お米とお水、そして酵母。 その蔵の空気に、人の手。
「蔵」というより、工場と言った方が良いような
蔵元さんもあるけれど、
基本的に自然の恵みだと思うのです。
もちろん、そこには、
蔵人さんや、杜氏さんの手助けがあって、
より美味しくなるものだと思うのです。
自然の恵みだからこそ、
造った歳、時期によって、味は様々に変わるはず、
封を開けてから、刻々と味は移ろっていくし、
飲む人の、体調、気持ちによっても、
同じ瓶のお酒でも、まったく違う。
週に四合瓶、二本を開けるおやじの備忘録にお付き合いのほど、
2015BYPart1は こちらです。
2015BY Part2 (春の巻)。
いつもなら、三連休、三連投のはずが、
中一日置いて、それも、三連休最後の夜に、ようやく宅飲み、
少し、日差しの弱まった夕方、散歩がてらに酒屋さんへ、
お目当ては、北の酒、
ところが、今手元になるのは、四国のお酒。
たまたま、試飲会、そこで手に取ったのが、
石鎚酒造株式会社 愛媛県西条市
石鎚 純米 土用酒 槽搾り
アルコール分 :17度以上 18度未満
原料名 :米(国産)、米麹(国産米)
使用原料米 : 愛媛県産計約米松山三井 100%
精米歩合 : 60%
日本酒度 : +8.0
酸度 :1.7
使用酵母 :自社培養酵母 K-6
醸造年度 :平成26BY
製造年月日 :平27.7.16
土用酒らしく、ラベルには「うなぎ」の絵が、
土用の丑の「うなぎ」の油分をすきりと流すようなお酒とのこと、
確かに、しっかりとした、味わいのお酒さん。
だから、白焼きには、合わないかも、
でも、暑い日暑気払いに、ちょっと油分の多い肴には、丁度いい感じ。
手元に、ましてや、深夜の一人飲みには、ちょっとヘビー過ぎる肴。
同じ四国の、高知のお酒の軽さに比べると、
なかなか腰すわった、力強いお酒。
でもね、実は去年飲んだ時は、この強さに負けてしまったの、
それで、どうかなって、心配だったけど、
今年のは、良いお酒に仕上がっている。
この子となら、甘めのタレのレバーを美味しく頂けそう。
なんとなく、腑抜けな金曜日。
適当に、雨が弱まるを待ちながら、
こんな日だから、ひょっとしたらと思いながらも、
満員の立ち飲みコーナー。
邪魔にならないように、サクッと選んだのが、
田辺酒造有限会社 福井県吉田郡
清酒 越前岬 「夏の涼香 純米吟醸」
アルコール分 :15度
原料名 :米(国産)、米麹(国産米)
原料米品種名 : 福井県産五百万石
精米歩合 : 55%
日本酒度 : +3
酸度 :1.4
使用酵母 :自社酵母
製造年月日 :2015.7
封を開けると、ほのかに甘いお酒の香り
甘さが口の中に、ひろがり、ちょっぴり酸味も、、
ちょっとだけ、後に残る、雑味も、
チェイサーを飲めば、キレイに流れてくれる。
だんだん時間をおいて、温度を均していくと、
甘みが目覚めてくる、
香りを拾えないのが、ちょっと寂しいかも、
まだまだ、体は副鼻孔炎から回復していないかも、
訳あって、今日は、先週に続き秋田のお酒にしようかと、
思いながら、四ッ谷尾張町のお店へ、
軽いさっぱりとしたお酒を飲みたいと、、お願いしたところ、
教えていただいたのが、
花泉酒造合名会社 福島県南会津郡
七ロ万 26BY純米吟醸 無濾過生貯蔵酒
アルコール分 :15度
原料名 :米(南会津産)、米麹(南会津産米)
精米歩合 : 麹米 50% 掛米 60%
製造年月日 :27.6
冷蔵庫から出して、そのままグラスへ。
梅雨の湿気に、すぐグラスに水滴が、、
