JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

肴は気取り酌は髱

2008年04月18日 | a-c

春の嵐が今も雨戸を揺らしています。何とか粘っていた何本かの桜もこれで完全に終わりですね。それにしても昔から春ってこんな嵐を呼ぶ低気圧がバンバン来てましたっけ?これも温暖化の影響なのでしょうか。

酒で失敗した親子は互いに禁酒を誓い合います。
ところが、結局誘惑に負けてしまい。酔って帰った息子に父が
「馬鹿野郎、飲んできやがったなぁ、どうしてあれほど言ったのに、飲んでくるんだ。酒を飲むから、お前の顔が七つにも、八つにも見えるじゃねぇか。そんな化け物に財産が譲れるか」
「ヘンだいいらねぇよぉ。こんなぐるぐる回ってる家をもらったってしょうがないやい。」

全く酒飲みというやつはしかたのないものでありまして、親子共々救いようがないという、落語『親子酒』の落ちであります。

「あら、金曜日なのに帰って来ちゃったの?」
「帰って来ちゃったのって、あ~たね、この嵐の中、どこまわってくるってんだよ。」
「あららららら、飲んで帰ってくると思って今日はカレーにしたんだけど」
「カレー?!」
ちょっと寒くなってきたし、ビールをカッと飲んだらあとは日本酒かな・・・てなこと思いながら帰ってきたというに、カレーじゃねぇ。かといって嵐の中、いまさら飲みに出かけるのもなんですし。
「なんかねぇの?」
「なんかって?」
「だから、丸干しをちょっと炙ったやつとか、キャベツをサッと茹でて、かつぶしバッとかけたやつとか・・・・なんならか豆腐でも、塩で揉んだキュウリでもいいんだけど」
「自分でやれば!」
「・・・・・・・・・」

『親子酒』のような酒飲み噺には「肴は気取り酌は髱(たぼ)」てなことばがよく出てきます。気取りというのは、工夫を凝らすという意味で、けして豪華なという意味ではなく、量はいらないから気の利いた、心遣いがあるてな意味。髱は結髪の後ろの部分で、風情のある美女を「髱の映りがいい女」てなことをいうのでありまして、つまり「気の利いた肴をほんのちょっと、それに美人の酌がつけば、酒飲みは充分満足」とそういうことなのであります。

ねっ、世の奥様、酒飲み亭主を操るなんていとも簡単、亭主が惚れた奥様じゃござんせんか、ご自分の魅力に自信を持って、ササッと作った肴を横に「一杯どうぞ」不機嫌な顔をちょいと隠してそれだけでいいんですから、
それがどうして、旦那はおもてに飲みに出かけてしまうのか・・・・いいですか、「髱の映りがいい女」なんざぁ、そんじょそこらに居るもんじゃありませんよ。ほとんどが髱ならぬ、だぼはぜみたいなもんでありまして、ただね、ほんの少し気を利かせて飲ませてくれる、酔いも回ってくれば、だぼはぜだって立派に髱に見えてきちゃったりするもんなのでありますよぉ・・・・んんんんん
だから、そんな女より数段素敵な奥様が、そんな女なみの気遣いをしたら、あ~た、「何故に無駄金使いに出かけるものか」てぇことになるじゃありませんか。

え~~~~ん、自分で山芋を刻みました。もちろん手酌で飲んでまぁ~~す。
「嵐でもおもてで飲んでくりゃ良かったかなぁ」

さて、今日の一枚は、ジーン・アモンズです。
15年の刑期を半分の7年半で終え、塀の扉ならぬタラップからシャバへと降り立とうとするアモンズ。
ですから、このアルバムはジャケットに「ボス、ご苦労さんでございやした。」って声をかけてから聴かなくちゃいけないんですよ。(笑)

まずはシャバへお戻りになれば、何はなくとも何とかってやつで、「HERE'S THAT RAINY DAY」なんか聴きながら一杯飲んでると、「髱の映りがいい女」がそっと見つめていて、「なんだよ、ちょっとこっちこいや」なんちゃって・・・・・(まったくしょうもない)

ともかくアモンズの図太いテナーは、獄中生活をおくった後でも、全くブランクを感じさせない健在さでありましたとさ。

THE BOSS IS BACK ! / GENE AMMONS
GENE AMMONS(ts) JUNIOR MANCE(p) SONNY PHILLIPS(org)  BUSTER WILLIAMS(b) BOB BUSHNELL(el-b) FRANKIE JONES, BERNARD PURDIE(ds) CANDIDO(conga)
1969年11月10, 11日録音

1.TASTIN' THE JUG
2.I WONDER
3.HERE'S THAT RAINY DAY
4.MADAME QUEEN
5.THE JUNGLE BOSS
6.FEELING GOOD


うわべ評論家にゃならないぞ!

2008年04月17日 | g-i

「昨日のは、ちと分かりにくかったなぁ」
と我がログにダメ出しをして下さったのは、ランチをご一緒したTTさん。
「あれ?TTさんも見てくれてるなんて・・・聞いてないよ(これもマスターからの情報流出か?)」
「何いってんの、けっこう参考にしてCD買ったりしてんだからね」

いやいやいや、見ていただいている事には感謝いたしますが、CDを買う参考にというのには我がログはいかがなものかと・・・・
TTさんは別にジャズにこだわって音楽をお聴きになる方ではありませんが、「論理派」といったタイプの方ですから、なおさらにプレッシャーを感じてしまったりして。(笑)

「記事の内容は別としても、昨夜の「TWO LOVE」は聴いたことねぇんだよなぁ、「FLIGHT TO DENMARK」は大好きで今でも良く聴くんだけどさぁ」
「そうっすねぇ、同日録音ですけど「FLIGHT TO DENMARK」とは、ちょっとだけ雰囲気が違うかもしんないなぁ。でもジョーダン好きなら「TWO LOVE」のバラードも必聴だと思いますよ。」
と店内に流れたのは「FLIGHT TO DENMARK」マスターも人のはなしを聞いてないふりしちゃって、
「ごめん、TTちゃん、うちにも「TWO LOVE」はねぇんだわ」
まっ、ブログとしての善し悪しは置いといて、こうして話の種になることは良いことであります。

