。
道教のもので、禁呪だったこともあるみたい。

イラストでわかる 密教 印のすべて
藤巻 一保
PHP研究所

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また、この九字の真言には、それぞれ配された固有の印があるんですね。
こちらが、よく漫画・映画で見るやつです。
漫画「孔雀王」の連載中、訳も分からぬまま頑張って真似したものですよ。

印というのは、仏と修行者を結ぶシンボル。
こちらによって、神聖な波動を周囲に送って邪を祓うのでした。
先ほどの刀印と異なり、自らの内側から外側に至るまで作用するようです。
本当かなぁ。

・臨(りん) 普賢三昧耶(ふげんさんまや)印
 人差し指を合わせ、残りの指を内側に組む。

・兵(びょう) 大金剛輪印
 親指と人差し指を合わせ、中指をその上で合わせ、残りの指を内側に組む。

・闘(とう) 外獅子(げじし)印
 薬指・小指を合わせ、残りの指を交互にからませる。

・者(しゃ) 内獅子(ないじし)印
 親指・人差し指・小指を合わせ、左右の薬指を中指でからませる。
 
・皆(かい) 外縛印
 左右の手を指が外になるようにがっちり組む。これは簡単。
 
・陣(じん) 内縛印
 左右の手を指が内になるようがっちり組む。親指も内側へ突っ込む。
 
・列(れつ) 智拳印
 大日如来を参照。人差し指を立て、それを片手で握る。

・在(ざい) 日輪印
 親指・人差し指を合せ、手をぱーに開く。

・前(ぜん) 隠形印
 左手を握り、右手で支えるようにする。

…だいたいそんな感じで良い筈。たぶん。
それぞれ写真撮ろうかとも思っていたんですが、時間ないのでごめんなさい。
字で書いてもなんだか分かり辛いですわね。
書いてある本によって微妙に違うようですが、詳しくはどちらか専門書でどうぞ。


とかなんとか散々説明してきましたが。
この印を完全に理解・体得し、自分のものとしていない限り力は発揮されないそうです。
形だけ真似てもダメってこと。わはは。

まぁ、厳密にはそうなんでしょうけれど、試しに実際にやってみて下さい。
おそらく…なんとなーく、集中できたような感覚になるでしょう。たぶん。
何事もほどほどが一番。
理解・体得まで究めなくとも、自己暗示程度にはうってつけです。
緊張した時、不安になった的など、唱えてみると気持ちが盛り上がると思います。


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