お米とお水、そして酵母。 その蔵の空気に、人の手。
「蔵」というより、工場と言った方が良いような
蔵元さんもあるけれど、
基本的に自然の恵みだと思うのです。
もちろん、そこには、
蔵人さんや、杜氏さんの手助けがあって、
より美味しくなるものだと思うのです。
自然の恵みだからこそ、
造った歳、時期によって、味は様々に変わるはず、
封を開けてから、刻々と味は移ろっていくし、
飲む人の、体調、気持ちによっても、
同じ瓶のお酒でも、まったく違う。
週に四合瓶、二本を開けるおやじの備忘録にお付き合いのほど、
2015BYPart1は こちらです。
2015BY Part2 (春の巻)。
2015BY Part3 (夏の巻)。
明後日、8日日曜日が、立冬。
週末呑んだお酒の備忘録、季節に合わせてと思ったけれど、
最初のころは、関係なく、ページを区切っていたみたい、
読み易さもあるけれど、「春」、「夏」、「秋」と区切るなら、
節気の節目には、新しい項目を立てるべきかなって、
だから、これが、「2015BY秋」の掉尾を飾るお酒。
筑後、長門、越後と北へ上ってきたならば、出羽の国で〆。
日の丸醸造株式会社 秋田県横手市
限定品 MANSAKUNO HANA JUNMAI GINJO
アルコール分 : 16度
原材料名 : 米 (国産) 米麹 (国産米)
原料米 : 亀の尾 100%
精米歩合 :55%
製造年月日 : 2015.10
裏書きによれば、
純米吟醸一度火入れ原酒 亀ラベル2015秋と
確かに、ラベルの「亀」さんも、これを手に取った理由の一つ、
温度が室温に近づくにつれ、
秋田のお酒らしく、ほんのりと、麹の甘さも起ってきて、
甘さとか、うま味も目覚めてくる、好きなタイプのお酒。
甘口っていうと、昔は、ドロドロとして、黄味かかったお酒ばかりだったけど、
こうして、いろんなお酒を呑んでいるうちに、
甘みのある、お酒が好きなんだなって、気がついたのが今年の収穫、
そうなると、辛口のお酒って、いったいどんなお酒なのか、
2015.11.6 記
好きな画家の「睡蓮」の絵を癒され、
画面の三人から、想像できないくらいの小柄さに驚き、
うぶ毛、縄の毛羽の一本一本まで見える写真にため息。
そんな金曜日、最後の〆は、もちろん、お酒。
それも、ちょっとだけ冒険して、初見の蔵元さん
千代の光酒造株式会社 : 新潟県妙高市
純米 千代の光 越淡麗100%
厳選槽場汲み 越淡麗 純米無濾過原酒 瓶火入れ
![](http://www.chiyonohikari.com/jyunnmaibin.jpg)
(写真は、純米酒)
アルコール分 : 17度
原材料名 : 米 (新潟県産-越淡麗) 米麹 (新潟県産米)
精米歩合 :54%
製造年月日 : 2015.10
アルコールの度数が17度、日本酒にしては、強い方のお酒、
それに故に、しっかりとアルコールが回る。
味も、しっかりと、強い個性のお酒。
だから、チーズのクセにも負けない。
両方の味をしっかりと引き立ててくれる。
きっと、冷やしすぎると、味がぼやけてしまう、
冷蔵庫から出して、一時間、いまが、ちょうど、室温、
強さのなかに、甘さが加わったのは、酵母さんが目覚めたから?
室温か、それより熱い方が美味しく呑めるお酒。
もちろん、一人深夜に呑むお酒でなく、美味しい料理に呑むお酒。
多分、この時期なら、脂ののり始めた寒ブリの照り焼きなんか、
2015.10.30記
売らんが為の、広告の文句に踊らされたくはないけれど、
でも、折々の節目をきっかけにするのは、悪いことでなく、
お気に入りの蔵元のお酒を呑む、定点観測のようなもの、
正々堂々、
「十月一日は日本酒の日、貴冷おろし解禁」と
この潔さも、良いと思う。
で、今年の「ひやおろし」定点観測、第二弾は、
株式会社 永山本家酒造場 : 山口県宇部市
ひやおろし 特別純米 貴
![](http://static.wixstatic.com/media/f7d223_c1b404a7b50c4102a400afbc31b72dfe.jpg_srb_p_600_421_75_22_0.50_1.20_0.00_jpg_srb)
アルコール分 : 15度以上 16度未満
原材料名 : 米 (国産) 米麹 (国産米)
精米歩合 :60%
製造年月日 : H27.09A
冷蔵庫から出して半時、
酵母さんがお目覚めになるには、ちょっと早いかも、
舌の上で転がすと、さっぱりとした甘さが広がる、
口の中に、香りが、広がる。
時間が経つにつれ、甘さが立ってくる。
まだまだ、お付き合いは短いし、
それほどの量を呑んでいるわけでないけれど
記憶に残っている味と変わらない。
良いお酒と、そのお酒を造った蔵元さんに出会えたことを感謝、感謝。
はは、先週も、若波の時と同じ終わり方だ、、、、
2015.10.16記
四季それぞれ、その季節にしか飲めないお酒が、、、
この季節なら、いわゆる「ひやおろし」とか「秋上がり」。
そんな名前に関係なく、季節ごとに呑みたい蔵元さんが幾つか、
その中の一つが、
若波酒造合名会社 : 福岡県大川市
若波 純米吟醸 寿限無
アルコール分 : 16度
原材料名 : 米 (国産) 米麹 (国産米)
精米歩合 :55%
製造年月日 : 15.9.
