お寺さんぽ Ver.03

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箱根石仏群② (石仏っていいね・応用編3)

2007年11月18日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は神奈川県は箱根町の注目スポット「箱根石仏群」についてです。

これ昨日やりましたが、もう一つあるんですよ。
…実はね、こっちのがスゴイんです。
いやー、石仏って本当にいいもんですね。
ということで↓どうぞ。

「磨崖仏(まがいぶつ)」
岸壁に掘られた石仏を「磨崖仏」と言います。
これは藤原時代が最も盛んで、大分の臼杵石仏や栃木大谷寺など有名な磨崖石仏はその時代です。
鎌倉時代以降になると作例はぐっと減り、非常に稀なのです。
でね、こちらは「箱根石仏群」は鎌倉時代に作成された、レア仏なのでした。

重文「磨崖仏(まがいぶつ)」
俗称「二十五菩薩」

永仁元年(1293)から永仁四年(1296)のあたり。
世間は鎌倉時代で、九代執権「北条貞時(ほうじょう・さだとき)」の頃。
この貞時くんは元寇で活躍した「北条時宗(ほうじょう・ときむね)」の息子さんなのです。

さて、↑写真を見てください。
なんだか「仮面ライダーアマゾン」に出てくる敵の首領みたいでしょ?
(↑十面鬼ゴルゴス)
…知らないか。まぁいいや。

こちらの「磨崖仏二十五菩薩」は西側(写真)の岩と、付近の地下道を抜けたところにある、東側の岩からなっております。
写真の西側には「阿弥陀如来」が一体、続いて「地蔵菩薩」が二十一体、「供養菩薩」一体。
東側には「地蔵菩薩」三体が彫られているのです。
石仏には、そちらの作成年と人々の名前が彫られていました。
先に紹介しました、俗称「応長地蔵(おうちょう・じぞう)」より古いものであることが分かります。

ちなみに、永仁元年のちょっと前。
関東では大規模な地震が起こっています。(※永仁の鎌倉地震)
もしかしたら何かしらの関係が……ないか。
その年ですもんね。
でも、数人の名前がありますし、すぐ彫ることも考えられますけれど、微妙ですか。
そうですね。

ほか、「平禅門の乱(へいぜんもんのらん)」も永仁元年らしく、とかく「元寇」後で世の中が混乱していたのは間違いありません。
南北朝時代へと続く時代の変革期で、不安な世上であったことは間違いないようです。たぶん。

そして、注目すべきは、彫られた仏像らの数と構成。
まず、「阿弥陀如来」がいますね。
その阿弥陀様を除いた数の合計が二十五…ってことは。

そうなんです。
察しがいい方はもう気付いたかもしれませんが、これって「二十五菩薩来迎図」を表現したものではないでしょうか?

「二十五菩薩来迎図」ってーのは、死ぬ寸前の人をあの世へと誘う、「阿弥陀様」に率いられた二十五名の菩薩ご一行様なのでした。
そんなん表現するため、こんなやや不気味な石仏が造られたのかもしれないのです。


☆アクセス
箱根登山鉄道「箱根湯本」駅下車。
箱根登山バス、伊豆箱根バスの「箱根町」行きでだいたい三十分。
バス停「六道地蔵」を下車して下さい。
降りた一帯がもうそのままなんですが、地蔵までは徒歩で五分程度です。

[住所] 箱根石仏群 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根

[関連記事] 【石仏っていいよねー】
⇒ 石仏っていいね (石仏・入門編)
⇒ 石仏の種類について (石仏・基本編)
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⇒ 五智如来石像 (葛飾区・真勝院)
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