JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

力をいただきました

2006年12月20日 | p-r

去る17日に岸田今日子さんが、そして今日、青島幸夫氏がお亡くなりになりましたね。やはり一時代が終焉を迎えた感はぬぐえません。
岸田今日子さんの独特な語り口は、個性的で魅力的でありましたし、
テレビが生んだ男、青島幸夫も、放送作家、作詞家、直木賞作家、参議院議員、東京都知事と、じつに強烈なキャラクターでした。
そんなお二人の活躍も、これで完全に過去のものへとなってしまうのでしょうね。なんだか少し淋しい気分です。
よく憶えてはいませんが、私は幼少時に『スーダラ節』を親戚の前で披露して、大いに笑いを取っていたのだとか、三つ子の魂なんとやらで、現在のいい加減さには、ある意味、青島氏の影響があるのかもしれません。
ともかく、心よりご冥福をお祈りいたします。

今日はめずらしく6時頃に帰宅、ニュースを見ていると、両氏の死亡ニュースはもちろんですが、テレビ朝日系列で放送されていた特集に目を奪われました。
特集に出てきたのは、『ミトコンドリア病』という難病と闘う女の子、響ちゃんのお話でした。

先日、『鑑賞の後』で、XP(色素性乾皮症)のお話しをしたばかりなのに、またよくわからない病気に出会ってしまいました。世の中には私の知らない病気と、懸命に闘い続けている方々が本当に多いのですね。
ミトコンドリア病(MCM)とは、細胞内のミトコンドリア(わからない人は中学校の理科の授業を思い出してください。)が正常に機能しないために、エネルギー転換が上手くいかない病気だそうで、大量にエネルギーを消費する、脳や運動機能の発達に障害が起こってしまう病気であるとのこと、症状はバラバラだそうですが、治療法は確立されておらず、響ちゃんの場合は、高エネルギーミルクと投薬で生活を維持されているそうであります。

人間は、知らないうちに多くのエネルギーをあたりまえのように使用しているそうで、特に、風邪で発熱をしたときなどは顕著であるため、響ちゃんにとっては致命傷に成りかねないとか。
「響ちゃんのような病気の子供は、自宅で監禁状態にし、他の病気に感染しないようにするのも一つの手ではある。」とテレビに出てこられた小児科の先生はおっしゃっていました。しかし、続けて先生がおっしゃったのは「けれども、それがはたして、響ちゃんのような患者さんにとって生きがいにつながるものか、考えなければいけない。」
つまり、両親にとっては苦渋の選択をしなければいけないということなのでしょう。

響ちゃんのお母様は
「響が、はじめて、ふりしぼるように、ひ・び・きって言ったんです。幼稚園に行くには名前が言えなくちゃダメだと、わかっていたのだと思います。ひ・び・きと聞いたとき、これは幼稚園に行かせなくては、ぜったいにそうしなければいけないと思ったのです。」
とおっしゃっていました。

今、響ちゃんは、ご両親、幼稚園の先生、お友達、その他まわりの方々の協力に支えられ、大好きな幼稚園に通っています。運動会にも元気に出場しました。クリスマスにぬいぐるみが欲しいとサンタさんにもお願いしました。
彼女を取り巻く、素敵な方々、そして、まわりの人みんなに、生きることの大切さを教えてくれる響ちゃん。
響ちゃんの笑顔に私まで元気をいただきました。

響ちゃんのお父様が、東京新聞に投稿連載されていた文章が、一冊の本になっているようです。さっそく注文しましたが、皆さんもよろしければお読みになってみてはいかがでしょうか。

さて、今日の一枚は、映画「BIRD」のなかで、重要人物(笑)として登場している、白人バッパー、レッド・ロドニーです。
チャーリー・パーカーといっしょに活躍したと聞くと、なんだかとても古い人というイメージがあるかもしれませんが、実際は、マイルスやコルトレーンより一つ年下であります。
映画でも一部表現されていましたが、彼はパーカーを心酔するあまり(?)にドラッグまでまねをして、継続的に活躍できませんでした。これが「白人最高のモダン・トランペッター」といわれた彼を低迷させた最大の要因です。
彼のアルバムで最も有名なのは「1957」でしょうか?
しかし、今日のこのアルバムも、勝るとも劣らぬ彼の名盤、「白人最高のモダン・トランペッター」の神髄を感じ取れる一枚だと思いますよ。

RED RODNEY RETURNS
1959年録音
RED RODNEY(tp) BILLY ROOT(ts) DANNY KENT(p) JAY CAVE(b) FRANKYOUNG(ds)
1.SHAW NUFF
2.RED HOT AND BLUE
3.I REMEMBER YOU
4.5709
5.WHIRLWIND
6.JORDU
7.SHELLEY
8.TWO BY TWO