お寺さんぽ Ver.03

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聖観音 (仏像・菩薩)

2009年03月26日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は…”石を投げれば「地蔵菩薩」か「聖観音」に当たる”~とか、言われるくらい(うそ)にポピュラーな仏像「聖観音(しょうかんのん)」さまです。

たぶん、仏像とかよく知らん人でも、どーでもいい人でも、ほぼ必ずどちらかで目撃している仏像でしょう。
…たぶん。
おそらく近年に作られただろうブロンズ的なものも無数に見かけますからね。


慈悲の心であらゆる衆生の悩みと苦しみを救い、楽を与える菩薩…と説かれる「聖観音」さま。
六観音では、来世六道にて「餓鬼道」を救済する菩薩なのです。
その梵名は「アヴァローキテーシュヴァラ」
…覚えにくいですね。

全ての”観音菩薩”の基本形でして、「観音さま」と言えば通常はこちらの方。
「見仏記」にて「みうらじゅん」さんが新幹線の0系に例えていましたが、なるほどそんなんが分かりやすいですね。
(※「TV見仏記4 西山/高槻編」収録)

さて、「聖観音」さま。
インドにおける観音信仰はなんと紀元前後と言われ、かなーり早くから重要な菩薩として信仰があった様子。
それから六、七世紀ごろに「十一面観音」、「千手観音」など観音思想の展開に伴って様々な変化観音が出現すると、それらと区別するため「聖観音」と呼ばれることとなりました。
(※ほかには「正観音」、「聖観自在」などと呼ばれることがある)

諸菩薩の中では最も広く信仰されており、それは日本においても同様。
数は非常に多く、仏教伝来後から各時代を通じて信仰され続けてきた仏像なのです。

えー…ここはひでるさんの個人的な意見ですが……パンチパーマなおっちゃんみたいな如来、「梵天丸」も疑問をもったらしい明王、単なる坊主という地蔵さま…といった方々とは違い、最も神様ちっくなんですね。
男女どちらともとれる中世的なお顔で、宝冠から装飾品までが派手で、”神様がなんだかよく分からない人”が見ても神々しさを感じるだろう(たぶん)容姿が客受けしたのではないかなぁ
客じゃないか。

見分け方としては、頭に宝冠、体に天衣(てんね)をまとい、耳飾り、胸飾り、腕輪…など華麗な装身具をつけております。
左手には蕾の蓮華を持ち、右手で開かせようとする形が多いです。
立像、座像どちらもありますね。
「阿弥陀菩薩」の脇侍(※観音菩薩)であったりもします。
ただし、奈良時代までの観音像には宝珠を持つもの、水瓶だけを持つものなどポーズとか様々で、一定はしておりません。

ちなみに、「蕾の蓮華」は容易に悟ることのできない人々の煩悩の心、それを開かせようとしている右手は仏心を表現しているんだって
…そんなんを知ると、ちょっと「聖観音」に対する目が変わるでしょ。
伊達に蓮華を持っている訳ではないのです。

真言は「おん、あろりきゃ、そわか」
この観音さまの力を念ずれば、賊難、火難などあるゆる災難をもたちまち逃れることが…できます。そんな感じ。
また、「阿弥陀如来」の第一の眷属であることから、信仰する者が臨終となった際には極楽より迎えにきてくれるそうです。
ぜひ、迎えに来てもらいましょう!



[関連記事] 【観音・菩薩・天部などいろいろ】
⇒ 仏像の種類 (お父さんのための仏像講座) [前編] [後編]
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2 コメント

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相互リンクしませんか? (ほんちゃん)
2009-03-27 15:34:31
初めてコメントします。「初めて写経をする人のための般若心経意味解説」というブログを運営しているほんちゃんといいます。

貴サイトがとても興味深い内容でそして歴史の分野においてとてもくわしい内容が記載されているサイトで大変勉強になるサイトだと思いました。

私は、般若心経の解説を主にブログに書いているのですが、貴サイトの用に訪問した人が勉強になるようなサイトをこれから目指していきたいと思います。


そして先ほど、人気ブログランキングの方をクリックさせて頂きました。このご縁を機に、相互リンクをお願いできればと思ったのですがいかがでしょうか?

まず、つたないサイトですが私のサイトをご覧になってからの返事で構いませんのでよろしくお願いします。
返信する
遅れました (あおぶひでる)
2009-03-30 01:54:26
ほんちゃんさん、コメントありがとうございます。
遅れてすみません、リンクいたしました。
すごいサイトですね!
般若心経も一度じっくり見たいと思っているんですが、まだ手つかずです。

今後ともよろしくお願い致します。

返信する