JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

たまにはジャズの話もね

2007年04月18日 | y-その他

昨晩、怒りを持って「伊藤長崎市長が撃たれる」に関する追伸を書きましたが、結局はお亡くなりになったとのこと、おもい半ばでのご逝去はさぞ悔しかったでありましょう。ご冥福をお祈りいたします。

二日連続で社会派を気取ったところで「バブらしくない」と言われそうですので、これに関しては昨晩から今日にかけてTBいただいた皆さんに、とりあえずはお任せすることとして、今日は珍しくジャズについて、しかも最も私が苦手とする日本のジャズのお話でもしようかと思います。

私が日本人ジャズメンの演奏をほとんど聴かずに至った原因は、第一に身近にライブ・スポットが無かったこと、第二にアルバイト先であったジャズ喫茶にそのレコードがほとんど無かったことにあると思います。
もちろん上京後、あるいはその前でも、『ピット・イン』『タロー』等々で演奏を聴く機会はありましたし、何人かはお話さえさせていただける幸運にも恵まれました。
ところが、当時はそれ以外のレコードに興味を奪われ、珈琲一杯で何枚でもアルバムを楽しめるジャズ喫茶に通いながら、ただただ海外のミュージシャンに夢中であったのです。

「港ヨコハマは、日本のモダン・ジャズ発祥の地である」とことあるごとにおっしゃっていたのは本多俊夫氏であったと思います。

戦後、横浜に産声を上げたジャズ・バンド、スイング・オルフェアス(小島正雄、馬渡誠一、長尾正士、平沢信一、内藤美加人、小原重徳)は、桜木町にあったアメリカ兵向けクラブ『サクラ・ポート』や、黒人兵専用クラブ『ゼブラ』『クロス・ロード』に出演していました。スイング・オルフェアスは離合集散を繰り返し、やがてC.B.ナインが結成されます。そして、将校用クラブやホテルでは演奏すらできなかったビ・バップを、黒人兵専用のクラブでは強く要求されるようになります。(白人社会では、まだビ・バップに対する偏見が実在する時代でありました。)
クラリネット中心のバンド編成もいつしか変わり、北里典彦(tp)海老原啓一郎、馬渡誠一(as)松本英彦(ts)寺岡真三(p)清水潤(ds)、そしてリーダー小島正雄(b)といったメンバーが体当たりでビ・バップという新しいジャズに挑戦していったのでありました。

・・・・・・・・ははははは、このまま戦後のジャズ遍歴を語っていったら一冊の本ができそうでありますから、後ほど『ジャズ四方山話』ででも取り上げるとして、ともかく、何が言いたいかといえば、日本のジャズはアメリカのそれを追うことにしばらくは時間と世代を費やさなければいけなかったということです。

ならば、日本のジャズの最大ムーブメントは何処にあったのか?
ちなみにここからは、苦手と公言した私の考えですから、参考にもあたらないかもしれません。そのへんはご勘弁いただくとして、
私は、日本人も個性的な表現をし始めた時期、つまりは、ジャズ・メッセンジャーズの来日に刺激を受け、さらには70年代学生安保闘争時期に自由な音楽表現を試み始めた、いわゆる団塊世代に類似する世代、戦争の傷みを知らない世代のミュージシャン達が起こしたものではなかったのか、と思うのです。
つまりは、富樫雅彦、菊池雅章、山下洋輔、日野皓正といったミュージシャン(おいおい、四人とも戦後生まれではないよって、終戦時3歳かそこらだったんですから勘弁してください。)の挑戦が、本当の意味での日本ジャズを形成していったのではないかと。

世界的に見ても、このあたりから「ジャズはアメリカの音楽」という風潮は薄れ、それぞれ独自の色合いをもったジャズが生まれ出た時期でもあります。

さぁ、こうして考えると、私が日本のジャズにうとい理由がわかってきます。何故なら、私が好んで聴くジャズのほとんどが、それ以前のものであるからです。
これって、勝手な解釈????? 完全に自己防衛に走ってますね。(笑)

さて、ということで今日の一枚は、その四人の意欲に燃えていた無名の新人時代をとらえたライブ盤です。

1960年代前半は、ジャズ喫茶黄金時代ではありましたが、生演奏を定期的に行う場所は皆無に近いものでした。
そんな中、東京銀座のシャンソン喫茶『銀巴里』のマネージャーが、ジャズ・アカデミー(新世紀音楽研究所)の中心的存在だった、金井英人、高柳昌行の友人であったこともあり、その好意で1963年から1965年まで、毎週金曜日の午後にセッションが行われたのでした。
客の入りは最低で、出演者へのギャラは一人200円程度(当時、カツ丼一杯が150円くらいだったそうです。)であったそうですが、現代音楽やフリー・ジャズといった新しい試みもやりたいようにできたため、ジャズ・ミュージシャンたちの創造的な場として定着していました。

今日のアルバムは、そんな『銀巴里』での貴重なセッションを、1963年6月26日、岡崎のDr.ジャズこと内田修先生がソニーのテープレコーダーで録音された音源を、1970年に発足し、日本人ミュージシャンにこだわり続けたレーベル『スリー・ブランド・マイス』がレコード化したものです。
後に大きなムーブメントを切り開く(私の解釈ですが)面々の意欲溢れる演奏を、ぜひこのアルバムで確認してみてください。