「ところでバブちゃん題名のない音楽会ってあんじゃん、あれ見てる?」とはTTさん。
「ええ、たま~~に見てます。昔はけっこう見てたんですけどね。今度、佐渡裕が司会になったんでしょ」
私は見逃しましたが前回の同番組ではレナード・バーンスタインの生誕90年を記念して、「バーンスタインとジャズに関して云々」といったことを前田憲男を迎えてやったんだそうで
「ブルーノートやらアフタービートやらジャズの定義みたいなことも説明してたけど、バーンスタインとジャズって、俺ん中ではあんまり結びつかないんだけど、どう思う?」

いやいや、話をふっていただいたのは嬉しいのですけど、私もレナード・バーンスタインに関しては詳しいどころか、『波止場』『ウエストサイド物語』の映画音楽、ベニー・グッドマンとのなんたらかんたら、棒を振る偉い人、そんなことしか頭に浮かんできません。アメリカの誇る巨匠をその程度の知識でとやかく言えるわけもなく
「そう言われても、さすがにバーンスタインは守備範囲じゃないもんなぁ・・・」
ようするに「バーンスタインがクラシックの世界にジャズの要素を取り入れたことは、じつに興味深い」といったお話なんじゃないかと察するのみで、だとすればジョージ・ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」の方がインパクトが強いとか・・・・・・
あまり詳しくない事には首を突っ込まない方が利口ですね。(笑)

それでも更にTTさんが
「一昨日から、岩浪洋三の『これがジャズ史だ ~その嘘と真実~』を読み出したんだけどね、バーンスタインとグッドマンの関係も同じユダヤ系であるところに何らかの意味合いがある、つまり、当時ジャズにはユダヤ系の人達が大きく関わっていて、ジャズはユダヤ人抜きには考えられないところがあるみたいなこと書いてあったけど」
(ごめんなさい、岩浪洋三の『これがジャズ史だ ~その嘘と真実~』は読んでおりませんし、ジャズとユダヤてなことを突っ込まれても私は何とも・・・)
「はぁ、ジャズとユダヤ人ですか、なにぶん俺も勉強不足なもんで・・・・・もっと勉強させていただきます。・・・・・でも、ユダヤでもアラブでも、白人でも黒人でも、ごちゃ混ぜがジャズですから」
するとTTさんが
「そうだな、べつにユダヤが入ろうが、何が入ろうが、好きなものを聴きゃあいいんだもんな」
と言っていただいたのでホッとしました。

いやいや、やはり音楽を楽しむリスナーとしては、理論武装よりもっと肩の力を抜いて「音楽そのものを楽しむ」という原点に立ち返るべきだということですよね。勘違いしないでください、TTさんを責めてるわけじゃないんですよ。(もし気を悪くしたらごめんなさい。あくまで私自身へ言っている事だとご理解下さい。)

時々私は、私の大嫌いな「うわべ評論家」(これも誤解を生む表現ですね。評論家を否定するわけではなく、いわゆる「にわか評論家」みたいな)になっちゃってるって感じる事があるんですよ。
自分で気付けばその都度反省はするんですが、自分で気付くときがあるということは、その何倍も「うわべ評論家」になっている時があるって事じゃないですか。
大嫌いな者に自分がいつの間にかなっている、なんだか怖い話です。

えへへへへへ、とか言いつつ『これがジャズ史だ ~その嘘と真実~』が図書館に在ることを知っていたもので、帰りに借りてきてしまいました。(笑)

さて、今日の一枚は、ゴードンとっさぁんが薬に酔ってヘロヘロになっていた時期のアルバムです。
ヘロヘロ時代のゴードンとっさぁんというと、同様に西海岸のリズムセクションをバックにデクスター節をたっぷり聞かせる「DADDY PLAYS THE HORN」が、まず私は頭に浮かんできますが、このアルバムも捨てがたい一枚です。

はっきりいって、私の場合ジミー・ロビンソンのトランペットはどうでもいいんです。ワンホーンで聴かせるバラード4曲がたまらない。
できれば4曲だけをまとめて、それを聴きながら飲みたい・・・・・・
え~~そういった聴き方は邪道ですので、デジタル化している現代、それがいかに安易に出来るとしてもじっくり全曲をお聴きになるように(笑)なさって下さいね。

ちなみに私の所有盤は、とうぜんオリジナル盤ではありません。国内版のしかもずいぶん後の盤だと思います。

DEXTER BLOWS HOT AND COOL / DEXTER GORDON
1966年11月12日録音
DEXTER GORDON(ts) CARL PERKINS(p) LEROY VINNEGAR(b) CHUCK THOMPSON(ds) JIMMY ROBINSON(tp)

1.SILVER PLATED
2.CRY ME A RIVER
3.RHYTHM MAD
4.DON'T WORRY ABOUT ME
5.I HEAR MUSIC
6.BONNA RUE
7.I SHOULD CARE


どなたか母にも理解させてやって下さい

2008年04月16日 | j-l

いやあ、暖かな一日でした。と言っていられたのはこのあたりだから?
なに~~~~~????福島市じゃ最高気温27度越えだって??????
なんとこのあたりより10度近く高いという・・・・体調管理が大変でしょうが、風邪などひかぬようご注意下さい。

先日「母にも『後期高齢者医療被保険者証』が届いたがチンプンカンプンなところが多い」というお話をしましたが、世の中大騒ぎしていますね。
私も母の事でもあると同時にいずれ我が身の事でもあるので、その後も調べられる範囲で私なりに内容を把握するよう努力しています。(本来は法案審議がされている時期に調べ考えなければいけなかったことでしょうが・・・強行採決されたのは小泉内閣時代ですからね。)

『後期高齢者医療制度』は、各都道府県ごとの『後期高齢者広域連合』によって運営され、資金は、10%が後期高齢者の保険料、40%が現役世代の特定保険料、50%公費から出されます。

意味が分かります?