澄んだお酒、一口含むと、ふんわりと甘い。
食中酒に良いよって、アドバイス。
確かに、なにか、美味しい肴が欲しくなる。
梅雨入り、雨の日が続いています、
今年の梅雨は、少し肌寒い日が多いような、
そんな時は、日本酒を選びたくなるものです。
「ジャケ買い」ならぬ、「名前買い」で選んできたのが今日のお酒。
秋田醸造 株式会社 秋田県秋田市
純米吟醸 ゆきの美人 「しぼりたて 夏吟醸」
アルコール分 :16.0度以上 17度未満
日本酒度 +9
原料名 :米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合 : 55%
製造年月日 :27-6
透明な見るからにさっぱりしていそうなお酒。
確かに、さっぱりしているけど、
少し複雑な味が口に残る、
ひょっとして、まだ酵母さんがお休み中なのかも、
それとも、体調が、、、
雑味というならば、そうかもしれない、
それに、ちっとピリッとしたスパイシーな刺激も、
理性は、まさしく私好みのお酒のサインを出しているけど、
体が反応しない。
こんな時は、お休みするに限る。
一夜明けて、仕切り直し。
生酒は、冷蔵庫から出して、少し時間をあけて、
酒精さん達がお目覚めになつのを待つのがやはり鉄則。
それに、私の五感(嗅覚、味覚、聴覚も)復活したし、
美人さんを堪能させていただいております。
甘さの中に、ちょっとした酸味。
むろん、酸味っていっても、酸っぱさとは違う味、
甘さも、ベトベトした甘さではなく、品のある。
秋田のお酒らしい、お酒。
いぶりがっこと一緒に飲んだら、最高なんだろうな。
「ジャケ買い」ってご存知でしょうか。
レコードを買う時、ジャケットのデザインで買うことを言うそうです。
今なら、CD、これももう死語になりつるあるから、
ダウンロードするときに、さしずめ
アートワーク買いっていうのでしょうか、
とはいえ、簡単に視聴できますから、
そんな選び方自体、流行らないのかもしれません。
さて、今夜のお酒は、そんなジャケ買いならぬ、
ラベル買いのお酒。
最近、日本酒でも、焼酎でも、ラベルが素敵なのです。
選んだのは、
合名会社 寒梅酒造 宮城県大崎市
Mr. Summer Time
アルコール分 :16.0度以上 17度未満
原料名 :米(国産)、米麹(国産米)
使用米 :麹米-美山錦(2割)・掛け米-ササニシキ(8割)
精米歩合 :麹米 45% 掛米 55%
製造年月日 :27.5
澄んだお酒だけど、口に含むと、ふんわりと甘さが、、
ちょっと、雑味が舌に残るけど、
チェイサーを飲めば、キレイに流れ去る
お酒自体ではなく、きっと、私の体調の問題。
回復したとはいえ、副鼻腔炎を拗らしている診断。
嗅覚だけでなく、味覚も、ちょっと弱っているかも、
ちょっと、温度が上がると、雑味でなく、酸味。
ちょっと、甘くって、酸味のあるお酒、
最近私の、大好きなタイプのお酒です。
自虐的に、季節労働者と自称している、
四月半ばから、ほぼ一カ月、
一年の中でも忙しく、大切な季節を
今年を無事に乗り越えたから、
ちょっとだけ、自分にご褒美。
選んだお酒は、
南部美人 岩手県二戸市
一心 ふくよか 雄町50%
アルコール分 :16.0度
原料名 :米(国産)、米麹(国産米)
使用米 :雄町 100%
精米歩合 :50%
製造年月日 :2015年3月
ほとんど常温で飲んでいる、
くちあけの時、一瞬だけ、甘いお酒の香り、
やっぱり、嗅覚は、本調子に戻っていないみたい。