銀巴里セッション
1963年6月26日録音
日野晧正(tp)[3] 高柳昌行[1],中牟礼貞則[3],宇山恭平[4](g) 菊地雅章[2],山下洋輔[4](p) 金井英人[1,2,4],稲葉国光[1,3](b) 富樫雅彦[1,2,4],山崎弘[3](ds)
1.グリーンスリーブス
2.ナルディス
3.イフ・アイ・ワー・ア・ベル
4.オブストラクション


善良な心

2007年04月17日 | m-o

昨日今日となんだかとても寒くて、お酒が手放せません。(笑)

今朝方、アメリカでまた銃の乱射事件があったようですね。
無差別に人を殺し、自分も死んでいく、卑劣きわまりないというか、これほど身勝手な犯行はないわけで、犠牲になられた方のご冥福をお祈りいたします。

昔、アメリカという国をじつに奇妙に感じた時がありました。
最近では、日本でもニュースになることが度々ありますけど、一匹の猫を助けるのにレスキューやらなんやら、大げさともとれる救出劇を繰り広げたかと思えば(もちろん、猫でも何でも救うのは正しいわけですが)、かたや、戦場ではいとも簡単に何人もの人を撃ち殺す。そしてどちらも正義だと胸を張る・・・・
自己防衛に名を借りて、簡単に銃を手にして、防衛手段であるはずのその銃で何人もの罪もない人が死に追いやられる・・・・
アメリカ人が銃を手にするのは、善悪の抑止力であって、抑止力こそ最良の手段だと思いこんでいる・・・・・
その時はそんな矛盾を感じたのだと思います。

いやいや、アメリカだけじゃありません。いまや抑止こそが、世界の均衡を保つ最大の手段となっていますし、日本もその表舞台に引きずり出されようとしています。
でもね、その抑止がアメリカ国内の銃のようだったら、今回の乱射事件のように、まったく無関係の、まったく無防備の人の命を、一人(一国かもしれないけど)の狂気が奪う可能性だってあるわけですよね。
多くの人がその矛盾に気が付いているのに改善できない・・・人間というのはなんと愚かな動物なのでしょうか。

おっと、勘違いしないでくださいね。私はアメリカ批判をしているわけではありません。ジャズ好きの私が、何故故にアメリカを批難できましょうや(笑)
アメリカがどうだではなく、私を含め人間すべてが、何処かで、何かを間違えたのかもしれないと思うのです。
それじゃあ、その間違えを修正することは不可能なのか?修正は後退なのか?
個人の力で何かができるわけもありません。でも、一人一人がちょっとだけ考えるだけでも意味があることかもしれません。

社会派を気取るわけではありませんが、益々きな臭さを感じる昨今、過去に起こしたこと、起きたことの正当性云々よりも、その結果が多くの悲劇を生んだ事実に学び、行動することが肝心だと私は思います。

あららららら、銃乱射事件からとんでもない話にすっ飛んでしまいました。

ひとびとの善良な心のなかには天性の崇高な感情が秘められている。
それは自分だけが幸福であることを許さない。
自分の幸福を他のひとびとの幸福のなかに求めてやまないのである。
(ゲーテ)

善良な心は誰しもが持つ心だと思うのです。

さて、今日の一枚は、リー・モーガンです。
『拳銃→銃弾に死す→リー・モーガン』との発想はじつに安直ですし、狂気の無差別殺人の被害者とモーガンの死とでは比べるに値しない死に様であります。

ともかく、モーガンは、1972年2月18日、クラブ『スラッグス』に出演中、楽屋で三角関係のもつれから、16歳年上の愛人ヘレンによって射殺されました。
でもねぇ、どんなに偉そうなことを言ったところで、女に少々もてれば、調子にも乗ってしまうのも人間。私とてそうなれば自分の欲でしか行動しなくなるかもしれません。
えっ?さっきまで熱く語っていたのはなんだったんだって? まぁまぁ、だからそれしきのことで安易に銃など持ち出されない社会を・・・・・・・・

どうもわからないのは、あのカッパみたいな顔(どうしても私にはそう見えてならないのですが)をしたモーガンが、何故にそんなにもてたかということ・・・・・、たしかにお洒落ではありましたけど・・・・・・
ははははは、完全にやっかみモードに入ってますね。
「あ~あ、愛人に殺されるような真似をしなくて良かったぁ」って、私にはそもそも愛人を持つ器量すらありませんので(ガックシ)。

そうそう、今日のアルバムですよね。
リー・モーガンの初リーダー・アルバムは、二枚あるといったほうが良いと思います。


BLUE NOTE 1538

1956年11月4日にブルーノートで、翌5日と7日にはサヴォイ(今日の一枚)にリーダー録音を残しました。ライバル・レーベルに同時にリーダー・セッションを録音したトランペッターが、他に誰がいたでしょうか?しかも18歳という若さで。
つまりは両者とも、ブラウニー亡き後、ブラウニーが亡くなったその地を出身地とする若きトランペッターに大いなる才能を見いだしていたということなのでしょう。