医療費10%負担と保険料10%がどうにもごっちゃになりそうですが、つまり、例えば75才以上のお年寄りが1000人いる地域(実際そんなところはありませんけど)で、月額保険料が1000円だとすると、その公益連合の月運営資金は1000×1000÷0.1(10%)=1千万円ということになりますよね。
つまりは一人頭月額1万円の医療費をまかなえる?いえいえ違います。公益連合の維持運営費がここから引かれますから、これを40%程度と見込むと一人6000円、さらに個人医療負担分10%(30%の方もいますがここでは一律10%で考えます。)ですから、マックス6666円の月額医療を受けられると・・・・

益々、分かんなくなってきました。(笑)

実際のところ、保険料から医療費を考えるということは逆の発想ですから、総額医療費試算があって、運営費試算があって、地域後期高齢者数の見込み増減があって、保険料を算出するということですよね・・・・・・・・
うちの母のところに送ってきた冊子にも「保険料は均等割額と所得割額を合算したものです。」って書いてありましたから、この均等割額っていうのが、そんな算出からはじき出されたんだろうなぁ・・・・って、所得割額の算出方法は出てるけど、均等割額の算出詳細は何処にも出てないジャン(まさか、年金や道路利用試算のようにいいかげんな算出してんじゃねぇだろうなぁ)
ということは、この計算がかなりいいかげんだったら、見直しの2年後には均等割額が大幅に上がったりして???????(実際、安くなることはありませんから、この制度が続いていれば上がっていくのが確実だろうといわれています。私が75才になったらいったい幾らになってるんでしょ?)

まてよ、もしも後期高齢者しか住んでいない地域が仮にあったとすると、40%の現役世代の特定保険料はどうなるんだ?????
いやいや、100%後期高齢者というのは極端か・・・・でも後期高齢者と現役世代の比率は地域によって違うでしょ。総人口だって違うでしょ。
そっか、一人が使用できる医療総額が地域によって変わってくるって事だ。えっ?そうじゃなくて、保険料の格差が今後どう広がっていくか分からないってことか?????

え~~ん、益々、益々分かんないよう。

その他にも、高額医療費(今まで申請しなくても良かったものが申請しなくちゃいけなくなるとか、家族合算が出来ないとか)に関してや、かかりつけ医制度がどうなるのかなんていうのもよく分からないし、高齢者医療費を抑える施策がどんな形で影響するかも分からない。なにより、何で後期高齢者が75才以上なんでしょ?75才ってどっから来たんだ?????ってね。(笑....いやいや笑ってる場合じゃない)

え~本日は、先日の『弱い人の立場に立って』を受けて、私の勉強途中経過を報告いたしました。
だめだ、やっぱり母に教えてやれるほど理解するには、もっともっと勉強が必要なようです。そもそも、法案を成立させるため強行採決を行った議員さんでも、全員が理解できているわけじゃないってんですから、年寄りに分かるように親切丁寧に教えてくれる方は、75才以上の方何人に対してどの程度の割合で存在するんでしょうかねぇ。半年ほど無償で「後期高齢者向け医療費専門学校」でも開校しないと。
「ダメダメ、いらぬ経費はかけらんないし、詳しく知られたら困るようなところが沢山あるんだから」
おいおい。

さて、今日の一枚は、デューク・ジョーダンです。
ジャズ喫茶でのアルバイト時代、ジョーダンの「FLIGHT TO DENMARK」は超人気アルバムでしたし、私も大好きでした。
ところが同日録音の今日のこの一枚は「FLIGHT TO DENMARK」と比べるとリクエストがとても少なかったように思います。
その最大の理由は何だったのか???????私にも分かりません。(笑)

内容は勝るとも劣らないものだと思いますし、「MY OLD FLAME」「TWO LOVES」「EMBRACEABLE YOU」なんか特にジョーダン独特の乾いた哀愁を充分に感じ取れるし、ブルースも良い、「BLUE MONK」だってモンクのそれとは全く違う魅力を引き出しています。

おそらくは、ジャケット・デザインがあまりにも違いすぎたから・・・そんなとこですかね。

一杯飲みながら聴くには「グーググー」の一枚です。
今晩は、わけの分からない『後期高齢者医療制度』のことなんか考えるのは止めて、このアルバムを聴きながら飲むことにしましょう。
「どうせ、おれは75才前に、肝硬変かなんかで逝っちゃうだろうきっと・・・」
「そう言う奴に限って長生きすんだよなぁ」

TWO LOVE / DUKE JORDAN
1973年11月25日録音
DUKE JORDAN(p) MADS VINDING(b) ED THIGPEN(ds)

1.SUBWAY INN
2.MY OLD FLAME
3.BLUE MONK
4.TWO LOVES
5.EMBRACEABLE YOU
6.WAIT AND SEE
7.I'LL REMEMBER APRIL
8.LADY DINGBAT
9.JORDU


生きててくれ~~!

2008年04月14日 | a-c

今日は珍しく帰りが遅く、Mさんのところへ行くことになっていたのですが、明日へ延期です。

「葬儀屋さんに入浴剤もらったけど、入れる?」
我が家は母が入浴剤嫌いなものですから、まず入れることはありません。でも基本的に入浴剤好きの私は、葬儀屋にもらったというのが気にはなったものの
「入れる入れる」
バブがバブをバスタブに入れ・・・・・
なんだか出来の悪い早口ことばみたいな話になっちゃいました。(笑)

バブ入りの風呂にゆっくりと浸かったあとは、
「これこれ、楽しみだなぁ~~~~」
というのは知り合いから「LET'S GET LOST」のLDを借りてきたのです。

1989年3月、ブルース・ウェーバーがチェット・ベーカーに捧げた、モノクロの愛の贈り物『レッツ・ゲスト・ロスト』が、ニューヨークでプレミア上映された。・・・・・

ジェイムズ・ギャビン著『終わりなき闇 チェット・ベーカーのすべて』のエピローグの書き出しです。
このドキュメンタリー映画を私は「一度どうしても見てみよう」と思っていたものの、今まで見る機会がなかったのです。それがあ~た、今ここにLDがあるのですよ。楽しみじゃあ~りませんか(笑)

内容については、教えな~い・・・・・あはははは、ウソ、ウソですよ。これから見出すと寝るのが遅くなりますし、もう少し頭がしっかりした時間に見たいとも思いますから、土曜日にゆっくり見ようと思っています。

ただ問題は、LDプレーヤーが以前「MINGUS JAZZ WORKSHOP Featuring ERIC DOLPHY」を「LDプレーヤーが死なないうちにDVDにおとしとこ」ってダビングして以来動かしていないということ
「まっまさか、死んでないだろうなぁ・・・・」

