JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

迷酒『BABUUME23』

2008年04月22日 | d-f

やっと春らしい天気が戻ってきて、また急に暖かく(暑くかな?)なった地域も多いようですが、このあたりの気温の上昇は温和しく最高気温も16度と春らしい陽気でした。

先日、S君と蕎麦を食べに行った時に、あのバカヤロウはみょうに贅沢な話をほざいておりまして。
「このまえ、Y君と飲みに行ったんよ。そしたら、あのウイスキーのウの字も知らないようなY君が、バランタインの30年物飲もうって言い出してさ。」
「何?ショットで?旨かった?」と私
「うーにゃ、ボトルで」
「ボ・ボ・ボトル~~???・・・・・ボトルで30年物出すとこなんて無いジャン」
「うん、MMR(Y君行きつけのちょっとお高めスナック・バーです。)には当然無くて、21年物はあるっていうからそれでいいんじゃないって言ったんだけどさ、それより上が飲みたいって。そしたらママが酒屋に電話してくれて持ってこさせたのよ。」
「なんと贅沢な、なんとワガママな・・・・ところで幾らかかったのよ?!」

バランタイン30年といえば、小売りで2万から3万?(以前は7,8万してましたけど)ボトル出ししたら幾ら取られるか。
普段の私の飲み方なら何日分に相当すると思ってやがんだい!・・・てんだ。(笑)

どうもボトル代はY君が持ったらしく、
「俺が払うんだったら、絶対そんなの頼まないもん」とはS君の弁
まだ相当量残っているそうなので
「何故か俺の名前で入ってんから、行って飲んでくれば」
いくらS君の名前でもねぇ、私一人が行って飲むわけにもいかんでしょ、それにボトルが入っててもけっこう取られるお店だし・・・・・でも、飲みてぇ(笑)

そんな話を聞いて何日か経った今日、家へ帰ると、バランタインの30年物とはいきませんが、ハーパーの12年物がテーブルの上に
「おいおいおいおい、いいよ、ねぇ、酒は値段じゃないよ、好みだよ、味だよ」
・・・・・あれ?でもハーパーにしちゃあ色がおかしくありませんか?しかも我が家では私しかアルコールを摂取しないはずなのに封が開いてるし・・・・・・
「ああ、それ飲んでいいよ、今日移し替えたから」
「移し替えた??????」
なんちゃありません。今日、流しの床下収納の片付けをしたのだそうですが、古い梅酒が出てきたとかで、私が飲み干したボトルに入れ替えたのだそうです。
「なんだよ、梅酒かい、せっかく久々にハーパーの12年だって喜んだのに。」
「なに言ってんの、この梅酒は、とうちゃんが死ぬより前の梅酒だよ。最低でも23、4年は経ってんだから」
「あは、12年どころか、23年物、しかもピュア・モルト(笑)かい、そりゃすげぇや・・・・」

せっかくですから、食前酒に一杯飲んでみると、たしかにまろやかで濃厚な口当たり、年数を感じさせます。・・・・・って
「こんな甘ったるい酒、飲んでられんかよ~~~~~~!!!!!え~~~ん、バランタインの30年が飲みてぇよぉ、ハーパーの12年でもいいよぉ・・・ともかく普段飲めないウイスキーが飲みてぇよぉ~~~」

さて、今日の一枚は、カーティス・フラーです。
ストリングス、ビッグ・バンドをバックにしてのアルバムというのは、正直私の好みではありません。だからでしょう、ここ数年針を落としたことのないアルバムです。
しかし、失礼しちゃいますよねぇ、ならば買うなってはなしです。(笑)

クラシックな黒人映画(かなり最近までそうでしたが、特にクラシック映画では黒人映画と白人映画は完全に分離されていましたよね。)というと、『ハレルヤ』『緑の牧場』そして『CADIN IN THE SKY (邦題は天の安息所)』が浮かんでくるという方は、かなりの映画通とお見受けします。(笑)

『天の安息所』は『巴里のアメリカ人』や『バンド・ワゴン』『恋の手ほどき』などで有名なミュージカル映画の巨匠ヴィンセント・ミネリ監督がオール黒人キャストで描いたミュージカル作品で、もともとブロードウェイのヒット・ミュージカルであり、ブロードウェイの舞台監督だったミネリにとって映画監督デビュー作に当たる作品です。
(あはははは、これは私の頭の中にあった知識ではなく、全てとある本の丸写しですが)

かく言う私は1943年公開の『天の安息所』をリアルタイムで見られるわけもなく、一部、デューク・エリントンの出演場面などを何かで見ただけで、通しで見たのはDVD化されてからです。

内容は、白人の先入観に影響された感は拭えないものの、愉快で楽しいミュージカル映画だと思います。なにより、エリントンだけでなく、エセル・ウォーターズ、エディ・ロチェスター・アンダーソン、レナ・ホーン、ルイ・アームストロング、そして昨日話題に上ったキャブ・キャロウェイらの歌や演奏が聴けるジャズ映画としての魅力もある作品だと思いますよ。



おっといかん、映画紹介じゃなかったですよね(笑)

カーティス・フラーは、幼少のみぎりこの『天の安息所』を見て、ひどく感激したのだそうでありまして、「いつか、題材として取り上げたい、ジャズとして演奏してみたい」と思っていたのでしょう。そして、ついにプロデューサー、ボブ・シールとアレンジャー、マニー・アルバムの手を借り、インパルスでのリーダー盤第二弾としてこのアルバムを作ったというわけです。
それだけに、フラーの演奏には力がこもっています。ただし、ハード・バッパー、カーティス・フラーをイメージしてはいけないかもしれませんね。
同じハード・バッパー、クリフード・ブラウンの「WITH STRINGS」は、フラーと違い本人は乗り気でなかったものの「ハード・バッパーだぁ」みたいなところがあるじゃないですか、ここでのフラーはそれとは少し違うように私は感じます。どちらかというと、ウエス・モンゴメリーのストリングス物みたいな・・・もちろん、フラーの存在感は絶対ですよ。
私としては、例えばジャズのスタンダードになっている「TAKING A CHANCE ON LOVE」にしても、軽快であれば「THE KENNY DREW TORIO」あたり、ちょっとスローだけど「PRES AND TEDDY」あたりの同曲のほうが好きかなぁ
このアルバムを良しとするか悪しとするかはまさに好み、23年物の梅酒を「旨い」と思う人もいれば「甘くて飲めたもんじゃない」って人もいるわけですから。

CABIN IN THE SKY / CURTIS FULLER
1962年4月24[5,10], 25日録音
CURTIS FULLER(tb) 以外はその他で勘弁してください。(笑)

1.THE PRAYER / TAKING A CHANCE ON LOVE
2.CABIN IN THE SKY
3.OLD SHIP OF ZION
4.DO WHAT YOU WANNA DO
5.HONEY IN THE HONEYCOMB
6.HAPPINESS IS A THING CALLED JOE
7.SAVANNAH
8.LOVE TURNED THE LIGHT OUT
9.IN MY OLD VIRGINA HOME
10.LOVE ME TOMORROW