JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

やっぱ映像もエエなぁ

2008年04月02日 | d-f

やっと春の陽光が戻ってきました。午前中は少々風があったものの暖かな一日で、ちょっと勘違いだったかと咲いたことを悔やんでいそうな観測木の桜も、今日明日には開くであろう仲間達の姿にほっとしていることでしょう。


桜はもう少し、今日は木蓮で

昨晩の夜中、WOWOWの「JAZZ FILE」という番組でジョン・コルトレーンのヨーロッパでの映像が放映されました。
・・・・・・・・・って、バカですねぇ、すっかり忘れていたんです。内容は「JAZZ ICONS JOHN COLTRANE LIVE IN '60.'61 AND '65」というDVDのものだとは知っていたのですが、このDVDを私は持っておりませんで、チェックはしてたんですけどねぇ~~~

ところが、ところがです、私が普段からまわりに言いふらしているおかげで
「バブ、昨夜のコルトレーン観た?」
と同僚に声を掛けられ、
「それがさぁ・・・・」
「むふふふふふ、そうだと思ったよ、最近テレビあんまり見ないって言ってたから」
と昨夜の番組が録画されたDVDを手渡してくれたのであります。ありがたや、ありがたや(笑)

やはり内容は「JAZZ ICONS JOHN COLTRANE LIVE IN '60.'61 AND '65」であるようで、1960年と1961年のドイツでのTV向け映像、そして1965年のベルギーでのライブ映像この三つの構成でした。

二番目の1961年12月4日の模様は、ヴィレッジ・ヴァンガードでのあのライブの勢いで、ドルフィーを伴っての訪欧の時、何度か他のDVD等で見たことのある映像でしたので、演奏内容はもちろん良いのですけど、そういう意味であまり新鮮みは無かったかもしれません。

なんといっても、1960年3月28日、J.A.T.P.にマイルス・グループの一員として、帰国後のグループ脱退を条件に渋々初訪欧したさいの、マイルス抜きメンバーとスタン・ゲッツ、オスカー・ピーターソンとのジャム、この映像に興味が湧きました。



この演奏はちょっと前ですが音源として映像無しで聴く機会がありました。
まずは「WHAT'S NEW」「MOONLIGHT IN VERMONT」という2曲のバラードをメロディーで聴かせるわけですが、これは「WHAT'S NEW」はコルトレーン(あの日本人大好き「BALLADS」の同曲を彷彿とさせる・・・願わくばもう少し長く演奏して欲しかったですけど)、「MOONLIGHT IN VERMONT」はゲッツとハッキリと聴き取れるわけです。
ところが、その音源を聴いたとき、いっしょにいたN君が「MOONLIGHT IN VERMONT」の途中で「サックスだけでなくピアノもケリーからピーターソンに代わっている」と言うので、「てめぇは耳が悪いのか!どう聴いてもウイントン・ケリーだろ」
私としてはバラード・メドレーはケリー、「HACKENSACK」のソロを聴けば間違いなくピーターソンだと確信していました。
映像って凄いですよねぇ、それを全部確認できるんですから(笑)
ともかく、コルトレーンとゲッツとの共演も、もっと信じられないのはリズム・セッションにピーターソン・・・・こんなの他に無いじゃありませんか。

三番目の1965年8月1日のライブ映像、これはもう言うまでもなく私が想う史上最高のカルテットの演奏ですから、悪いはずもありません。
「MY FAVORITE THINGS」の出だしで、マウスピースの具合でも悪かったのでしょうか、一度マイクの前から離れたコルトレーンを見つめるマッコイの顔がなんともいえませんでした。
でも始まってしまえば、マッコイのソロに続いての後半部のコルトレーンのソロ・・・・これ、これですよ。(笑)

ともかく「映像で見る演奏」は、レコードで聴くそれとはまた違った楽しみを与えてくれます。ほんと、同僚には感謝でありますね。
「ようし、もう一回見直しちゃおうかなぁ~~~お~い、バーボン、ロックでね」
「自分でやんなさい」

さて、今日の一枚は、1960年マイルス・グループの一員として初訪欧したさいのストックホルムでのライブ盤、もちろんこちらは親分といっしょの演奏ですよ。(笑)

このアルバムはずっと手元になくて、以前紹介した4月9日のオランダでの演奏のみの所有でした。それがひょんな事で我が手元へ舞い込んできたのですが、その話は日を改めてとして、録音自体はオランダより良いように思います。ただ、コルトレーンのデキがどうかということになると、正直、私はオランダの演奏の方がはじけているように思えるのです。

これはあくまで私の想像に過ぎませんが、本文でも触れたようにこの訪欧は、コルトレーンのマイルス・グループ脱退のための条件帯同といった一面をもっていたわけで、コルトレーンとしては乗り切れない思いがあったに違いありません。

それを考えれば、終わりが近づけば近づくほど「マイルスの元を離れていよいよ独り立ちできる」という喜びみたいなものが湧き上がってきてもおかしくないのではないか、そんなふうに感じるのです。
まぁ、そんないらぬ考えで聴くからそう聞こえるのかもしれませんけどね。

MILES DAVIS ~ JOHN COLTRANE LIVE IN STOCKHOLM 1960
1960年3月22日録音
MILES DAVIS(tp) JOHN COLTRANE(ts) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)

1.SO WHAT
2.ON GREEN DOLPHIN STREET
3.ALL BLUES - THEME
4.Interview with John Coltrane Part One

1.Interview with John Coltrane Part Two
2.SO WHAT
3.FRAN DANCE
4.WALKIN'