ガーーーー

とりあえずテーブルは開きました。

サァーサァーサァーサァー

いちおう読み取っているようですが・・・・ゲゲのゲ、表示が出ない
「ダメかなぁ」と思いながらプレイボタンを押すと・・・・・
やったぁ!映りました。表示が出なくとも映りました。
土曜日に「引き籠もり鑑賞会」を開きま~~~す。(笑)

さて、ということで今日の一枚は、もう定番中の定番ですがまだ紹介していなかったので
、この超有名盤にしました。
説明の必要は無いでしょう。ジャズファンであらずとも多くの方が耳にしているアルバムです。
でも、私がこれをチェット・ベーカーのベスト盤かと訊かれれば・・・・・・
良いと言われるものは良いのか?それは人それぞれの感性です。(おっと、私はこのアルバムを好きですよ)

CHET BAKER SINGS / CHET BAKER
1954年2月15日[7~14], 7月23日[1,2,5,6], 30日[3,4]録音
CHET BAKER(tp,vo) RUSS FREEMAN(p,celeste)
JAMS BOND(b) PETER LITTMAN(ds)[1~6]
CARSON SMITH(b) BOB NEEL(ds)[7~14]

1.THAT OLD FEELING
2.IT'S ALWAYS YOU
3.LIKE SOMEONE IN LOVE
4.MY IDEAL
5.I'VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE
6.MY BUDDY
7.BUT NOT FOR ME
8.TIME AFTER TIME
9.I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL
10.MY FUNNY VALENTINE
11.THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
12.THE THRILL IS GONE
13.I FALL IN LOVE TOO EASILY
14.LOOK FOR THE SIVER LINING


音楽・珈琲・文庫本

2008年04月13日 | d-f

せっかくの春らしい天気も昨日一日だけ、今日はまたも寒くて暗い空が戻ってきてしまいました。

1988年4月13日、東京は下谷上野西黒門町(現在の台東区上野2丁目)に喫茶店『可否茶館(かひいさかん、つまりコーヒーを可否とあてたわけですね)』が開店しました。

ということで今日は『喫茶店の日』なんだそうであります。
この日本の喫茶店第一号とされる『可否茶館』を開店したのは、中国語の通訳をしていた外交官鄭永寧の次男として長崎に生まれ、アメリカのエール大学に留学、病気のために思い半ばで帰国とはなったものの大蔵省に入省するという、超エリート鄭永慶でした。
しかし、「庶民のために」と始めたものの、珈琲一杯が1銭5厘、一杯のかけそばが8厘という時代だったそうですから、かなりお高い。さらには『武士の商法』よろしく、鄭永慶は笑顔で「いらっしゃいませ」も言えないお人だったそうで大赤字が続き、借金まみれ、アメリカはシアトルに逃亡せしも7年後には病死をしてしまうという・・・・・
今も昔も水商売は大変なのであります。
とはいうものの、かの『鹿鳴館』がオープンして4年半後の開店ですから、喫茶店のスタートとは思う以上に早いものであったのですよね。(早すぎて失敗したとも言えるわけですが)

ジャズ喫茶もそうですけど、喫茶店そのものもずいぶんと数が減ってしまいました。
このあたりは一時「対人口比で喫茶店の数が最も多い街」「犬も歩けば喫茶店に当たる」てな事も言われたほど喫茶店が多かったところで、私が高校生の頃は「誰しもが行きつけの喫茶店を持っている」そんな感じでした。それが今じゃ探すのに苦労する状況ですもんね。
喫茶店の種類もずいぶんいろいろありましたよ。『純喫茶』なんて何が純だか分からない店から、『珈琲専門店』(?)『名画喫茶』写真を飾った『フォト喫茶』なんてぇのもありました。『同伴喫茶』はちょっといかがわしいかな、音楽関係でも『ジャズ喫茶』に『名曲喫茶』、『ロック喫茶』・・・・ともう何でも喫茶を付ければいいみたいな。今思えば、喫茶に名を借りた飲み屋みたいなところも沢山ありましたしね。
彼女とのデートといえば(私は無かったですが)「映画を観て喫茶店にしけ込む」定番でしたっけ。(笑)

地元を離れても友人との待ち合わせは、喫茶店かサウナ(笑)でした。新宿の『スカラ座』でI君と待ち合わせしてゴールデン街に消えるとか・・・けっこうありました。

『ジャズ喫茶』をたまに離れて、渋谷の、え~~と何でしたっけ、ほら、『名曲喫茶』・・・・そうそう『ライオン』(『スカラ座』もいちおう『名曲喫茶』でしたよね)。あそこで『ジャズ喫茶』と同じように何冊かの文庫本を持ち込んで粘ったことがありましたが、私には『ジャズ喫茶』のようなわけにはいかなかったような記憶があります。(笑)

『喫茶店の日』かぁ・・・・たまには「珈琲をゆっくり読みながら、落ち着いた喫茶店で本を読む」そんな時間を過ごしても良いかもしれませんね。「音楽・珈琲・文庫本」これは青春の「三種の神器」だったかな。

さて、今日の一枚は、ルー・ドナルドソンです。
珈琲はもちろん良いんですが、やっぱり私はアルコール、こんなん聴きながら一杯飲むのもなかなかよろしいでしょ?
こりゃやっぱり、日本酒じゃなくバーボンかな?ソウルフルに、ブルージーに、ファンキーに、いっちゃいますよ。(笑)

前後に初リーダー録音をするグラント・グリーン、ベイビー・フェイス・ウォレットを従えての「ドナルドソン、ソウル宣言!」みたいな一枚です。以降、ドナルドソンはバックにオルガンを従えるようになります。この流れは「ALLIGATOR BOGALOO」へと続いていくわけですね。(あれ?!まだ「ALLIGATOR BOGALOO」は紹介してなかったんですねぇ、そのうち改めて紹介します。)

HERE 'TIS / LOU DONALDSON
1961年1月23日録音
LOU DONALDSON(as) GRANT GREEN(g) BABY FACE WILETTE(org) DAVE BAILEY(ds)

