乳首、鼠蹊部(両足の足の付けの間、蟻の門渡り)の縫い目。
身体を触ってみると、他の場所とは違う感覚を感じる場所があります。
もし、その感覚に身を委ねたことがないのであれば、
試してみる価値があると思うのです。
簡単な話、女性を気持ちよくさせる場所の全てで、
男性もまた、同じよう快楽を得ること出来る。
ただ、それだけの話なのでが、
身体的な性差は、考えている以上に小さいものなのです。
男性という性の身体的特徴を持っているといっても、
女性との違いは、全体からすれば、それほど大きな割合ではなく、
共通点の方がはるかに多いことに気がつくはずです。
もちろん、その小さな違いが、人を「オス」としている事実は、
忘れてはならないことなのですが。
「
できそこないの男たち」 福岡伸一著 光文社新書には、
「メス」が生物としてのスタンダードで、
多様性を確保するために生まれた性が、男性性だと述べられています。
そのために、生物としての基本であるメスの身体から、
その発育過程を変更し、身体の一部を作り変えることで
オスという性が生まれたのだとあります。
受精卵が、ある時期変異をして、オスとメスに分化する。
メスというスタンダードな性の男性の身体においての名残が、
乳房であったり、足の付け根の縫い目だったりする。
私個人の体験としても、男性の性器への刺激に似た感覚を、
それ以外の場所、特に、メスの名残の場所で感じることも、
そのことを素直に受け止められる理由かもしれません。
女性という性から逸脱して、オスになってしまったことを
無意識になかで、後悔しているが故に、
基本の性に戻りたいという感覚が生み、
私の中に「はるか」という女を見出したのかもしれません。
性別を越境したい人の割合が、男性の方が多いのは
男性がメスから派生した性だからかもしれません。
ただ、元の性に戻りたい気持の程度は、まったく無い場合でも、
環境に影響をうけることによるのだと思うのです。
異性装や性同一障害について特別触れられていないのですが。
基本とか、安定した状態に戻ることが普通であるならば、
オスという男性性が、好き嫌いの感情だけでなく
すべてにおいて、女性というメスに憧れ、近づき、
同じになりたいと思うのは当たり前のことだと感じ、
私の中に、女性の部分があることの不思議さが
少し解消されたように思うのです。