JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

アトムとヘストン????

2008年04月07日 | g-i

2003年4月7日、科学省精密機械局では長官天馬博士の号令の元、総力を集結して開発された人形ロボットが、今まさに誕生しようとしていた!

二日連続でマンガ関連のお話で恐縮です。今日はアトムの誕生日なのだそうですよ。当初手塚治虫先生が設定された世界では、アトムは今日で五歳になるわけですね。先日「手塚プロとリリーフランキーさんのコラボ企画で『アトムくん』が誕生」との記事を読みましたが、リリーさんお得意のポッチャリしたキャラクター、5歳でメタボは少しかわいそうな気もします。(笑)
原作漫画は1951年4月の月刊誌『少年』から連載された『アトム大使』に始まるといいますから、当時いかに21世紀が夢の世紀として描かれ、少年達もその世紀に大きな期待を持っていたかが分かるというものです。
そういえば、私が小学校の頃のマガジンとかサンデーの巻頭ページに『夢の21世紀』的な記事がカラーで掲載されていたような気もします。

私にとって『鉄腕アトム』といえば、やはりアニメの印象が強いですねぇ。同じ頃放映されていた『エイトマン』『鉄人28号』と合わせて(もちろん先に放映が始まったのは『鉄腕アトム』ですよ)、この三つのアニメは見逃す事はできないテレビ番組でした。(と言いつつ始まった当初は我が家にテレビは無かったし、鮮明に覚えている歳でもなかったのですけど...笑)
『鉄人28号』はグリコでしょ、『エイトマン』は丸美屋、あれ?『鉄腕アトム』の提供は何処でしたっけ????松下電器(ナショナル)??????
提供企業までは自信がありませんが、主題歌は今でもバッチリ。いかに熱心に見ていたかの証でもあります。

ずいぶん前に『エイトマン』の主題歌の話はここでもしたことがありました。その後、我がドーナツ盤レコードの整理をしておりましたら

こんなんが出てきたんですよ。
そう、かの克美しげるのレコードです。(はははははは、かのって、克美しげるを知っている年代といったらおのずと歳がバレようというものですけど)
え~~とですね。このドーナツ盤のカップリング曲をご覧いただけますか、『北京の55日』という曲です。

♪ 時は壱千九百年 55日の北京城
  肉弾相撃つ義和団事件
  連合軍を向こうにまわし
  決戦挑む 暴徒の族(やから)
  フランス イギリス イタリア ロシア
  更に加えて精鋭日本
  華の北京 今や死の街 ♪

これを見てピンと来た方は鋭い!
ピンと来なかった方のために説明いたしますと、克美しげるという歌手はポップスが歌いたいがために水原弘のバンドボーイとしてスタートした方で(まぁ、あまりいないでしょうが、もし若い方がこれを読んだらチンプンカンプンなお話でしょうね。私の同年代でさえ首をかしげるかもしれません。)『霧の中のジョニー』『片目のジャック』『史上最大の作戦のマーチ』といった洋楽カバー曲を多く歌っていた方でした。
『北京の55日』という曲もやはり洋楽カバーで、本歌はブラザーズ・フォーが歌った同名の映画主題歌です。

『北京の55日』は、1900年に中国で勃発した義和団事変を元にフィリップ・ヨーダンがバーナード・ゴードンと共同で脚本を執筆し映画化されたもので、主演は
ハ~ハ~ハ~ハ~、ここまで長くて息切れしてしまいました。(笑)
そうなんです、去る4月5日にお亡くなりになったチャールトン・ヘストンだったのであります。

『鉄腕アトム』の誕生日からチャールトン・ヘストンの訃報へ話をもっていくとは、我ながらとんでもない回り道です。

チャールトン・ヘストンというと『十戒』『大いなる西部』『ベン・ハー』『エル・シド』『北京の55日』『猿の惑星』『ジュリアス・シーザー』『アントニーとクレオパトラ』等々、大作の主演が多かった俳優さんとのイメージが強くて、「映画は金をかければいいってもんじゃない」などとツッパッていた私としてはファンとはいえない俳優だったかもしれません。
と言いつつも、ここにあげた映画はほとんど観ているわけですから、ポリシーもへったくれもあったもんじゃありませんけどね。(笑)
『十戒』は私が『旧約聖書』の物語に興味を持つきっかけとなりましたし、『北京の55日』だって義和団事変を知るきっかけとなった映画でしたから、純真無垢なバブ少年に何らかの影響を与えた俳優であったには違いありません。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

ともかく、私の頭の中では『鉄腕アトム』の誕生日とチャールトン・ヘストンの訃報が、みごとに関連づけられたと、まぁそういう話でありました。

さて、これで今日の一枚が、アトムからの流れにつながれば最高なのですけど、それは無理でした。(笑)アンドリュー・ヒルです。

ヒルのピアノは、どうしても敬遠されがちだったりします。たしかに聴いてみると「リズムとれねぇ!!」みたいな、あるいは楽器をやっている方などにはなおさらなのか「何じゃこりゃ」みたいな。でも、以前も言ったかもしれませんけど、私はわりと好きなんです。

ヒルの演奏は理屈こいて聴いちゃダメですね。ともかく一度聴いて直感というか瞬間というか「好きか嫌いか!?チャンチャン」みたいな。
それで「いける」となると、けっこうはまるピアニストなんだと思います。(アルフレッド・ライオンみたいに?)

このアルバムでも、そんなヒルらしさを聴き取れると思います。そしてリチャード・ディビス、エルビン・ジョーンズというこれまた強烈なリズム・セッションを従えつつも、ボビー・ハッチャーソンのバイヴがそれを和らげている感じがあって、私は聴きやすい一枚に仕上がっていると思います。

JUDGMENT ! / ANDREW HILL
1964年1月18日録音
ANDREW HILL(p) BOBBY HUTCHERSON(vib) RICHARD DAVIS(b) ELVIN JONES(ds)
1.SIETE OCHO
2.FLEA FLOP
3.YOKADA YOKADA
4.ALFRED
5.JUDGMENT
6.RECONCILIATION


おまけ、
『北京の55日』の本歌の歌詞を紹介しておきます。私は英語が大の得意ですから、訳詞はみなさんにお任せするとして、克美しげるのそれとの比較をなさってみて下さい。

The year was nineteen-hundred
T'is worth remembering
The men who lived through
Fifty-five days at Peking

T'was called the Boxer Insurrection
A bloody oriental war
Against all nations of the diplomatic corps

The flags of France and Britain
How they fluttered in the breeze
The Italian and the Russian
And the flag of the Japanese

Then came the sound of bugles
The rolling drums of fury
And the streets of Peking
Were as empty as a tomb