8月最後の週末からの諏訪神社から始まって、
近所では、八幡さま。
そして、9月の二番目の週末が、氷川神社。
夏の終わりから、秋の始まりにかけて、
東京、山の手では、秋の祭礼がおこなわれ、
祭囃子や、神輿の担ぎ手の声が響きます。
祭礼を手伝っていて、思うのは、
神輿のを組む時は、もちろんのこと、、
お祭りのいろいろな場面で
縄が登場し、それを結ぶことで、
お祭りが出来上がっているってことです。
町々に設営される、神酒所も、
その場所を縄で囲うことで、示されます。
縄が、結ぶということが、
あらためて、私たちの生活で、
思いのほか、近くにあることに気がつくのです。
その近さが、緊縛という文化を育んだきっかけになったのだと、
また、「神」と「縄」の近さが、捕縛術という味付けを経たのちも。
縄の受け手への、尊敬を保ち続けることができたのではないかと、
ミスターK氏は、「緊縛の文化史」に記しています。
男性も縛られることもありますが、
その美しさからか、女性の姿が多い、
ならば、縛られることで、神聖なものになるという意味で、
巫女のような存在なのかと、
和のSMの特徴である緊縛。
洋の拘束には見られない、
縛られる方、マゾを想いやる気持ちが生まれたのではと
作者は考えているようです。
マスター“K”:著, 山本規雄:訳
発行:すいれん舎
英語圏の人々へ向けての緊縛の紹介の本の翻訳で、
緊縛の歴史をひもとき、
さらには、現在に活躍する人々の紹介、
そして、簡単な縛り方の解説まで、
興味半分、面白半分でなく、
真面目に緊縛と向き合って書かれています。
女性の(もちろん男性の)緊縛姿を美しいと感じるならば、
秋の夜長のお伴に相応しい一冊だと思うのです。
改めて、緊縛の奥の深さを知ることだと思うのです。
ただ、
縛られた女性をリピドーを和らげる手段になさっている方には
間違えなく物足りないと思います。
緊縛って、エロチックな芸術、あるいは技術だと
そんな想いを抱く方には、是非とも読んでいただきたいのです。