コクのある、味わい、
50%まで精米しているから、雑味はなく、
喉の奥に、フワッと広がる上品な甘さ。
もう少し冷えていれば、さっぱりとしたお酒。
半分空けたところで、一休み。
体調もあるし、
もうすこし冷えた温度で飲んでみたいから。
一夜明けて、
ほんの五分前まで、冷蔵庫の中、
それでも瓶に水滴が着き始めるこの季節、
薄い黄金色、透明度の高い日本酒の色、
冷えた南部美人 一心 ふくよかを、一口、
さっぱりとして、ほんのりと甘さが広がる。
この季節からなのか、冷たい方が将に合うみたい。
今日は、皐月の最後の日、このお酒の飲むことで、
新たに生まれたような気分で、新しい月が迎えられそうです。
目星をつけておいたお店が満席。
さすがに金曜日の夕刻、飛び込みで入るのは難しい。
そんな時、偶然入ったお店が、当たりだと、ちょっと嬉しい。
そのお店のメニューにあったのが、
「あるかもしれない」の但し書きと共に「田酒」の文字が、
噂には、聞いていたし、この文字の入った前掛けは見るものの、
現物を頂戴するのは初めて、
で、お味の方も、噂に違わず、美味しい。
連れも、「これ好き」と二つ返事。
大当たりの日で、ご機嫌な夜でした。
どこかで飲んだ、ひょっとしたら再登場かもしれないと、
思いながらも、手に取ったのは、
美吉野醸造株式会社 奈良県吉野郡
花巴 山廃純米酒 無濾過生原酒
アルコール分 :17度以上18度未満
原料名 :米(奈良県産)・米麹(奈良県産米)
使用米 :吟のさと
精米歩合 :70%
製造年月日 :2015年3月
透きとおった黄金色は、精米歩合が高いからか、
無濾過、生酒ならば、
もう少しお米の、麹の香りが立つかと思えば、
そうでもない、
常温で寝かす時間が短いからか、酵母クン達も眠っているのか、
気になって蔵元さんのサイトを見ると、含み香へのこだわりが、、
はい、まさしく、その通りです。
喉から帰ってくる香りが、口の中で広がります。
疲れていたわけでなく、造り手さんの狙い通りに、、、
ならば、造り手さんの味への想いを、私の舌との答え合わせ。
うま味を感じるものの、酸味に欠けるかなと、
きっと、それは温度の精霊が、、
はい、その通りでした、
これを書きながら、温度の精霊と折り合いをつけると、
酸味が、、、香りと同じように喉から、上がってきます。
そう、お店で悩んだ、もうひとつの花巴、
WishListに入れておかなければ、
営業用であっても、顔を覚えておいて頂けるのは嬉しいことで、
ましてや、見立てが良ければ、目当てに通ってしまうのが、人の常というもの、
尾張町といっても、京橋区ではない、
お濠の西側、大木戸の内側の尾張町の女将の見立てで、
和田龍酒造 長野県上田市
「和田龍登水(とすい)」 美山錦 純米吟醸酒
アルコール分 :16.0度
原料名 :米(国産)・米麹(国産米)
使用米 :美山錦
精米歩合 :49%
製造年月日 :平成27年4月
出荷年月日 :平成27年5月
美山錦だから、クセがあるかもと、
でも、それだから試してみたいと、選んだお酒。
飲む前に冷蔵庫から出して、温度調整。
これも、アドバイス通り。
香りが立たないのは、寂しいけれど、
飲めば、そんなこと関係無く、
軽いのど越し、喉の奥で味が漂い、甘さが舌の上でまどろむ。
蔵元さんの狙い通り、食中酒。
金曜日の深夜に一人飲むには、もったいないお酒。
美味しい肴と共に、頂きたい。
追記
放置して、ほぼ常温に、
飲んでみると、甘さが強くなっている、
冷たいときよりも、美味しい。