蕪村といえば、俳人。 国語の教科書に取り上げられる人物と、
タイトルにもした通り、「菜の花や月は東に日は西に」
その蕪村が、絵画の世界でも、天才絵師と呼ばれる活躍をしたとは、
この展示会で、初めて知ったのです。
その画風は、「粗」と言うのでしょうか、「鄙」
もちろん、野暮とか、賤しいとかそんなネガティブな意味ではなく、
品のある力強さを感じるのです。
それを、若冲という、まさしく「雅」を極めた画家と対比することで、
蕪村の画風の特徴を、その良さを際立たせているのです。
同じ歳で、同じ時期に京の都のご近所さんだった二人に
交流があったのか、
素人の気ままな傍観者にとっては、どうでもよいこと。
きっと、ライバル視は、若冲ならばしていなかったはず、
でも、蕪村にとっては、若冲は気になる存在だったと思うのです。
それゆえ、若冲とは全く違う作風を極めたと思うのです。
そして、それは見事に花開き、きっと、若冲の目にも留まったはず。
故に、あえて互いを無視する風を装ったのだと思うのです。
同じ歳の天才画家と、二人をライバルと見立てた展覧会ですが、
今回ばかりは、蕪村が主役。
「鳶・鴉図(とびからすず)」 を筆頭に、
山水図屏風や老松図屏風を楽しむことが出来ます。
銀箔の下地に描かれた山水、金箔の上の墨の松が
それぞれ素晴らしい。
「雅」な若冲も良いけれど、
生家の商いである野菜を描いた若冲もまた、良いものです。
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