18歳という年齢などまったく感じさせない自身と確信に満ちた演奏。16歳年上の女性をも愛人にするほど、彼は全てにおいて早熟だったということなのでしょうか?
う~ん、ある意味これが女性にもてる秘訣なのかもしれない・・・私にはもうすでに不可能なモテモテ法です。

INTRODUCING LEE MORGAN
1956年11月5,7日録音
LEE MORGAN(tp) HANK MOBLEY(ts) HANK JONES(p) DOUG WATKINS(b) ARTHUR TAYLOR(ds)
1.HANK A SHOUT
2.NOSTALGIA
3.BET
4.SOFTLY AS IN A MOIRNING SUNRISE
5.P.S.I LOVE YOU 
6.EASY LIVING

追伸、
今日の記事を更新した後で、「伊藤長崎市長が撃たれる」とのニュースが舞い込んできました。
なんたることでありましょう。言葉も出ません。
市長選のまっただ中での事件、こんなことでよいのでしょうか?
暴力団等々の名も出始めているようではありますが、右翼がらみのテロなのでありましょうか?
いずれにしても、狙撃などという行為で、何を主張するというのか?
銃が合法化されてもいない日本国内で、銃を使ったテロなど、なんの効果もないし、そんな卑劣な卑怯者に、誰が耳を傾けるものか!!!!!
そんな考えの人間がいることに、腹立たしく、恥ずかしい・・・・・・・・
・・・・・・・・すいません。こんな記事を書いた後だっただけに、どうしていいかわからない怒りを、少しだけ追伸にぶつけてみました。


ギター片手に

2007年04月15日 | s-u



♪ あの日の君は傘さして 青山通り歩いてた
 君は雨の中 丁度今日みたいな日だった
 ビートルズの歌が きこえてきそうと
 二人で渡った 交差点
 いつもは君と歩く道 今日は一人で歩いてる ♪♪♪・・・

御存じ、かぐや姫の「アビーロードの街」です。
えっ?何で突然?
いやいやいや、今日の夕方、思いもよらず楽しい時間を過ごしたのです。

「バブ、これ聴こう、これ聴こう」
「なになに、KAGUYAHIME Best Dreamin' ?!」
なんとまぁ、赤ワインを手土産にOさんが「かぐや姫」のベストCD持ってやってきました。
Oさんは、私より二つ年上、基本的には同年代であります。まぁ、当然『かぐや姫』などは「ストライク!」の世代なのです。

「神田川に、雪が降る日にに、置き手紙・・・・・・・なにこれ、何だかほんとにベスト盤ですね。」
ほんの少し聴き始めると、
「やっぱり、懐かしいよなぁ~~~ はははは、へんに良く歌詞も覚えてるもんだ」

こうなると、久しぶりのギター登場!!!!
いったい何曲歌ったでしょう?(笑) 『つま恋』もビックリくらい、二人で歌ってしまいました。
不思議ですよねぇ、カラオケじゃ絶対に出ない高音部も、ギターを弾きながらだと、わりと出たりして・・・・ハハハハハハハハハ。
ギター一本で、これだけ盛り上がれる我が年代、恐るべしであります。

「Oさん、今日おもてに飲みに出るのは辛いけど、せっかくですから、ワイン付き合っていってくださいよ。」

Oさんには、趣味部屋でCDを聴いていてもらううちに、日曜日ですから料理当番であります。せっかくのワインですから、それなりのメニューを考え、私とOさんは家人達とは別に、趣味部屋での酒盛りとなりました。
そこで『料理当番、今日の一品』

まずは、『アサリのワイン蒸し』ではなく『酒蒸し』、私のつまみはこれだけでじゅうぶんでしたが(笑)



Oさん、家人のために、お肉と『明太スパゲッティ』も用意しました。

これは、ニラが少しだけ残っておりましたので、温泉卵を添えて『ニラビックリ(笑)』

結局、8時にOさんが代行運転で帰るまで『かぐや姫』だけでなく、思いつくままに歌えや飲めやでありました。
楽しかったなぁ~~~~~。

さて、今日の一枚は、お風呂も入り、まだまだ飲み足りない私が、日本酒に切り替えて聴こうとしているアルバムです。

そもそも、ドラム、ベースというリズム担当がリーダーというアルバムは数が少ないわけですが、アート・テイラーのリーダー盤も同様です。それでも、同じアートではアート・ブレーキーもいるわけで・・・・・
脇役としてのテイラーの活躍は、説明する必要もありませんよね。一時期においては、ブレーキーでさえ及ぶものでは無いものであったと思います。しかし、いかんせん地味であったこともたしかで、
このアルバムでも、けして出しゃばった(いやいや、ブレーキーが出しゃばっていると言っているわけじゃありませんよ。)テイラーではありません。
ソロイストをドラマーとして確実にプッシュする手腕、そしてそれが、ドラムがいかに重要な楽器であるかを逆に思い知らせてくれる、このアルバムを聴くと痛感できます。
コルトレーンの曲を吹く、スタンリー・タレンタインなんて想像できます?テイラーのプッシュはみごとにタレンタインを引き立てています。もちろん、ウイントン・ケリーもしかりです。
前面に出なくとも、リーダーとしてじゅうぶんに存在感を出すことができる、そう感じさせてくれる一枚です。

