官能小説っていうと、人によって、特に女性にとっては、
手にする機会が少ないかもしれません。
マドンナメイトやフランス書院。
それぞれすばらしい作品が多くありますが、
私にとっては、とても素敵だと思われるものであっても、
表紙の挿絵は、限りなくセクシャルハラスメントに近いものがあり、
ブックカバー無しで、人前で読むことはさすがの私でも出来ません。
丁度、レンタルビデオ店でAVを借りる時と同じといえば分っていただけるでしょうか。
もしくは、女の子にとっての、レディコミを買う時と同じか、それ以上です。
そういった、マイナーな作家の小説が、大手の出版社から刊行されるようになりました。
そんななか、河出i文庫から、「館淳一の秘巻7篇」という本が出版されました。
館淳一という人は、女装の楽しさを教えてくれた作家で、
この本は、彼の作品のエッセンスが詰まった短編を選び掲載されています。
残念ながら、女装それ自体を取り上げた作品が選ばれてはいないのですが。
少年の女の人の下着への気持ちに触れた場面もあり。
彼の作品への入り口として、入り易い作品ばかりを集めていると思います。
舘ワールドを体験していないのならば、一度手にとってみてください。
ちょっと、表紙は際どいのですが、
この本を手にとって、レジに出す恥かしさを克服する勇気は、
それぞれの小説の楽しさで十分に報われるはずです。