JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

あたしゃバーの宣伝マン?

2008年04月04日 | a-c

まさに春本番、適度な風に花粉の飛散も順調なようで、
マスク外しておもてに出れば クシュンクシュンと山笑う
てなもんであります。
こんな日は海辺か公園ででも昼食と行きたいところですが、クシュンクシュンじゃどうしようもありません。いつもの喫茶店でランチです。

「バブさん、最近はまた一段と飲んでいらっしゃるようで」
声を掛けてきたのは常連のOSさん、このブログを時々見ていてくれるそうで
「飲んだ話ばっかだもんなぁ、バブさんのは」
「申し訳ない」
「バブさんは、ウイスキーが好みなの?」
するとマスターが
「何でもいいみたいよ、アルコールの匂いさえすれば」
「何をおっしゃいます!焼酎やカクテルなんてぇのは、あんまり飲みませんねぇ、絶対に飲まないのはブランデーかな。」
「うそうそ、他に無ければ何でも飲むんだから」とはママ
どうも私の『無類の酒好きで大酒飲み』というレッテルは、ここのマスターとママが広めている可能性もあるようで
「そんな、人聞きの悪いこと言わないでよね」
私を知っている人達がどちらの意見に耳を傾けるか?それは推して知るべしであります。(笑)

まっ、そんなこんなで、話は『バー』の話題になりまして
「昔、ショット・バーってぇのが流行ったジャン、あの頃は俺もけっこう行ってたなぁ」とはOSさん。
OSさんも私同様U-turn組、以前は都内にお勤めだったそうで
「浅草のほら、何てったっけ、あの有名なバーがあんじゃん、あそことかさ。あとは有名どころのホテルのバーとか、あと・・そうそう『バー・ラジオ』にも行ったことあんで」

『バー・ラジオ』といえば、吉行淳之介や八木正夫、和田誠なんかがしょっちゅう酒を楽しんでいたというあのバーであります。
私は青山の『セカンド・ラジオ』に一度だけ先輩に連れられて行ったことがありましたが、なんだかとても高いバーだったような思い出があります。

そもそも、『バー・ラジオ』を始めて耳にしたのは大学時代、神奈川県は大和にある飲み屋のマスターに「桃井かおりに会わせてやろうか?」とからかわれた時だったと思います。(じっさいマスターは桃井さんの知り合いであったことは嘘ではなかったようで、ニアミスが一度だけありました。)
「桃井かおりがここまで飲みに来るこたぁ、まぁ無理だから、彼女がよく行ってるバーにでもいっしょに飲みに行こうか?」なんてね。そのバーが『バー・ラジオ』だったような・・・・(バーの名前などすっかり忘れておりましたが...笑)

その後、この『バー・ラジオ』の名前を耳にしたのは、20代後半、国道一号線沿いにあったバーにたまたま友人と入ったときでした。
「おまえはバーへ行くと、ジン・ロックかバーボンばかり飲んで、たまにはカクテルでも飲んでみれば、ねぇマスター」との友人のことばを受けてマスターが出してくれたのが、『フランシス・アルバート・シナトラ』というカクテル。
そうこれが『バー・ラジオ』の尾崎氏考案のオリジナル・カクテルだったのであります。
聞けばマスターの師匠が尾崎氏だとのこと、
タンカレー・ジンとワイルド・ターキーの8年物だけ、他に混じりっけなしのカクテルで「香りは良いけどハード」みたいなそのカクテルに悪酔いしたバブ君でありました。(笑)

あれ、何の話でしたっけ????そうそう、だからその『バー・ラジオ』の話を聞いてついついそんなことを思いだしたのです。

ちなみに
「シナトラをつくってみて」という注文で、ワイルド・ターキーとタンカレイが半々にまぜあわされた。注文を出した退屈人は、名に負うシナトラ・ファン。レコードは残らず持っているほどの大家なので、受けて立つほうとしても緊張があったはずだが、そこは人名カクテルの名人、処方に凝るのをさけて、さらりとバーボンにジン。そのかわりに銘柄にうるさいところを見せた。たしか、そんなふうないきさつだったと思う。
「バー・ラジオのカクテルブック」のなかで、語られている『フランシス・アルバート・シナトラ』誕生話です。

さぁ、そこのあなた、一度『バー・ラジオ』(現在は『サード・ラジオ』一軒のみの営業のようですが)で、オリジナルの『フランシス・アルバート・シナトラ』を味わってみてはいかがですか・・・・って、私は『バー・ラジオ』の宣伝マンか!?

あっ、いかん、OSさんが『バー・ラジオ』で何を飲んだか、聞き忘れちゃった。

さて、今日の一枚は、話の流れで行けばシナトラなんでしょうけど、すいませんケニー・バレルです。

ブルージーなバレルを期待される方にはちょっと不服な一枚であるかもしれませんが、今日のような春らしい天候が明日も続いたとしたら、真っ昼間からちょっとアルコールを体内に注入して、このアルバムをおかけになってみてください。じつに心地よい春の午後を過ごせること請け合いです。

たしかに、ウエス・モンゴメリーをポップ路線で成功させた事に気をよくしたヴァーヴの「柳の下に・・・」的なところが見えなくもありませんけど、思惑はともかく、ボサノバ調の「AS LONG AS I LIVE」もバラード「POOR BUTTERFLY」も、春の午後にはピッタリなBGMになると思います。(私的には「I SURRENDER DEARL」が好きだったりして...笑)
ただ、ジャケット・デザインは、どうも好きくありません。私だったら絶対にジャケ買いはしない一枚です。

ちなみにカクテル『フランシス・アルバート・シナトラ』は、昼間飲むには少々重すぎますのでお勧めはしません。(笑)

A GENERATION AGO TODAY / KENNY BURRELL
1966年12月15日, 1967年3月28日録音
KENNY BURRELL(g) PHIL WOODS(cl,as)[1~7] RON CARTER(b) GRADY TATE(ds) MILE MAINIERI(vib)[1] RICHARD WYANDS(p)[8]
Kenny Burrell(g), Phil Woods(cl,as), Ron Carter(b), Grady Tate(ds), Mike Mainieri(vib), Richard Wyands(p)

1.AS LONG AS LIVE
2.POOR BUTTERFLY
3.STOMPIN' AT THE SAVOY
4.I SURRENDER DEAR
5.ROSE ROOM
6.IF I HAD YOU
7.A SMOOTH ONE
8.WHOLLY CATS