A.T.'s DELIGHT / ART TAYLOR
1960年8月6日録音
ART TAYLOR(ds) DAVE BURNS(tp) STANLEY TURRENTINE(ts) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) 'POTATO' VALDEZ(conga)[2,3,5]

1.SYEEDA'S SONG FLUTE
2.EPISTROPHY
3.MOVE
4.HIGH SEAS
5.COOKOO AND FUNGI
6.BLUE INTERLUDE


いやな花だと言われそう

2007年04月14日 | a-c

先週、発熱のため散歩にも行けなかったので、
「今日は歩くぞ!」とばかりに、いつも以上に遠出をした私・・・・・、
張り切りすぎもありましたがなにしろ暑くて、帰ってくる頃には汗だく、隠れてビールをあおったら、Tシャツ一枚で居眠りをこいてしまいました。(笑)
風邪のぶり返しが来ないように気をつけなければ・・・・

 

桜はすでに散りかけていましたけど、路地のそこかしこに色とりどりの花が咲き誇っておりました。
多少の疲れと暑さを除けば、それは楽しいお散歩です。

 

小学校低学年くらいでしょうか、女の子二人が花摘みをしていました。
こういった光景を、なんとも言えない幸せ顔で眺めている私は、すでに年寄りか、はたまた変なおじさんか・・・・なんととられてもいいんです。可愛いものは可愛い、もちろん連れ去り事件を起こすような変態野郎ではありませんよ。それでも、
「綺麗なお花がいっぱい採れたね。誰にプレゼントするの?」とでも声をかけたいのに、グッとこらえた私でした。何だか嫌な時代です。

もしもわたしがお花なら、
とてもいい子になれるだろ。



ものが言えなきゃ、あるけなきゃ、
なんでおいたをするものか。

だけど、だれかがやってきて、
いやな花だといったなら、
すぐにおこってしぼむだろ。



もしもお花になったって、
やっぱしいい子にゃなれまいな、
お花のようにはなれまいな。



(金子みすず 『お花だったら』)

戻って珈琲でも飲もうと、切れかけた珈琲豆を調達し帰ってまいりました。あ~あ、それなのにビールに手を出してしまう私は、『いやな花』だと言われそう。

さて、今日の一枚は、私が紹介する中では比較的新しい(?)アル・コーンとズート・シムズの共演盤です。
このアルバムは、まず最初に買った時、A面1曲目「DOODLE OODLE」を聴いて、少々ガッカリした記憶があります。(正直あまり好きじゃないんです。)
ところがところが、2曲目の「EMILY」がいいんですよぉ、右スピーカーから聞こえるズートがたまらない、少し控えめの左スピーカー、アルも悪くない。(全曲、二人のチャンネルはこれで統一されています。)この一曲で買ってよかったと思いました。
一曲気に入ってしまえば、『あばたもえくぼ』A面も一曲目からきっちりと聴いています。
私的には、表題曲「BODY AND SOUL」より、強く「EMILY」をお勧めします。

BODY AND SOUL / AL COHN & ZOOT SIMS
1973年3月23日録音
AL COHN(ts) ZOOT SIMIS(ts,ss) JAKI BYARD(p) GEORGE DUVIVIER(b) MEL LEWIS(ds)

1.DOODLE OODLE
2.EMILY
3.BRAZILIAN MEDLEY
  Recado Bossa Nova ~ The Girl From Ipanema ~ One Note Samba
4.MAMA FLOSSIE
5.BODY AND SOUL
6.JEAN
7.BLUE HODGE


「14日の土曜日」の過ごし方

2007年04月13日 | a-c

1988年5月の13日の金曜日、午前3時過ぎに、アムステルダム中央駅にほど近い便利な安宿、プリンス・ヘンドリック前の狭い歩道で胎児のような姿勢で倒れている男を見つけたのは、近くのジーダイクのバーを出てきた一人の男でした。
すぐにホテルのドアを叩きましたが、夜勤の従業員はその場にいず、唯一気付いた宿泊客も、酔った浮浪者が中に入ろうとしているのだと勘違いして、部屋に戻ってしまいました。
しばらくたって、赤線地帯に隣接するウォルモエスシュトラートの警察署に一本の電話が入ります。
プリンス・ヘンドリックに駆けつけた警官には、一瞬、ジャンキーか酔っぱらいにも思えましたが、近づいて見れば頭蓋が砕けた血だらけの死体だったのです。

この死体こそ、誰あろうチェット・ベーカーその人でありました。

彼がプリンス・ヘンドリックにチェックインしたのは、春うららかな前日の午後、「あらまぁ、なんて老け込んだおじいさんかしら!」と女性従業員が思うほどひどい風貌だったといいます。
3階のC20号室、明るい黄色の壁のこざっぱりとした部屋には、ダブル・ベッドとナイト・テーブル、テレビが置かれ、窓の下はたしかに男が倒れていたその場所であったのです。

ベーカーの命日には一ヶ月早いのですが、今日は同じ13日の金曜日、ふと彼の死を思い出したわけです。

明日は土曜日、趣味部屋の掃除とロング散歩を終えたら、ベイカーのドキュメント映画『レッド・ゲッド・ロスト』でも見直してみようかと思います。

う~ん、まてよ、『至上の愛』がながれる『モ’・ベター・ブルース』にしようか?

