お寺さんぽ Ver.03

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空也上人立像 (京都・六波羅蜜寺)

2006年04月26日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
えっと、今週の当ブログはこれから「阿弥陀祭り」みたいになっていきます。
次の記事も乞うご期待! (…なんじゃそりゃ)
そして本日は数多い上人像の中でもひときわ異彩を放つ、踊るお坊さん「空也上人」その像です。


京都の近場だとゆかりのお寺「六波羅蜜寺」あるいは、ちょっと遠い(ちょっとどころではない)ですが「月輪寺」には、あの空也上人の像があります。
ぜひ行ってみて下さい。
特にオススメなのは「月輪寺」ですね。
うふふふ……行くなら飲み物持参した方がいいですよぉ。
(※ちなみに写真は六波羅蜜寺の空也さまです。当日光が強かったのであんなんなってる)


空也上人は平安時代の方です。
若い頃より修行がてら諸国を回り、当時はだいたい身分の高い者のみのものであった仏教を広く庶民にまで伝え歩きました。この方の偉いところは、民衆の生活を助けるために様々な社会奉仕事業を行い、また幅広く阿弥陀様の教えを広めたことでしょう。
「南無阿弥陀仏」ってやつですよ。

ちなみに「南無」は簡単に言うと「帰依します」という意味。「阿弥陀」ってのは無限の寿命・光。「仏」は悟りを開いた者。
すなわち、阿弥陀様に帰依しますよー、って常に言っている訳ですね。
(※これは「六字の名号」とも言われますが、それ(←)自体が六字であらわした阿弥陀仏の名前、という意味)

なぜ常にこんなこと言っているのか?というと、阿弥陀様が「その名号を唱える者を浄土に往生(※)せしめることを本願に誓っている」ためです。
これ↑を簡単に書くと、「名前言ってる人をステキな世界へご招待!」ってな感じですね。
まるで選挙のような神さまですよ。

さて、常に庶民と共にいた空也上人は、自らの修行から、道や橋など民衆のための社会事業をも。さらには、病で死んだ人のため仏像やお寺などを建立するなど、その活動は多岐に渡り、多忙な日々をおくりました。
空也上人は庶民だけでなく貴族とも親交があったんですが、その援助で左うちわ…なんてことせず、七十歳で亡くなるまでずっと庶民の中で色々活動していたようです。
はぁ、スゴイですね~!

さて、この像が作られたのは鎌倉時代でして、六波羅蜜寺の像は”かの有名な「運慶」の子で「康勝」”の作。
(月輪寺のも鎌倉時代。作者は不明)
像は空也上人が唱えた「南無阿弥陀仏」の一字一字がそのまま阿弥陀如来になった、という伝説を表現しています。
正直、口から阿弥陀仏が行進している独特の像は違和感たっぷりで、知らない方にはやや不気味に写るかもしれませんが…この像にはそんな意味があったんですね。
お姿はトレードマークの鹿角のついた杖と金鼓、粗末な衣類。その四肢は痩せ、やや腰は曲がり、苦しそうなお顔という、空也上人の波乱の生涯を表現しているようなお姿です。
(なんとこの人「醍醐天皇」の落胤であるという説があります。…当時から)
直接見ると背中がゾクゾクする、リアルな像になってます。
オススメですよ!


(※)往生(おうじょう)
本来の意味は”仏になり悟りを開くため、仏の国に生まれる”ことです。
ただ極楽浄土へ行くだけでなく、最終的に仏になることなんですね。


[住所] 六波羅蜜寺 京都市東山区五条通大和大路上ル東
[住所] 月輪寺 京都市右京区嵯峨清滝 月輪町7

[関連記事] 
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      阿弥陀如来
      仏像講座「如来編」


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1 コメント

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仏教とは (minsuke)
2009-07-10 16:11:36
南無阿弥陀仏とは、阿弥陀仏が悪しか出来ない全ての人々を永遠に崩れることのない絶対の幸福に救いとるために作られた名号のことです。わずか6字の名号ですが、宇宙の宝の全てがつまっており、それを生きているうちに阿弥陀仏からいただけるとこの世も死んでからも大安心、大満足の心で生きていくことができます。
それをいただくためには悪しかできない己を、腹底に眠っている自分の本当の心で知るしかないのです。
そのためにお釈迦様は善を説きました。
実際に善をすることで本当の善を1つも出来ないことを知らしめるためです。
そして阿弥陀仏の本願を説かれ、阿弥陀仏しか人間を救いとる力を持っている仏はいないと教えられました。
もし救いとられなければ、死ぬと何億年も地獄で苦しむことになります。悪しかやってこなかったから因果の道理で悪い結果しか返ってこないのです。

本当の仏教をほとんどの人は知りません。
全ての人が聞かなければならない重大なことを教えているのです。

長文失礼しました。
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