JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

うわべ評論家にゃならないぞ!

2008年04月17日 | g-i

「昨日のは、ちと分かりにくかったなぁ」
と我がログにダメ出しをして下さったのは、ランチをご一緒したTTさん。
「あれ?TTさんも見てくれてるなんて・・・聞いてないよ(これもマスターからの情報流出か?)」
「何いってんの、けっこう参考にしてCD買ったりしてんだからね」

いやいやいや、見ていただいている事には感謝いたしますが、CDを買う参考にというのには我がログはいかがなものかと・・・・
TTさんは別にジャズにこだわって音楽をお聴きになる方ではありませんが、「論理派」といったタイプの方ですから、なおさらにプレッシャーを感じてしまったりして。(笑)

「記事の内容は別としても、昨夜の「TWO LOVE」は聴いたことねぇんだよなぁ、「FLIGHT TO DENMARK」は大好きで今でも良く聴くんだけどさぁ」
「そうっすねぇ、同日録音ですけど「FLIGHT TO DENMARK」とは、ちょっとだけ雰囲気が違うかもしんないなぁ。でもジョーダン好きなら「TWO LOVE」のバラードも必聴だと思いますよ。」
と店内に流れたのは「FLIGHT TO DENMARK」マスターも人のはなしを聞いてないふりしちゃって、
「ごめん、TTちゃん、うちにも「TWO LOVE」はねぇんだわ」
まっ、ブログとしての善し悪しは置いといて、こうして話の種になることは良いことであります。

「ところでバブちゃん題名のない音楽会ってあんじゃん、あれ見てる?」とはTTさん。
「ええ、たま~~に見てます。昔はけっこう見てたんですけどね。今度、佐渡裕が司会になったんでしょ」
私は見逃しましたが前回の同番組ではレナード・バーンスタインの生誕90年を記念して、「バーンスタインとジャズに関して云々」といったことを前田憲男を迎えてやったんだそうで
「ブルーノートやらアフタービートやらジャズの定義みたいなことも説明してたけど、バーンスタインとジャズって、俺ん中ではあんまり結びつかないんだけど、どう思う?」

いやいや、話をふっていただいたのは嬉しいのですけど、私もレナード・バーンスタインに関しては詳しいどころか、『波止場』『ウエストサイド物語』の映画音楽、ベニー・グッドマンとのなんたらかんたら、棒を振る偉い人、そんなことしか頭に浮かんできません。アメリカの誇る巨匠をその程度の知識でとやかく言えるわけもなく
「そう言われても、さすがにバーンスタインは守備範囲じゃないもんなぁ・・・」
ようするに「バーンスタインがクラシックの世界にジャズの要素を取り入れたことは、じつに興味深い」といったお話なんじゃないかと察するのみで、だとすればジョージ・ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」の方がインパクトが強いとか・・・・・・
あまり詳しくない事には首を突っ込まない方が利口ですね。(笑)

それでも更にTTさんが
「一昨日から、岩浪洋三の『これがジャズ史だ ~その嘘と真実~』を読み出したんだけどね、バーンスタインとグッドマンの関係も同じユダヤ系であるところに何らかの意味合いがある、つまり、当時ジャズにはユダヤ系の人達が大きく関わっていて、ジャズはユダヤ人抜きには考えられないところがあるみたいなこと書いてあったけど」
(ごめんなさい、岩浪洋三の『これがジャズ史だ ~その嘘と真実~』は読んでおりませんし、ジャズとユダヤてなことを突っ込まれても私は何とも・・・)
「はぁ、ジャズとユダヤ人ですか、なにぶん俺も勉強不足なもんで・・・・・もっと勉強させていただきます。・・・・・でも、ユダヤでもアラブでも、白人でも黒人でも、ごちゃ混ぜがジャズですから」
するとTTさんが
「そうだな、べつにユダヤが入ろうが、何が入ろうが、好きなものを聴きゃあいいんだもんな」
と言っていただいたのでホッとしました。

いやいや、やはり音楽を楽しむリスナーとしては、理論武装よりもっと肩の力を抜いて「音楽そのものを楽しむ」という原点に立ち返るべきだということですよね。勘違いしないでください、TTさんを責めてるわけじゃないんですよ。(もし気を悪くしたらごめんなさい。あくまで私自身へ言っている事だとご理解下さい。)

時々私は、私の大嫌いな「うわべ評論家」(これも誤解を生む表現ですね。評論家を否定するわけではなく、いわゆる「にわか評論家」みたいな)になっちゃってるって感じる事があるんですよ。
自分で気付けばその都度反省はするんですが、自分で気付くときがあるということは、その何倍も「うわべ評論家」になっている時があるって事じゃないですか。
大嫌いな者に自分がいつの間にかなっている、なんだか怖い話です。

えへへへへへ、とか言いつつ『これがジャズ史だ ~その嘘と真実~』が図書館に在ることを知っていたもので、帰りに借りてきてしまいました。(笑)

さて、今日の一枚は、ゴードンとっさぁんが薬に酔ってヘロヘロになっていた時期のアルバムです。
ヘロヘロ時代のゴードンとっさぁんというと、同様に西海岸のリズムセクションをバックにデクスター節をたっぷり聞かせる「DADDY PLAYS THE HORN」が、まず私は頭に浮かんできますが、このアルバムも捨てがたい一枚です。

はっきりいって、私の場合ジミー・ロビンソンのトランペットはどうでもいいんです。ワンホーンで聴かせるバラード4曲がたまらない。
できれば4曲だけをまとめて、それを聴きながら飲みたい・・・・・・
え~~そういった聴き方は邪道ですので、デジタル化している現代、それがいかに安易に出来るとしてもじっくり全曲をお聴きになるように(笑)なさって下さいね。

ちなみに私の所有盤は、とうぜんオリジナル盤ではありません。国内版のしかもずいぶん後の盤だと思います。

DEXTER BLOWS HOT AND COOL / DEXTER GORDON
1966年11月12日録音
DEXTER GORDON(ts) CARL PERKINS(p) LEROY VINNEGAR(b) CHUCK THOMPSON(ds) JIMMY ROBINSON(tp)

1.SILVER PLATED
2.CRY ME A RIVER
3.RHYTHM MAD
4.DON'T WORRY ABOUT ME
5.I HEAR MUSIC
6.BONNA RUE
7.I SHOULD CARE