いやいや、『モ’・ベター・ブルース』は黒人ミュージシャンのお話でした。やはり『レッド・ゲッド・ロスト』を見ることにしましょう。
そして、ジェイムズ・ギャビン著『終わりなき闇』を、また読み直してみましょう。

どうでしょう?こんな14日の土曜日の過ごし方は?

さて、ということで今日の一枚は、もちろんチェット・ベーカー・・・・・失礼、ラズ・フリーマンのアルバムと言ったほうが良いのでしょうか?
ともかく、当時のウエスト・コーストの雄が集った一枚です。

清新でクールなベイカーと、シンプルかつ洒落たフリーマンをじゅうぶんに楽しめるアルバムだと思います。
私は、今日聴くのを少し我慢して、明日のBGMにとっておくことにします。

QUARTET / RUSS FREEMAN and CHET BAKER
1956年11月6日録音
RUSS FREEMAN(p) CHET BAKER(tp) LEROY VINNEGAR(b) SHELLY MANNE(ds)
1.LOVE NEST
2.FAN TAN
3.SUMMER SKETCH
4.AFTERNOON AT HOME
5.SAY WHEN
6.LUSH LIFE
7.AMBLIN'
8.HUGO HURHWHEY

追伸、
昨日今日と母の機嫌がどうにも良くありません。
おかしいなぁ、ジャイアンツは勝っているはずなのに・・・・
わかりました、つまり、昨日今日は地上波での野球中継が無いのであります。
今日の朝日新聞、第二テレビ欄に「開幕から苦戦、巨人戦視聴率」の記事。なるほど、放送が減るのもうなずけるわけではありますが、せめてホームでのナイターはなんとか地上波で放送していただけないものか、そう思うのは私だけでしょうか。


三百㍍でじゅうぶん

2007年04月12日 | p-r

今日は帰りがけに、嬉かなお土産をいただいてまいりました。
「バブさん、肝臓にはグリコーゲンがいいんですよ。」

はははははは、『グリコ』です。
今は、オマケに絵本が付いているものもあるんですね。けっこうしっかりしたミニ本(ビニ本じゃないですよって、今どきビニ本もないか。笑)でした。

大正11年、大阪で発売を開始したグリコ。創業者、江崎利一氏は、長男、誠一さんがチフスにかかり衰弱が激しかった時、グリコーゲンのエキスを与えたところ(父親が薬種業だったため入手できたのだと思います。)、食欲も出て体力も回復し、命をとりとめたため、「グリコーゲンを使って他社にないキャラメルを」と『グリコ』を考案されたのだそうです。
パッケージの赤も他社との差別化を狙ったものだったそうで、特に森永ミルクキャラメルの黄色を意識されたのでしょう。発売数年後には、銅製メダルのオマケをつけ、昭和2年から本格的に豆玩具のオマケを入れるようになり、昭和4年からは小箱に分けて入れるようになりました。その種類は二万数千にも及ぶそうでありますから、当然コレクターズ・アイテムとして、熱心に収集されている方もいらっしゃるようです。(テレビでもおなじみの、森永卓郎氏もコレクトされているようで、ホームページで紹介されていますから、よろしければご覧下さい。)

発祥が大阪ということで、頭に浮かぶのは道頓堀川のあの看板ですよね。
昭和10年に初代ネオン塔が立ってから、現在のネオン看板は数えること5代目にあたるそうですが、道頓堀川の映像には必ず映し出されます。大阪人でもない私でもよく知っている看板ということは、宣伝効果は抜群だということでしょう。

ところで、あの万歳した男の人は誰なのか?
元々は、利一氏が近所の境内で、かけっこをしていた子供達のゴール姿を見て、「スポーツこそ健康への近道である。」と考えたのが由来なのだそうで、そのため最初のうちは、女性や子供の絵もあったり、横向きのものもあったのだそうです。現在のような正面ゴールの絵に統一されたのは昭和3年からです。
ちなみに、現在の絵の元となったのは、大正12年に行われた『極東オリンピック』の100メートル走優勝者、カタロン選手(フィリピン)や、パリ・オリンピックに出場した、谷三三五選手、金栗四三選手らのゴールイン姿だったそうですよ。



ともかく、せっかくいただいた『グリコ』、食べてみたんですけどね・・・・・ごめんなさい、甘すぎて甘すぎて、「一粒三百メートル」で勘弁してください。

さて、今日の一枚は、久しぶりのロリンズです。
この頃のロリンズは若さいっぱいです。豪快なロリンズ節はすでに感じられますが、それ以上に、鋭いというか、鋭角というか、そんなロリンズを楽しめる時期であったと思います。
ケニー・ドリュー、マックス・ローチ、この二人もやっぱりいい、ローチはちょっと張り切りすぎの感はありますけど(笑)
1,2,4は辛く、3,5は甘く(アール・コールマンのボーカルが、なんともいい感じ)。そんな一枚だと思います。

