JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

青い鳥

2006年12月19日 | m-o

いやはや、昨日今日と突然寒くなってしまいました。いかに皮膚の下に他人より一枚多く(だれですか、一枚どころじゃないだろうなんて言う人は)羽織っている私といえども、この寒さには耐えきれず、ついに趣味部屋のストーブに火を入れました。
おもえば、この時期までほとんどストーブ無しでいられたということは、やはり暖冬なのでしょうね。

以前、『ストーブ着火テスト』の時、マッチの話をしたかと思いますが、飲食店からマッチが消えていった最大の理由は、100円ライターの出現にあったように思います。100円ライターは日本で開発された画期的なライター。

第一号は、クラウン社から1970年に発売された、その名も『マッチュラー』という代物でした。ところが、この時はほとんど話題にも上らず、いつの間にか姿を消してしまったのだとか。
では、今の「100円ライターあたりまえ」の時代はいつから始まったのか。
私はよーく憶えてますよ。

第四次中東戦争を機に始まった、第一次オイルショック、トイレット・ペーパーを買い占めに走ったり(どうも原因を作ったのは大阪のおっさんらしいのですが、そのお話しはまた)それはもう大騒ぎでした。
このオイルショックの余波が残る1975年、発売されたのが、㈱東海の100円ライター『チルチルミチル』であります。(ちなみに使い捨てカイロが発売になったのもこの年だったとか。)
ともかく、昨日までマッチで煙草に火をつけていたひとが、「猫も杓子もチルチルミチル」みたいになっちゃって、私はまだまだ煙草を吸って良い年齢ではありませんでしたけど、なぜかよく使っておりました。(笑)

『チルチルミチル』という商品名は、一時100円ライターの代名詞のように使われていましたっけ。
手の中にガスをため込んで火をつけ、その火で煙草をつけるとか、煙草の外袋を気球のようにとばすとか、危ない遊びもしましたねぇ。(今でもできますよ)
ともかく、一大ブームを巻き起こしました。

それでも、しばらくは飲食店からマッチが消えていくことも無かったのですが、やはり『チルチルミチル』ブームがマッチを隅に追いやった要因であることは間違いないでしょう。

商品名『チルチルミチル』は、オイルショックの影響で、物価が高騰していた時期、世知がない世の中だから、童話「青い鳥」の主人公の兄妹「チルチル」と「ミチル」に、幸せを運んできて欲しいという願いでつけられたのだとか。
そういえば、『チルチルミチル』の金属部分に付いている鳥の図柄をご存じですか?
そう、しっかり青い鳥が描かれているんです。青い鳥は㈱東海さんに莫大な利益という幸せを運んできてくれはしたものの、その後破綻をしたと記憶しています。(再建されたみたいですが)

いま、最も普及しているライターは、ジッポーでもデュポンでもなく、100円ライターであることは間違いないですよね。世界中で使われているそうですから、日本発ライターもたいしたものです。ちなみに100円ライターも、もちろん通称、正式には『ディスポライター』というのだそうですよ。

『チルチルミチル』と『ハイライト』、私にはとても懐かしいアイテムです。

さて、今日の一枚は、先日「まさかバブがこんなアルバムを聴くのか?」と言われてしまったチャック・マンジョーネ初リーダーアルバムです。
もちろん、この時期のマンジョーネのスタイルは、クロスオーバーでもフュージョンでもありません、ギンギンのハード・バッパー。
しかも、お世辞にも素晴らしく上手いとは言い難い、まだ未完のマンジョーネ、『青い鳥』ならぬ『青二才?』、21歳の彼はまだそんな感じです。

それでも、バックがいいんですよ。キャノンボール・グループでの相棒同士でもある、サム・ジョーンズとルイ・ヘイズ、二人の組み合わせはじつに良いですよねぇ。もちろんウイントン・ケリーもいいんですよ。
この3人のバックがなければ、このアルバムの魅力は無くなってしまうと、私は思います。

RECUERDO / CHUCK MANGIONE
1962年7月31日録音
CHUCK MANGIONE(tp) JOE ROMANO(fl,as,ts) WYNTON KELLY(p) SAM JONES(b) LOUIS HAYES(ds)
1.RECUERDO
2.BIG FOOT
3.I HAD THE CRAZIEST DREAM
4.SOLAR
5.BLUES FOR SANDER
6.IF EVER I WOULD LEAVE YOU
7.THE LITTLE PRINCE