漱石は、" I love you"を「月が綺麗ですね」と訳しておけと、
言ったとか、言わなかったとか、
夜の冷え込みを感じる様になって、空のお月さも白さを増してきた。
そんな月を見て「月がキレイ」とメールをくれる人と空を見上げたいなと、
冬の眩しいくらいに明るい月もいいけれど、
できれば、ぼんやりと浮かぶ朧月夜、
うっすらと浮かぶ月に見守れて、月夜のお散歩。
偶然見つけたお店に飛び込んで、少しお酒を頂く、ほんのりと紅に染まった頬。
五十半ばすぎのオトウサンが何を寝ぼけた事をと笑われますが、
更待月(ふけまちつき)を待ちながら、そんな事を願ってしまう秋の夜更なのです。
そんな願いに想いを馳せながら頂くお酒は、
千葉県いすみ市 木戸泉酒造株式会社
特別純米 木戸泉
原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)
原料米:山田錦100%(兵庫県産)
精米歩合:60%
アルコール分:18度
製造年月(瓶詰) 2019.03
口当たりが少し柔らかくなったのは、
お酒の体温がまだ低いからか、
それでも、昨夜と同じ残り香が鼻に回る。
何だか気の強い熟女さんが、親密になって、
ふと優しさを見せているような味わい。
ウィスキーや焼酎ならば、樽を焦がしてお酒の味を造るけれど、
そのままの桶や樽で醸しているのか、
木の香りがストレートに響いいて来る。
あるいは、この蔵元さん特有の仕込み方
「高温山廃仕込」、「酵母・乳酸菌無添加」の為せる故なのか、
他にはない味を醸しているから、好みが分かれるお酒。