TOUR DE FORCE / SONNY ROLLINS
1956年12月7日録音
SONNY ROLLINS(ts) KENNY DREW(p) GEORGE MORROW(b) MAX ROACH(ds)
EARL COLEMAN(vo)[3,5]

1.EE-AH
2.B-QUICK
3.TWO DIFFERENT WORLDS
4.B-SWIFT
5.MY IDEAL


自己反省の種

2007年04月10日 | j-l

昨晩もまたしても大バカをやってしまったのですが、そのご報告はしばらくたって傷が癒えてからということで(笑)、もちろん、後ろ手にまわされるようなことは何一つしておりませんし、火遊びをしたわけでもありません。ただ自分のアホさ加減に少々落ち込み気味なものですから・・・・・・
えっ?そう言われるとなおさら聞きたい?
まぁまぁ、

昨晩の私の行動も反省が必要ですが、今日の朝日新聞にも自己反省を促すような『ブログ 職場ネタ、安易に書くと大けが?』という、弁護士、菅俊治氏の記事が載っておりました。

ブログは、個人メディアとして定着しました。ただネットは不特定多数の人が相手。書くときは、新聞に投稿するくらいの慎重さが必要です。

アメリカではすでに、「ブログに書かれた内容をめぐり、解雇された。」との訴えが相次いでいるそうです。

たしかに、会社に損害を与えるような事柄、あるいは個人情報に係わるこ事柄などは、ブログ上で公開することが、解雇以前に法を犯すことにもなるわけで、じゅうぶんに注意する必要はあるのでしょう。

記事の内容は、職場に言及するものでしたが、それだけでなく、一部、匿名性をよいことに、中傷や安易な暴露等、個人攻撃などが原因で事件につながったり、子供のいじめの手段となったり、しているのも事実ですし、私のように「名前を出さずに抽象化しているから安心」などという安易さは特に気をつけなければいけないと考えさせられました。

①営業、技術、顧客、人事情報はNG
②匿名でも、読む人が読めばバレる
③内部告発に使うときは、ごく慎重に
これが、気をつける『ツボ』なのだそうで、特に内部告発に関してはブログという手段が、はたして妥当であるか、よくよく検討する必要があると説いておられました。

ブログは重要な表現手段ですが、匿名でも実名でも自己責任で書く心がけが必要です。

職場に関する話ではありましたが、ふと自分のブログも、慎重に書くよう心がけたいと反省させられた記事でもありましたので、紹介させていただきました。

さて、今日の一枚は、ミルト・ジャクソンです。
何度も書いたことですが、私はMJQのジャクソンよりも、そこを離れた彼の方が好みなのだと思います。
リラックスした雰囲気の中で、ジャクソンはもちろん、レイ・ブラウンのベースがなんとも良くて、一つ不満があるとすれば、ジャクソンのソロが少々短めのように思うあたりでしょうか。
それでも、まるで、実際にジャズ・クラブの椅子に座り、一杯飲みながらライブを楽しんでいる感が、広がってきます。
ともかく、押さえのない(笑)ミルト・ジャクソンは、やっぱり魅力があります。

THAT'S THE WAY IT IS / MILT JACKSON
1969年8月1,2日録音
MILT JACKSON(vb) TEDDY EDWARDS(ts) MONTY ALEXANDER(p) RAY BROWN(b) DICK BERK(ds)

1.FRANKIE AND JOHNNY
2.HERE'S THAT RAINY DAY
3.WHEELIN' AND DEALIN'
4.BLUESIN THE BASEMENT
5.TENDERLY
6.THAT'S THE WAY IT IS


何故か腹が立つ

2007年04月09日 | g-i

統一地方選の前半が終了しましたけど、皆さんは投票に行かれましたか?
我々地方に生活する者にとって、地域格差は身に迫る問題。なにしろ世の中、好景気だという話は、遠い異国での出来事のように感じられますし、子供達を学校卒業後に地元に呼び戻そうにも就職先が見つからない。最近問題になっている最低賃金だって、困窮する地方へ行けば行くほど低くもなりますし、実質賃金も最低賃金に近づいていく、そのくせ物価は思うほど低くもありませんし、公共料金は逆に高いとくれば格差が生じて当然であります。

いやいや、ここで政治問題をとやかく言うつもりはありません。使命感があるなら立候補でもすればよいのですから、
でもね、当地の県議選の投票率が、過去最低56.99%だったというのですよ。
何度も言うようですけど、今、最大の危機を迎えようとしているのは地方ですよ。そこで生活している者が、唯一の意思表示を放棄して良いものなのでしょうか?
選挙結果云々よりも、どうもそのあたりに腹が立ってしかたがない私でした。





春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり

腹が立った話は、話として、風邪のせいで花見に出かけられなかった私は、まさにこの西行のような心持ちであります。やはり桜には他の花とは異なる想いがあるもので、今日の昼食は、花見気分を少しでも味わおうと、弁当を買って公園の駐車場へ。
・・・・・・日頃の行いが悪いんですね。突然、空が黒い雲に覆われ、雨です雨。
あれ?これも腹が立った話か??????