1.A FOGGY DAY
2.HERE 'TIS
3.COOL BLUES
4.WATUSI JUMP
5.WALK WID ME

おまけ、
日曜日ですのでいつものように『料理当番、今日の一品』

まずは、夕食じゃなく昼食です。先日いっしょに飲んだ□□さんが「私もラーメンにはこだわりがあって自分で作るんですよ」とおっしゃっておりまして、対抗してではないのですが「オヤジ特製味噌ラーメン」を作りました。ニンニクと豆板醤が良い感じ、そこらのラーメン屋には負けませんよ。(嘘、嘘)
改めて夕飯です。

メインは「ホタテのゴマ焼き」と「豆腐のチーズ・大葉はさみ焼き」

こちらは「ムキ海老と焼きネギのヌタ喜び」味噌、マヨネーズ、バルサミコ酢、砂糖(ほんの少し)で作ったヌタもどきは、なかなかのお味でした。


ジャズ談義は刺激の種

2008年04月12日 | p-r

昨晩はちょっとした買い物を母に頼まれたことをよいことに、娘の写真が載った雑誌片手にMさんのお店まで出かけてしまいました。
「じつはね、娘が載っている雑誌を見せたくて・・・来ちゃいました。」
Mさんは優しいですね、嫌がることもなく「凄いじゃないの」と付き合ってくれました。

そんでもって世辞に喜ぶバブ君は、このまま帰るのがもったいないと飲みに行っちゃいまして、ママにまで
「ママ、見て見て、うちの娘載ってんの」
「まぁ、凄いじゃないの」
デレデレの私の顔はご想像のとおりです。(笑)

そんなこんなで、美酒を味わっていると、ジャズもパイプも嗜むという□□さんがいらっしゃいました。
最初は携帯用パイプを見せていただいたり、酒の話なんかで盛り上がっていたのですが、テキーラなんぞをクーッといって
「ママ、フランシス・アルバート・シナトラ飲んじゃおうかなぁ」
このバーでカクテルを飲むのは初体験です。しかも先日思い出したからってあの異様に強いカクテルを頼むなんて
「ママ、これ3杯飲んだら、おれどうなるか分かんない」
「大丈夫、飲ませないから」

あはははは、3杯飲まなくても出来上がっちゃいました。
それからは□□さんとのジャズ談義です。
「僕はねぇ、オスカー・ペティフォードが好きなんてですよ」
「ペティフォードとはまた渋いところを」
「あっ、ペティフォード知ってます。嬉しいなぁ、ちょっとジャズが好きだっていう人と話してもペティフォードは知らないなんて言われるんですよね」と□□さん
たしかにオスカー・ペティフォードがきわだって好きという方には、私もめったにお会いしたことはありませんけど、それでも知らないという人もそうはいないのではないかと・・・・
「いや、知りませんよ。・・・・・ちょっと古いからでしょうかねぇ」

エリントン楽団のベーシストとして、そしてモダンベースの父とまで呼ばれるペティフォード、知らぬ者はいないと思っていた私が
「だって、ペティフォードといえば・・・・・・・・」
なんとも恥ずかしい、リーダー・アルバムの名前がすぐに出てきません。
「BASICALLY DUKE」「オスカー・ペティフォードの真髄」「IN HI-FI」「IN HI-FI 2」と浮かんできても良さそうなものが、リヴァーサイド時代のモンクのアルバムやら、リー・コニッツ、ケニー・ドーハム、マイルス、そうそう「HELEN MERRILL WITH CLIFFORD BROWN」なんかが浮かんできてしまう。

たしかに私もペティフォードを「いやぁ~~ペティフォードだぁ」てな感覚で聴いたことは無かったのかもしれません。
「モダンベースの父」なんて言いながら、同い年のチャールズ・ミンガスに目が行ってしまう・・・・

□□さん、すいませんでした。そう考えると私もオスカー・ペティフォードを知らない人とあまり変わりが無いように思えてきました。

ということで、今晩は改めて「オスカー・ペティフォードの真髄」を聴き直しています。若干23才での録音、いかに優れたベースマンであったかは推して知るべしです。
ただ、こうして聴いてみると「もう少し特徴も欲しいな」と思うところもあります。「STARDUST」あたりがペティフォードの聴き所なんでしょうが。
・・・・この時期のミンガスにどことなく似ているような部分もありません?(ペティフォードが似ているのか、ミンガスが似ているのかは分かりませんけど)

ともかく、□□さんに言われ、こうして改めて聴き直してみる。ジャズ談義は、新たな刺激と新鮮さを与えてくれる種かもしれません。

さて、今日の一枚は、もちろんその和名「オスカー・ペティフォードの真髄」です。

OSCAR PETTIFORD
1955年8月12日録音
OSCAR PETTIFORD(b) DONALD BYRD(tp) ERNIE ROYAL(tp) BOBBY BROOKMYYER(tb) GIGI GRYCE(as,cl) JEROME RICHARDSON(p) OSCAR PETTIFORD(b) OSIE JOHNSON (ds)

1.ANOTHER ONE
2.MINOR SEVENS HEAVEN
3.STARDUST
4.BOHEMIA AFTER DARK
5.OSCALYPSO
6.SCORPIO
7.TITORO
8.DON'T SQUAWK
9.KAMMAN'S A' COMIN'


惚れろ惚れろどんどん惚れろ!

2008年04月11日 | y-その他

昼近くなってやっと太陽がチラチラと顔を出しました。ガンガン日が当たっていたときには「花粉が・・・」などと文句を言っていたくせに、しばらく顔を見せなかった太陽にこうして照らされると「ありがたや、ありがたや」。なんとも身勝手なものです。

いつもの喫茶店でランチを食べているとマスターが
「バブさん、福原美穂って知ってる?」
「卓球の愛ちゃんなら知ってるけど、美穂、みほ、みほ・・・・前にここでバイトしてた女の子。」
「ブブー」
なんでも今朝、番組の中で小倉智昭さんが紹介をされていたシンガーなんだそうで、
「ゴスペルを歌ってるっていうから、バブさんなら知ってるかと思ってね」
ちょっとちょっと、あたしゃゴスペルに詳しいわけでも無し、まして日本のシンガーの知識など20年も前からストップしているのでありますよ。

何となく気になったマスターは、さっそくネットで検索したのだとかで
「アメリカの教会でのビデオクリップを見たんだけど、これが良いのよ。バブさんも見てみる」
福原美穂さんのオフィシャルで公開されている「GOSPEL at Brookins Community Church」をヘッドホン付きのPCで聴かされました。

