お寺さんぽ Ver.03

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竜王 (仏像・八部衆)

2010年08月15日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は前に紹介しました「八部衆」の一人、「竜王(りゅうおう)」です。

名前でピンとくる方は多いでしょう。
言わずと知れた、超人気ロールプレイングゲームのラスボスです。
せかいのはんぶんをやろう
…って、やつですね。
ここでは違いますが。

「竜」という実在しない動物(?)はお話に使いやすいキャラクターであるらしく、その他のゲームにもよく顔を見せていたり、まんが日本昔ばなしのオープニングに登場していたり、十二支のメンバーになっていたり…と、売れっ子で多忙な方でした。

これが仏教になると、”水中の神”、”蛇身の神”となるのです。
そう言えば、「斎女伝説クラダルマ/柴田昌弘」に登場していた八部衆の「沙羯羅竜王」も水を自由に操っていたっけ。
知りませんか、そうですか。




梵名は「ナーガ」
これを音写して、「那伽」となります。

古代インドのナーガ族が信仰していた、「蛇」を神格化したもの。
ナーガ族が仏教徒になってからそちらの神様も取り込まれ、護法善神となりました。
大海に住み、雲を起こして雨を降らすという、人面蛇身の神であった様子。
異形ですねー。
「宇賀神(うがじん)」みたいな感じなのかな。

なお、「八部衆」の際にも書きましたが、単一の名ではありません。
”竜族”みたいな感じなんですね。

釈迦誕生の時に水を注いでいた「竜王」ほか、仏典には多くの「竜王」が登場しています。
「法華経」には八大竜王が登場しており…

1 「難陀(なんだ)竜王」
2 「跋難陀(ばつなんだ)竜王」
3 「沙羯羅竜王」
4 「和脩吉(わしゅきち)竜王」
5 「徳叉迦(とくさか)竜王」
6 「阿那婆達多(あなばたった)竜王」
7 「摩那須(まなす)竜王」、
8 「優鉢羅(うばら)竜王」

…と、いったメンバーがおります。
それぞれ蛇頭の冠だったり、頭は人で体が蛇という、元々のイメージに近い方もいるようでした。



中国では、四神の一人「青竜」とイメージが重なっており、姿は唐風。
そちらに渡っていた我らが「空海」も当然ですがそのイメージを受けており、神泉苑で出現したという「善女(ぜんにょ)竜王」も、唐風の衣装で竜に乗っているのでした。
なお、彼女は「沙羯羅竜王」の第三王女で、もともとはインドの神。
中国・青龍寺を守護していましたが、いろいろあって「空海」と共に来日しております。
複数のお寺を巡った後に京都・醍醐寺の山頂に留まり、守護女神「清滝権現(せいりゅう・ごんげん)」として、真言密教を守護するのでした。

ちなみに、彼女を祀る「清滝宮拝殿」は室町時代の国宝。
ほか、俱利迦羅剣にまとわりつく、足を持つ姿の「俱利迦羅(くりから)竜王」は、「不動明王」を念ずる力によって保護をほ受けるところから、その化身としての信仰があります。
(※上写真左)

そのほか八部衆像が有名な奈良「興福寺」では、蛇頭の冠の武人風、二十八部衆像が残る京都「三十三間堂」、福島「恵隆寺」には、同じく武人風な「難陀竜王」、「沙羯羅竜王」が見られます。
レアなので、行った際にはじっくり見てみて。


[関連記事] 【天部、その他】
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※これです、コレ。 
せかいのはんぶんをやろう
 …って、それ変身前なんですが。


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