少し甘めの、寿限無。
たしかこのお酒は、この時期にだけ呑める銘柄。
他の蔵元さんの「ひやおろし」に交じって、
10月1日が解禁日になっているし、
店主さんも、そう言っていた。
ログは残っていないけど、
確か、去年も、この甘さに感激した記憶が、
こうして、夏を越えた「若波」さんのお酒を、
こうして呑めることに、感謝。
来年も、こうして美味しいお酒が頂けますように。
名前のように、「寿」限り無しとはいかないけれど、
2015.10.9記
四連休のイブ、四ッ谷尾張町の女将に勧められ、
手に取った残りの一本に、ようやく手を伸ばす。
そらには、「更待月 -ふけまちづき- 」
いざよい(十六夜)、立待、寝待までは、覚えていたけど、
ここまでは、知らなかったかも、
そんな夜に、
成龍酒造株式会社 愛媛県西条市
しずく媛 純米原酒 「月見純米 SEIRYO TSUKIMI」
![](https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/hphotos-xap1/v/t1.0-9/11214729_786440664793748_8279563004361449118_n.jpg?oh=3b3fae752bdca4a1008b0d6be34ddb4e&oe=56997170)
アルコール分 :15度以上16度未満
原料米 :しずく姫 100%
原料名 :米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 :60%
製造年月日 :2015年9月
アルコール分 :17度以上18度未満
冷蔵庫から出し、外気に馴染ませる。
お休みしていた、お酒の妖精を目覚めさえるために、
口に含むと、甘さが広がり、お酒の味が、口いっぱいに広がり
呑む込むと、体温に温められ、酔精達が体のなかで踊り始める。
一週間の、世間の垢を、洗い流し、週末の始まり、
ラベルの稲穂が、秋を感じさせ、
心は早、今年の新酒へと、
でも、夏を越し、成熟したお酒の妖精を味わうのが、
この季節の楽しみ。
2015.10.2 記
カレンダーを見ると、赤い数字が4つ並んでいる。
とはいえ、その通りに休める訳ではないけど、
そそのかされれ、二本四合瓶をぶら下げて帰ってきた。
多分、この酒蔵さんのお酒は飲んだことがあるはず、
でも、それはそれ、今夜は、今夜。
有限会社 仙頭酒造場 高知県安芸郡
日本酒 美潮(みしお) 純米吟醸 雄町 2015
アルコール分 :15度以上16度未満
原料名 :米(国産)・米麹(国産米)
原料米 :岡山県産雄町 100%、
精米歩合 :59%
製造年月日 :2015年9月
冷蔵庫から出して、しばらく放置プレイ、
甘さがかるく口の中に広がると、思わず、ニッコリ。
喉越しも軽く、呑み易い。
嫌みのない後味が、舌の上に残り、
次の一杯、チェイサー、あるいは、肴が来るのを待っている。
お酒も、肴も進む、良いお酒、
それに、季節もちょうどお酒を楽しむには程良い温度。
冷たいお酒を水のように呑むのではなく、
チビチビと、時間をかけて、ゆっくりと、秋の夜長を楽しもう。
2015.9.18
追記
趣向を変えて、直前まで冷蔵庫で保管。
程よい甘さが口の中にフワっと広がるのは同じ、
でも、冷えているぶんだけ、キリッとして、より爽やかな味。
ラベルに、果実のようなってあるけれど、
本当に、お米が、くだもののような甘さに育っている。
2015.9.20
ひやおろしが勢ぞろいした棚。
まだ味わったことのない蔵元さんのお酒にしようか、
美味しいと思ったお酒にの「ひやおろし」にするか悩んだ結果が、
何度か、味わったことのあるお酒、ちょっと安全策。
冒険心に欠けると自省しながらの帰り道でした、
こんどは、チャレンジしてみよう。
で、選んだのは、
岡崎酒造株式会社 長野県上田市
信州 亀齢 ひとごこち 純米吟醸 (ひやおろし)
![](http://www.ueda.ne.jp/~okazaki/common/img/ginjo_hitogokochi_2.jpg)
アルコール分 :15度
原料名 :米・米麹
使用米 :長野県産 ひとごこち 100%
精米歩合 :59%
製造年月日 :H27.4
蔵元出荷年月 :H27.9