「ほう、上手いねぇ、できればオー・ハピー・ディを通しで聴きたかったけど」
「ねっ、いいっしょ、だからネット注文しちゃったよセリーヌ・ディオンのトリビュート・アルバムも今度発売になるデビュー・シングルも」
「あらま、気が早いこと」

福原美穂さんは若干20才のお嬢さんで、北海道出身。16才の時にたまたま出演したカラオケ大会での歌いっぷりを音楽関係者が偶然見ていてデビューへとつながったのだとかで、地元北海道では名の知れた存在であったのだとか。
以前紹介した清水翔太君もそうでしたが、メジャーデビューの前にこうしてアメリカの有名どころで歌わせる、ソニー・ミュージックの戦略が見え隠れします。
とはいっても、素敵なシンガーには違いないわけで、マスター同様私も注目していこうと思っています。

それにしても、こういったミュージシャンがゾクゾクと生まれ育つ日本という国の音楽環境は、私が小さい頃のそれとは比べものにならないということでもあるのでしょう。(もちろんジャズ・ミュージシャンだって然り)
小さいときから多種多様な音楽に接する事が出来る、音楽があたりまえのように耳に入る、我々の世代に比べ音痴が極端に減ったのもうなずけるところです。
あと足りないのは、ヨーロッパなみの芸術に対する社会意識でしょうか。パトロンが社会的なステータスとなるような、そんな土壌が出来るまではまだまだ時間がかかりそうです。
ともかく、若い才能が日本国内でも大きく開花し世界に羽ばたく、そんな時代も夢物語では無くなっているようで、じつに楽しみです。

「あれ?マスター、この前は沖縄出身の何てったっけ・・・あのこを応援するって言ってなかったっけ?」
「ああ、普天間かおりね。彼女もいいけど、福原美穂ちゃんにも惚れちゃいそうだなぁ」
まぁ、よろしいんじゃないですか。我々オヤジも若いもんに負けずに、いろんな音楽を聴くべきだし、素敵だと思う音楽にどんどん出会うべきですもんね。
「いいぞいいぞ、いろんなシンガーに惚れちゃえ惚れちゃえ!!!!」

さて、今日の一枚は、ジャズからは少し外れてしまいますが、映画『真夏の夜のJAZZ』にも出ていたということでお許し下さい、マハリア・ジャクソンです。
ゴスペルというと彼女を真っ先に頭に浮かべるところからしてゴスペルをあまり知らないということを暴露しているような気もしますが、まぁいいでしょう。

昔『イベント企画』なんていうわけの分からない部署に所属していたときがありまして、クリスマスイブにツリーの前でゴスペル・グループにアカペラで歌ってもらうてな企画を提案したことがありました。今ならゴスペルもそこそこの知名度があるでしょうが、当時は「ゴスペルっちゃなんだ?」てな人も多く、我が上司もそんな感じで、しかたなく私が所有する幾つかのゴスペルを「こんなんです」と聴かせたことがありました。最もウケが良かったのが、このアルバムだったと思います。(笑)

私もマハリア・ジャクソンは大好きなシンガーで、このアルバムもじつによく聴きました。
車の中でガンガンかけていっしょに大声で歌ったりして(もちろん英語はサッパリですので、スキャットの出来損ないみたいな歌ですよ...笑)
聴いているとあの何とも恥ずかしがり屋で、いつもニコニコしているマハリアの顔が頭にド~~ンと浮かんできます。
たまには、こんなんもいいですよね。

MAHALIA JACKSON'S GREATEST HIST
MAHALIA JACKSON(vo)

1.WALK IN JERUSALEM
2.THE UPPER ROOM
3.HE CALMED THE OCEAN
4.IT IS NO SECRET
5.HOW I GOT OVER
6.THEN THE ANSWER CAME
7.JUST OVER THE HILL
8.THA'T WHAT HE'S DONE FOR ME
9.MOVE ON UP A LITTLE HIGER
10.NOBODY KNOWS THE TROUBLE I'VE SEEN

おまけ、
昨晩娘から「雑誌に写真が載ったよ」とのメールがありまして、『管カラフェスティバル』に参加したときの写真で「賞はもらったけど全国大会には行けなかったから、べつに見なくてもいいよ」とのこと、
そう言われても・・・買って来てしまいました。(笑)

ちっちゃい写真でしたけど、なんだか私には見せたこともないようなはしゃいだ顔をしておりまして・・・・・・全国大会には行けなかったもののきっと楽しい演奏が出来たのでしょう。
「音楽は楽しいのが一番だよ」
って、あははははは、まさに親バカですね。
「S君はもう事務所にいないだろうから・・・Mさんに見せに行っちゃおうかなぁ・・・」


さぁ、買ってってちょうだい!?

2008年04月10日 | a-c

雨がしとしと降ってとても寒い一日でした。
「毎年のことだって、桜が咲くと何故か寒くなんだからこのへんは」
たしかに、このぶんでは今年も夜桜見物には防寒着が必要なようです。

そんな寒さに布団の暖かさが気持ちよかったのでしょう、何年かぶりに今朝は寝坊をしてしまいました。
「げっげ、朝飯喰う時間ねぇ~~ジャン」
「何?まだ時間あんでしょうよ。」
「馬鹿たれ、今日は早出なの!」
そんな日に限って寝坊するもんなんですよねぇ
だけど朝飯抜きはいけません。私の場合、夜は固形の米を必要としませんが、朝の固形米は絶対に必要なものなのであります。
「なっとう、なっとう、納豆ちょうだい。」
丼飯に納豆と生卵をかけてガーっと流し込み、所要時間3分!
顔を洗ってバナナ片手に行ってきまぁ~~す。布団から飛び起きて20分の早業でした。(笑)

車の中で食べるつもりで持ち出したバナナでしたけど、けっきょくはお茶の時間までおあずけでした。
「バナちゃんの因縁聞かそうか、私の生まれは台湾で、親子もろとももぎとられ、かごに詰められ船に乗り、金波銀波の波越えて、着いたところが門司港、なんちゃって」
「なんすか、それ?」と同僚
「えっ?知らない?バナナ売りの口上、しかも発祥地神戸の口上だよ」
「・・・・・・・はいはい、だけどそれ台湾バナナじゃないでしょ」
「うるせぇなぁ、バナナの叩き売りは神戸発祥で、やがて浅草、上野とね・・・・」
「はいはいはい」

