JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

中年馬鹿健在

2008年04月26日 | a-c

趣味部屋の掃除を済ませ、近くの港に初鰹が水揚げされたという知らせを確かめるかのごとく近所や狭い庭の確実な春を眺めながらの散歩。昼食後はいつものバーのママに頼まれていた7時間にも及ぶテレビ番組の録画ダビングをしながら、別に私が画面を見ている必要もないと本棚から古い単行本を引っ張り出して、いつもより大きめの音量でオーネット・コールマンを流し、ページを一枚ずつめくっていく。こうしていつもと変わらぬ暇人バブは、タイムマシーンに乗って過去へと旅をするのでありました。

我が心は石にあらねば、転ばすべからざるなり。
我が心は蓆(むしろ)にあらねば、巻くべからざるなり。
             - 詩経より-

「なんのこっちゃ」ですよね。(笑)
 つまりは、今日も暇をこいて、古い古い単行本、高橋和巳著『我が心は石にあらず』の読み直しをしていたというわけですよ。
ところが、オーネット・コールマンなんぞを聴きながら、珈琲をチビチビやって高橋和巳なんぞ読んでるとですね、それはまるで学生時代に一日中入り浸ったジャズ喫茶を思い出すというか。つまり中年オヤジにありがちなノスタルジックに浸ってしまうわけです。

思えば、貴重な若い時代に、あれほど無駄に贅沢な時間を過ごしたことは、今となって何かの役にたっているものなのか???????こうしてブログの話題にしているだけで良しとしますか。

ジャズ喫茶で高橋和巳や大江健三郎あたりを読んでるなんざぁ、私の学生時代でも少し時代遅れのところがありましたが、何だかジャズ喫茶でそんなスタイルを気取るのがカッコイイとでも思っていたのでしょうね。
「まさに自分だけの時間だ!」
もちろんそれに共感してくれる友人はほとんどおりませんでしたし、誰にその姿を見させるでもなく、完全に自己満足の世界に酔いしれていたということでしょう。(笑)
しかもその時読んだ本の内容など多くを忘れている状態で、こうして改めて読み直してみても新鮮さを感じるわけですから、いかに上っ面のカッコつけだったかということがよく分かります。

まてよ、その馬鹿さ加減はひょっとして未だに治っていないのか?

長野の喧噪など何処吹く風で自分の世界にドップリ浸かり、ただただノスタルジックに時間を過ごす・・・・・う~~む、ウン十年過ぎてもさほど変わりがない時間を過ごしているとは、まさに進歩することを何処かに忘れてきた中年オヤジは救いようがない代物ですね。
「中年馬鹿未だ健在」なんちゃって
まぁ、今更変えようにも時が遅すぎますから、骨になるまでこのスタイルを押し通すしかありませんけど。

読み直しを始めた『我が心は石にあらず』も、まだ半分以上ページを残しています。今晩何処まで読み進められるか、それはバーボンの残りとターンテーブルに乗るレコードの内容で決まりそうです。

さて、というわけで、今日の一枚は、オーネット・コールマンです。
後に発売された「LOVE CALL」とは、同日同メンバー、ブルーノート最終録音盤。

やはり注目はコルトレーン・カルテットのリズムセッション二人が参加しているという点でしょうか。
とはいっても「いかにもコルトレーン至高のカルテットの一員だ!」というイメージは私にはありません。「いかにエルビンでも、やっぱりコールマン色に毒されるものなんだなぁ」(悪い意味とは言いませんよ)みたいな、出来が悪いということではありません。ただコルトレーンとのセッションのような鋭さというか強烈さは、いまいち無いように私には思えるのです。
それでも、私としては、コールマンのアルバムの中でかなり聴いた一枚であることはたしかで、「BROAD WAY BLUES」なんてしばし本を置いて聴き入った曲でありました。

NEW YORK IS NOW ! / ORNETTE COLEMAN
1968年4月29日,5月7日録音
ORNETTE COLEMAN(as,vln) DEWEY REDMAN(ts) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES (ds)

1.THE GARDEN OF SOULS
2.TOY DANCE
3.WE NOW INTERRRUPT FOR A COMMERCIAL
4.BROAD WAY BLUES
5.ROUND TRIP