それでは・・・・・これは大丈夫。
じつはね、今日、新しい免許の発行日だったんですよ。
うふふふふふふ、ゴールドです。優良ドライバーです。
えっ?そんなに喜ぶことじゃないって?
何をおっしゃいますか。私にとっては初のゴールドですよ。
思えば、横浜の免許センターで最初の免許証をいただき、即日、城ヶ島までドライブに出かけてから、何回の更新を経てきたことか・・・・・ここにやっとゴールドを手にすることができたわけです。
なぁ~んだとおっしゃるかもしれませんが、毎日、そうとう距離、車を乗る生活をしていると、5年間の無違反というのは、なかなか難しかったりするんですって

だけどね、一つだけ腑に落ちないことがあるんです。このあたりで免許を更新しようとすると、近くに免許センターがないものですから、まず警察署で更新手続きをした後、後日『優良講習』を受講し、新しい免許をもらえるというシステムなんです。
今日、指定の時間に『優良講習』を受けに行ってきました。
たかだか30分の講習、しかも、正直A4のプリント一枚読めば済むような内容(講習料700円)、これを1時間程度とはいえ、申請も含め2日も仕事を中断してまで受ける必要があるのかということです。
ひょっとして、これって『交通安全協会』の小遣い稼ぎ???????
あれ?また腹が立った話になりつつある・・・・・いかんいかん、ともかく、ゴールド免許を続けられるよう、安全運転に心がけます。

さて、今日の一枚は、ベニー・グリーンです。
グリーンはカーティス・フラーと比べると、じつに土臭い感じがします。そこが魅力でなのですが、彼の持ち味が前面に出たアルバムだと思います。
「WE WANNA COOK」での、バブス・ゴンザレスとグリーンの掛け合いボーカルもなかなか楽しいし、全曲編曲を担当したのは女性トロンボーン奏者メルバ・リストン手腕も光ります。(ゴンザレス、メルバはクレジットにありません。紹介のメンバーはクレジットどおりで表記します。)
ちなみに、ジャグ(JUG)とは、ジーン・アモンズのことです。

SOUL STRRIN' / BENNIE GREEN
1958年4月28日録音
BENNIE GREEN(tb) "JUG", BILLY ROOT(ts) SONNY CLARK(p) IKE ISAACS(b) ELVIN JONES(ds)

1.SOUL STRRIN'
2.WE WANNA COOK
3.THAT'S ALL
4.LULLABY OF THE DOOMED
5.B.G.MAMBO
6.BLACK PEARL


妖怪ブヨンブヨン男

2007年04月08日 | a-c

やはり一日で風邪を完治させるのは難しいようで、今日もしかたなくおとなしくしていました。
それにしても、夜ふつうに寝ようとするとなかなか寝付かれないなんて事があるくせに、今日の午前中なんて知らぬ間に寝入ってしまうし、昼食後は珈琲を飲んだにもかかわらず、CDをかけたまままた眠ってしまう、人間その気になればいくらでも寝られる動物なのですね。(笑)

「選挙と買い物はどうすんの?」
3時頃になってそんなんで起こされました。
夕べから数えればもう13時間以上寝ているわけですし、選挙を棄権するわけにも行かないでしょう。
「選挙行って、その足で買い物してこようか」

あらためて、顔を洗って洗面所の鏡を覗くと、いつもはキリッとした美しい一重まぶたが(笑)左目だけが二重になって、ぼよ~~~んとしています。
「なんだよ、せっかくの美男が、台無しだなぁ」
「美なんだって?そうじゃなくてもブヨブヨした顔なのが、寝過ぎでまた膨れたんでしょ、あんまり寝てると妖怪みたいになっちゃうよ。」
「妖怪って・・・・・・・・、なに妖怪になるってんだよ」
「気持ち悪い『妖怪ブヨンブヨン男』ってとこかな」
「・・・・・・」

選挙会場は近くの小学校、すでに桜は満開です。
「あ~あ、今日も花見にはうってつけだったけどねぇ」

花見に出かけられないのは誰のせいでもありません、自分の不摂生に原因があるわけですから、今年は小学校のこの桜で我慢することにいたしましょう。

スーパーで買い物をして帰ってきた頃には、顔の腫れもそこそこひき、気分もかなり良くなりました。やっぱり寝過ぎが原因でしょうかね。
「熱も下がりましたので、しっかり夕食は作らせていただきます。」(じつはビールが飲みたくなっちゃったものですから、つまみを作ろうとのこんたんです。)

そこで、恒例の『料理当番 今日の一品』

まずは『烏賊入り男爵チヂミ』小麦粉の代わりにじゃがいものおろしたもの使いいました。(小麦粉も少しだけ入ってますよ。)