一房の上にもう一房、これおまけだい、え、いい数だねぇ
一は万物の始まり、泥棒の始まりが石川五右衛門、博打の始まりが熊坂長範(くまさかちょうはん)。相撲の始まりが野見宿彌(のみのすくね)。えっこれじゃ気にいらねぇ?ああ、もっとまけろ?
よっしゃ、こうなったらこっちも意地だい、負けちゃおうじゃねぇか。もう一つ負けよう、おまけが二つだ!
憎まれっ子世にはびこる、仁木弾正(にきだんじょう)悪いやつ、日光けっこう東照宮。西は西京東は東京てなもんだ。なんだい笑ってやがんな。やだねぇあんたのその目、じっと見つめちゃって何か訴えてやがる。もっと負けろってんだなぁ、ようし、貧乏人の面当てだ。もう一つ負けちゃおうじゃねぇか。さぁ、おまけ三つだ!
三十三は女の大厄、産んで死んだか三島のおせん、三三六法引くべからず、それを引くのが男の度胸、男は度胸で女は愛敬、坊主はお経で漬け物はらっきょうときたもんだ。まだ見てやがんな・・・・・・・・

「バブ君、そろそろ仕事してくれる」
「・・・・・・」

 あははははは、何の話じゃい今日は

 さて、今日の一枚は、ドナルド・バードです。

またまた、最近あまり聴いていない一枚を取り出してきてしまいました。やはり私にとって「ドナルド・バードはハード・バッパーであって欲しい」みたいなところがあるのだと思います。
そういった意味で、モードを主体としたいわゆる新主流派と呼ばれる方向へかじを切り出したこのアルバムを、心から歓迎はしていないのだと思います。

とはいえ、一年の歳月をかけ発表されたボーカル・コワイアとのコラボは野心的で、クリエーターとしてのバードの才能も指し示した一枚であることは間違いありません。彼が作りたかったのは「ドナルド・バード的賛美歌集」だったそうですが、あなたにはどう聞こえますか?

(ジャガーのEタイプ、乗ってみてぇ....笑)

A NEW PERSPECTIVE / DONALD BYRD
1963年1月12日録音
DONALD BYRD(tp) HANK MOBLEY(ts) DONALD BEST(vib) HERBIE HANCOCK(p) KENNY BURELL(g) BUTCH WARREN(b) LEX HUMPHRIES(ds)

1.ELIJAH
2.BEAST REDENTOR
3.CRISTO REDENTOR
4.BLACK DISCIPLE
5.CHANT


弱い人の立場に立って

2008年04月09日 | a-c

昨晩、以前に紹介した大理石骨病と闘う少女、華ちゃんの最期をTBS系の『難病と闘う子供たち』という番組で見させていただき、状況はお母様のブログ等で分かってはいたものの、改めて涙しました。
こうして状況を追いながら応援だけを送る我々は、所詮「他人事」の域を脱し得ないし、ご両親、ご家族の心中をはかり知るなど出来ぬものであります。ただ、多くの方に、なにより私に『生きる』という事がどれほど素晴らしく、大切なものなのかを教えてくれた華ちゃんに感謝するのみです。
唯一の救いは、華ちゃんが大好きなご家族のもと、ご自宅で最期を過ごされたことでした。
「華ちゃん、おうちに帰れてよかったね。よく頑張ったね、そしていろいろ教えてくれてありがとう」

話は大きく変わって、先月末に我が母にも『後期高齢者医療被保険者証』が小冊子とともに届きました。
「まぁ、制度開始前に保険証が届いただけでも良しとするか」
じつに変な納得のしかたですが、新聞・ニュース等によれば、制度が始まっているにもかかわらず未だ保険証が手元に届いていない方もいらっしゃるような状況だそうで、役所のやる仕事に全く信用を持っていない私としてはこんな納得のしかたをしてしまうという、いやはや情けない。

「○○、けっきょくは高くなんのか、安くなのか、どっちだ?」
母は全く制度を理解しておりません。というか、私だって完全に理解しているわけじゃありませんから
「かあちゃんは、今度から扶養をはずれっから、保険料を別に取られんだよ。医療費は変わらないけど保険料分高くなんの」
「保険料?今取られてる介護保険だかなかとは別か?」
「だから・・・・・送ってきた冊子を読んでみなよ」
「読んでもわがんねぇがら、きいでんだ」

そんなわけで私もひととおり冊子を読んでみたのですが・・・・・こりゃわかんねぇや
まるで民間の保険会社がかってにダイレクトメールで送ってよこしたわけの分からないパンフレット・・・いやそれ以下かもしれません。しかも民間なら申し込まないかぎりは加入はない(あたりまえですが)ですし、申し込めば分かりにくくとも全てをいちおう書き示した約款が届くし、各家庭に訪問して説明だってしてくれるわけで、
そりぁ、お役所の優秀なお方は、75歳過ぎでもこの冊子でじゅうぶん理解できるのでしょうが、私ら庶民はお馬鹿さんなもんでね(笑)
さらに
「ご不明な点があれば、次の問い合わせ先に連絡してください。」
なんていかにも「開かれた窓口のをいつでもご利用下さい。」的終わり方をしているものの、けっきょく「自分たちで調べろ」の話だろ、みたいな。
一度信用できなくなると、全てがそう思えてくるのは当然のこと、頭のよろしいお役人様は知恵がありすぎてまだそれに気付かずにおられるのでしょうか?

