妄想を少しと、好きな物、好きな事を備忘録のように、

好きなもの、好きなこと、
思いついたまま綴っています。

好きの範囲は人それぞれ、お注意下さい。

月は、東に、日は西に。

2015年04月04日 | QOL

蕪村といえば、俳人。 国語の教科書に取り上げられる人物と、

タイトルにもした通り、「菜の花や月は東に日は西に」

その蕪村が、絵画の世界でも、天才絵師と呼ばれる活躍をしたとは、

この展示会で、初めて知ったのです。

その画風は、「粗」と言うのでしょうか、「鄙」

もちろん、野暮とか、賤しいとかそんなネガティブな意味ではなく、

品のある力強さを感じるのです。

 

それを、若冲という、まさしく「雅」を極めた画家と対比することで、

蕪村の画風の特徴を、その良さを際立たせているのです。

同じ歳で、同じ時期に京の都のご近所さんだった二人に

交流があったのか、

素人の気ままな傍観者にとっては、どうでもよいこと。

きっと、ライバル視は、若冲ならばしていなかったはず、

でも、蕪村にとっては、若冲は気になる存在だったと思うのです。

それゆえ、若冲とは全く違う作風を極めたと思うのです。

そして、それは見事に花開き、きっと、若冲の目にも留まったはず。

故に、あえて互いを無視する風を装ったのだと思うのです。

 

同じ歳の天才画家と、二人をライバルと見立てた展覧会ですが、

今回ばかりは、蕪村が主役。

「鳶・鴉図(とびからすず)」 を筆頭に、

山水図屏風や老松図屏風を楽しむことが出来ます。

銀箔の下地に描かれた山水、金箔の上の墨の松が

それぞれ素晴らしい。


「雅」な若冲も良いけれど、

生家の商いである野菜を描いた若冲もまた、良いものです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