サラサラと、軽快な喉越し、ちょっと甘いかな、
いろいろ話しをしてみて、
意外に好きなタイプのお酒が甘口が多いことに気づいたこのごろ、
このお酒も、そのまま、好みのお酒。
透きとおったお酒、一目見て、このお酒は好きになりそうな予感、
そして、その予感は、正解。
好きな教科が、古文・漢文、地理、地学。
後の二つが、30年の時をへて役に立っているのは、
また別の機会に、まずは、亀の歳まで、お酒を飲めますように。
2015.9.11記
そろそろ、秋のお酒、「ひやおろし」をみかけること、
どちらにしようかと、悩んでいると、目に入ったのが、
きになっていたお酒
美吉野醸造株式会社 奈良県吉野郡
花巴 山廃純米酒 雄町
![](http://www.hanatomoe.com/images/product_img/yamahai_top.jpg)
アルコール分 :16%
原料名 :米(岡山県産)・米麹(岡山県産米)
使用米 :雄町
精米歩合 :65%
製造年月日 :27.8
製造は27.8となっているけど、 23(2011)BYの熟成
黄色いお酒は、混ざり物がっていうけれど、
熟成の故か、精米歩合が高いからか、濃い黄金色。
前回書いたのと同じコメント。
お米は違うけど、雄町との違いが分らないけど、
酸味っていうか、ちょっとピリッとする辛さが、
お酒を受け止める準備の為に、体を目覚めさせ、
そして、酔いが体の隅々まで、心地よく染みて来る。
時間が経つにつれ、香りも目覚め、ほのかな木の香り、
飲みすぎないように、きをつけよう。
2015.8.28記
一夜明け、少し趣を変えて、飲んでみる。
冷やしておいたお酒を、室温に馴染ませてから、一口。
樽酒のような、舌にピリッと刺激が、
アルコール度数が16%って表示されているけど、
もう少し強いようにかんじる。
4年の熟成が、お酒に力を与えたのかな
2015.8.29記
暑さはひと段落、とはいえ、湿度が高いこのごろ、
なぜか、あまくて、さっぱりしたお酒が恋しくて、
あたりを付けたのは、越後のお酒、
そう思って探していると、ありました。
赤坂福吉町の酒屋さんに、
合名会社 渡辺酒造店 新潟県 糸魚川市
根知男山 純米吟醸
![](http://www.nechiotokoyama.jp/images/meigara/jyungin.jpg)
アルコール分 :15度以上16度未満
原料名 :米(新潟県産)、米麹(新潟県産米)
原料米 :あきた酒こまち(酒米) 100%使用
精米歩合 : 55%
製造年月 : 15.7
曰く、
その甘味はよりソフトで滑らかさを感じます。酸味はジューシーさを感じさせます。
口に含んだ時の清らかさと、旨みと酸味のバランスが良く、後口は綺麗に収まります。
綺麗で味わいの芯の通ったお酒。
この口上が、まさしく「今」飲みたかったタイプのお酒、
そして、その通りの味。
冷蔵庫から出したばかりのころ、酸味とうま味????って感じ
でも、求めていた「さっぱりした甘さ」に、ひとめぼれ。
時間が経って、温度が上がってくると、違う味わいが、
大好きなタイプのお酒に、
また一つ、追いかけるお酒を見つけました。
2015.8.21記
涼を求めて、シュワシュワとした飲み物が欲しいこの季節、
日本酒でシュワシュワとしたお酒は限られているのですが、
わたしにとっての定番、
新政酒造株式会社 秋田県 秋田市
Spark 亜麻猫
アルコール分 :15度
原料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
原料米 :あきた酒こまち(酒米) 100%使用
精米歩合 : 麹米40% 掛米 60%
製造年月 : 2015.05
平成二十六、酒造年度 二〇一四
去年の失敗は、二度と、繰り返さない。
元気のいい、亜麻猫ちゃんの酵母のご機嫌をとりつつ、
ゆっくりと、時間をかけて、封を切る、
ちょっと甘めの、濁り酒。 舌の上で、二酸化炭素が踊っている。
夏のお疲れ気味の体に、酵母さんの醸しだした滋味が染み渡って、
体と、心を元気にしてくれる。
新政さんのお酒は、冷え冷えよりも、
ちょと、「ぬるい」くらいの方が方が、お酒の味わいが増す。
舌と、喉で、味わうお酒。
2015.8.7 記