JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ドラキュラもたまには昼にお出かけ

2008年04月05日 | j-l

いつもの土曜日、いつものように趣味部屋の掃除を済ませ、珈琲をいれ、パイプでもふかしながらレコードでもかければ「ザ・休日」であります・・・・・・・が、
いかに出不精の私でも、このポカポカ陽気に、花粉を侵入させまいと窓を閉め切り、趣味部屋での引き籠もりというのはいかにも寂しいじゃありませんか。

出かけましたよ。(笑)
海では強い風にマスクは役立たず・・・・でも不思議ですねぇ、何故か鼻がグジュグジュしません。潮の効用でしょうか?それとも海辺に花粉は飛んでこないのでしょうか?
ともかく、散歩代わりに浜辺を歩き、しばらくボーッと海を眺めていました。
春の海は、秋のそれとは違って気持ちが前向きになっていくような気がして、まさにリフレッシュ・タイムですね。いやぁ、来て良かった。



ついでに近くのお寺も詣って、名も無き水子の墓が幾つかありましたので手を合わせてきました。





引き籠もりの休日も良いですが、たまに近場でもこうして出かけると気持ちがよいものです。
「ようし、明日はDVDでも見て、一日部屋で過ごすぞ!」ってオイオイ。

さて、今日の一枚ですが、ついつい引っ張り出しちゃったんですよねぇ、この趣味の悪いジャケット、フリー・ジョー・ジョーンズの代表作には間違いないものの、このジャケットと「BLUES FOR DRACULA」のナレーションは何ともいただけません。

1958年というと、クリストファー・リーがはまり役ドラキュラを始めて演じた『吸血鬼ドラキュラ』の公開の年、ジョニー・グリフィンもそれを見て「BLUES FOR DRACULA」なんて曲書いちゃったんでしょうか?
この曲の録音時に、全員が「これをアルバムタイトルにしよう」ってノリノリでタイトルが決まったそうで、みんながきっと『吸血鬼ドラキュラ』を見たんでしょうねぇ・・・このジャケットにしようって言ったのはフリー・ジョーかなぁ?「だれか止めろよ」てな感じですよね。
どうせならとことんクリストファーのドラキュラのように恐ろしいジャケットにしちゃえば良かったのに、かといって『怪物くん』のドラキュラみたいな愛嬌も無いってんだから始末が悪い。

ところでみなさんはクリストファーのドラキュラをご覧になったことがありますか?
クリストファー・リーというと、若い人には『ロード・オブ・ザ・リング』のサルマンとか『チャーリーとチョコレート工場』の歯科医ドクター・ウォンカのイメージが強いかもしれませんが、我々世代はやっぱりドラキュラなんですねぇ、
ジェームス・ボンドはショーン・コネリーとか、もっと身近(?)で言えば、ドラえもんの声は大山のぶ代みたいな、絶対に消えないイメージってあるじゃないですか。クリストファー・リー=ドラキュラもまたそんな感じなのです。
おっと、もちろんいかに私でも劇場でリアル・タイムに見た世代ではありませんよ。テレビの「○○洋画劇場」なんかで、夏になると必ず放映されたんです。
今見たら笑える内容なのかもしれませんが、あの頃は怖かったんですよ。クリストファーとピーター・カッシング、二人の顔を見ただけで「先にトイレ行っとこ」てなもんですよ。(笑)

おっととと、話が大幅にづれてしまいました。
とこかく、このアルバムは、ジャケットと「BLUES FOR DRACULA」のナレーションで大損をしているアルバムだと思います。
だって、それ以外は、まさにハード・バップの王道を行くドラミング、派手さというよりいぶし銀のような輝きで全体のグルーヴ感を引き出しています。良いアルバムなんですよ。

しつこいようですが、ジャケットとかけた瞬間に聞こえてくる奇妙なナレーションに惑わされることなく、じっくりとお聴きになってみて下さいね。

BLUES FOR DRACULA / PHILLY JOE JONES
1948年9月17日録音
 PHILLY JOE JONES(ds) NAT ADDERLEY(cor) JULIAN PRIESTER(tb) JOHNNY GRIFFIN (ts)TOMMY FLANAGAN(p) JIMMY GARRISON(b)

1.BLUES FOR DRACULA
2.TRICK STREET
3.FIESTA
4.TUNE UP
5.OW!