話を戻します。昨晩の『難病と闘う子供たち』の中で、8歳と1歳のお子さんを育てながら、ヴァスキュラー・マルフォーメーションという難病に冒され闘っている天野さんというお母さんが、何処まで子供たちの将来を見ていけるのか分からないという不安の中、母としてこんな事をおっしゃっていました。
「優しい、人の気持ちが分かる、弱い人の立場に立てる、そういう子になって欲しい」

お偉いお役人の皆さん
頭がよろしくて、どんなにお利口さんの集団であろうとも、こんな母の思いを皆さんも受けて育っているに違いありません。まして「公僕たる者がなんたるか」そんなことだって理解されていることでしょう。
いま、あなた方に望まれていることは、難病に苦しむ天野さんの願いそのものだと思って欲しい・・・・そんなことを思った夜でした。

さて、今日の一枚は、ドン・チェリーです。
最近は本文に全く関係ないアルバム紹介になってしまうことが多くなってきています。このブログも間もなく3年ということで、関連づけたアルバム紹介もなかなか難しくなってきているとご理解下さい。(笑)

ドン・チェリーのリーダー作を紹介するのは始めてかもしれません。
AB面各一曲ずつの組曲からなるこのアルバムは、オーネット・コールマンの元を離れ、ヨーロッパで修行(?)をし、満を持して(??????)世に出したブルーノート第一作アルバムです。
「完全な結びつきによって統一された全体になることをアプローチとしたアルバム」とチェリー自身は語っていますが、私にはそんなことはどうでもよい話で(笑)、始めて聴いたときとても心地よい感覚を覚えました。
私は「マイルスがなんぼのもんじゃ、トランペッターといえばドン・チェリーじゃい!」みたいな時があって、その要因ともなったアルバムです。(ほんの一時ですよ..笑)
当時は、昨日の「DUETS」と同じようにはまりにはまって聴き倒したものです。(最近あまり聴かなくなったのは、これも歳のせいでしょう。)

「フリーはいまひとつ」とおっしゃる方には「あまり小難しく考えず、素直に聴き通す」そうやって一度は聴いてみてもらいたい一枚です。

COMPLETE COMMUNION / DON CHERRY
1965年12月24日録音
DON CHERRY(tp) GATO BARBIERI(ts) HENRY GRIMES(b) ED BLACKWELL(ds)

1.COMPLETE COMMUNION
   Complete Communion
   And Now
   Golden Heart
   Remembrance
2.ELPHANTASY
   Elphantasy
   Our Feelings
   Bishmallah
   Wind, Sand And Stars


親心の矛盾

2008年04月08日 | j-l

今日はひどい天気でした。「爆弾低気圧なみ」という「爆弾低気圧」とはどの程度の違いがあるのかも分からない低気圧が、ちょっとそのへんを通っているものですから、傘をさしても濡れるような横殴りの雨が窓を叩いて、間もなく満開の桜もさぞかしうなだれていることでしょう。

先週の土曜日に「明日はDVDで引き籠もり」みたいなことを書いたくせに、何のDVDを見たのか報告していませんでしたよね。(べつに報告を待っていた人もいないでしょうが。笑)
鑑賞したのは『夕凪の街 桜の国』でした。

原作は、こうの史代さんの漫画なんだそうで、数々の賞を受賞され、海外での出版も進んでおるのだとか、ここ十数年ほとんど新しい漫画を読んでいない私は、恥ずかしながら全く知らないお話でした。

広島に暮らす、原爆で父と幼い妹を亡くし、自らもそして母親も被爆をした女性、皆実(みなみ)の、被爆から13年後の物語と、現代に生きるその皆実の姪、七波(ななみ)の物語、という二部構成のもので、いわゆる原爆投下後間もなくの悲惨な様子を描くといったありがちの原爆映画とは一線を画すものでした。

内容を詳しく話してはこれからご覧になる方へ失礼でしょうから、感想だけ言わせていただきますと、
原爆がモチーフではあるものの、原爆に関係なく、人の心の中に誰しもが持っている差別感を改めて考えさせられた・・・意味が分からないですよね。

こんなシーンがありました。
皆実の母が、皆実が好意を寄せている打越という男性が、家に訪ねてきた後
「母さん(は)皆実がええと思う人だったらええよ。」
娘の将来を思う母としては、好きな人といっしょになって欲しいという想いがことばに出たシーンでありましたが
後に被爆していない息子(水戸の叔父伯母のところへ疎開をしていて養子になっていた)が、母とも親しく信頼もしている女性被爆者といっしょに暮らそうとしたとき、
「あんた 被爆者と結婚する気ね?何のために疎開させて養子に出したのか、石川(叔父の姓)のご両親にどう言うたらええ?」
(けっきょく、息子はその女性と結婚し、七波が生まれるんですけど)
そして、喘息の持病を持つ七波の弟が、その原因は母親の被爆にあるのではないかと心配する恋人の両親に交際を許してもらえない・・・・・

全て差別だの何だのという問題ではなしに普通に想う親心に相違ありません。だけど、「他人事なら声高に不当を訴えられても、いざ我が身ならそれもままならない。」そんな人間の根底を映し出しているようで、私は考えさせられたのです。
だって「何事にも差別などすべきでない」と私も思うし、そうありたいとも思いますが、例えば我が娘が、原爆症の親を持つ男性を連れてきて、何らかの障害を背負う男性を連れてきて、あるいは肌の色の違う外国人男性を連れてきて「結婚したい」と言い出したらどうするのだろう・・・なんてね。

この映画の本来の主旨とはかなりかけ離れた見方かもしれませんが、そんなことを思わされた一本でありました。

さて、今日の一枚は、リー・コニッツです。
タイトルのごとく、いろんな楽器、いろんなミュージシャンとのディオ集といったアルバム。一時けっこうはまって回数を聴いた一枚で、リッチー・カミューカとのテナー・ディオ「TICKLE TOE」なんか惚れちゃっていました。(笑)
でも、今聴いてみるとあの頃の感動は若干薄れているように思えるのは、完全に歳のせいですね。

ともかく「トリスターノ派リー・コニッツとのイメージがあるとすれば、これはもうすでにコニッツ派(そんな派は無いけど)とでもいうべきだ!」と勝手に思うほど、バリエーション豊かなコニッツの表現力と、たしかにマイルスやコルトレーンとは違った形でのモードの追求をも感じ取れる、そんなアルバムだと思います。

DUETS / LEE KONITZ
1967年9月25日録音
LEE KONITS(as,ts,bs)
JOE HENDERSON, RICHIE KAMUCA(ts) MARSHALL BROWN(vtb)  JIM HALL(g) KARL BERGER(vib) DICK KATZ(p) EDDIE GOMES(b)  ELVIN JONES(ds)  RAY NANCE(violin)

1.STRUTTIN' WITH SOME BARBECUE
2.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
3.ALONE TOGETHER
4.CHECKERBOARD
5..ERB
6.TICKLE TOE
7.DUPLEXITY
8.ALPHANUMERIC