もう一つは、蒸し鶏のサラダ。どちらもビールに良く合いました。

さて、今日の一枚は、後期のコルトレーンです。
何故またこんな時にって思います?
じつはね、今日は後期のコルトレーンばかり聴いていました。
風邪で頭が痛いようなときは、目を閉じてこのあたりのコルトレーンを聴くのが、私にはいい薬になるんです。(笑)
いかにコルトレーン好きの私でも「ASCENSION」以降のものは、ちょくちょく聴くことはありません。というか、かなり覚悟を決めて聴かないとダメな面が多々あります。
ところが、風邪でボーッとしているときに、このアルバムを聴いたりすると、とても深いところに入り込めるというか・・・・・、一種のトリップ感を味わえる気がするのです。

「ASCENSION」以降のアルバムとしては、これは比較的多く聴く一枚です。
ちなみに、何処が良いかという説明はできません。(笑)

EXPRESSION / JOHN COLTRANE
1967年3月7日, 2月15日録音
JOHN COLTRANE(ts,fl) ALICE COLTRANE(p) JIMMY GARRISON(b) RASHIED ALI(ds) PHAROAH SANDERS(piccolo,fl)

1.OGUNDE
2.TO BE
3.OFFERING
4.EXPRESSION


風邪もいいかも

2007年04月07日 | m-o

やはりというか、当然というか・・・・バチが当たりました。
昨晩、ほんのちょっと喉が痛いかなぁなんて思っていたら、完全に風邪っぴきです。朝から熱も少々あるようですし、喉は痛いし、鼻はヅルヅル、「土曜日は花見だーい!!」と楽しみにしていた計画もみごとに崩壊してしまいました。

「あれだけ、不摂生していて、今まで風邪もひかずにいたのが不思議なくらいなんだから、今日は薬でも飲んで寝てれば」
乾ききった冷たい言葉にも文句も言えず、寝ているしかありません。おかげで昼過ぎには、そこそこの気分に。
「公園にでも行ってこようかなぁ~~~????」
「なにバカ言ってんの」

しかたありません。レコードでも聴きながらダラダラしていましょう。
「・・・・・・・・・・!?」
これって、ひょっとして、この時間の過ごし方は、理想の休日?????

災い転じて何とかですよ。昨晩引っ張り出した『志ん生半生記 なめくじ艦隊』はもちろん、志ん生の次男、古今亭志ん朝の『志ん朝のあまから暦』まで読むことができました。

ある日ある時、花見に来たお嬢さんたちが、川に背を向けて、楽しそうに、桜餅を葉っぱごと食べようとした。たまたまそこに通りがかった親切なおじさんが言いました。
「ね、お嬢ちゃんたち。桜餅はね、皮むいて食べるもんなんだよ」
するとお嬢さんたち、それまで背を向けていた川の方へ、くるりといっせいに向き直って、そのまま桜餅を食べ始めたんですね。・・・・・

まっ、これは「皮をむく」と「川を向く」間違えたというお話であります。
みなさんは桜餅の葉っぱを食べますか?食べませんか?
どちらが正解ということは無いのでしょうけど、甘いものがあまり得意でない私は、あの葉っぱのしょっぱさが、一つの救いになるものですから、食べる派ですね。

「えっ、バブさんあんな堅い葉っぱ食べちゃうんですか?」
昔、とある女の子にこんなことを言われたことがありました。
「堅い?????」
これは、柏餅と桜餅を彼女が間違えたというお話です。(笑)

ともかく、本日は久しぶりに風邪をひいたおかげで、ゆっくり休日を過ごせたという、「風邪もたまには良いもんだ」お話でありました。

さて、今日の一枚は、ハンク・モブレーです。
もともと、ブルーノート1574番は、1957年8月1日にケニー・ドーハム、ソニー・クラーク、ジョージ・ジョイナー、アート・テイラーとともに録音した音源のために用意された番号でした。ところが、この録音はお蔵入り、1984年に「HANK MOBLEY QUINTET (BNJ-61006)」として発表されるまで日の目をみることはありませんでした。
それでも、アルフレッド・ライオンは、1574番を欠番にはせず、1958年に新録音したこの演奏をあてたのでした。


これがBNJ-61006です。
えっ?1560の「HANK」にそっくりだって?
まぁまぁ・・・・・・

「ペッキン」とは、かつてジョージ・ウォーリントンが発明した、短いノートを「突っつき合う(ペック)」奏法のこと、でもここでのモブレー、リー・モーガン、いわゆる「M&M」の二人が聴かせてくれるのは、それとはちょっと違うように思います。
やがてメッセンジャーズへと続くこのコンビ、双頭に近いセッティングで、なかなかのインタープレイを聴かせてくれます。

ところで、赤い鞄に「取り扱い注意(Handle with care)」の文字、何をどう注意したら良いんでしょう?

PECKIN' TIME / HANK MOBLEY
1958年2月9日録音
HANK MOBLEY(ts) LEE MORGAN(tp) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) CHARLIE PERSIP(ds)

1.HIGH AND FLIGHTY
2.SPEAK LOW
3.PECKIN' TIME
4.STRETCHIN' OUT
5.GIT-GO BLUES