JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

鑑賞の後

2006年12月11日 | a-c

いやはやまいりました。週末にHPの更新でもしようかと思っていましたが、我が家のデスクトップがストを起こしまして、そんな時にかぎってノートも仕事場に置きっぱなしとくる、2連チャンの飲み会と相まって、ブログの更新すらできない週末でありました。

ということで、暇をもてあました昨日は、DVD鑑賞とあいなりました。
しばらく前に、ブログ仲間「心の色を探して」のけいさんが、娘さんお勧めのDVDとして、「タイヨウのうた」を紹介されておりました。
家人はTBS系のドラマも観ていたようですが、なにしろ私は最近テレビオンチ、けいさんのログのみの情報で鑑賞いたしました。

この手の物語には、歳のせいでしょうね、どうにも涙腺が刺激を受けやすくなっていて、客観的な評価は難しくなっています。
XP(色素性乾皮症)の少女と、真っ直ぐな男の子の、じつに爽やかな一夏を描いた映画でした。
彼女が残した思い出と歌に、彼女の死を悲しむだけではなく、その後の生きる力を与えられた家族、友人、そして彼、「私は死ぬまで生き続けると決めた」と明るく父に語る彼女が、とても印象的でした。
こういう映画は、細かくどうのこうの言う映画ではありませんね。観た人たちが素直に受け取るメッセージを、それぞれに感じ、それぞれに心へ残せば、それでじゅうぶんでしょう。

見終わった後、映画への感動はこっちに置いて、XPについて少々調べてみました。

色素性乾皮症(XP:Xeroderma Pigmentosum)は、
「光線過敏症の常染色体劣性遺伝性皮膚疾患である。この疾患の病因は、紫外線によるDNA損傷の修復機能の障害によるものである。又、本疾患は、8群(A~G群とバリアント群)に分類され、日本人に多いA群は、皮膚疾患に加え、進行性の中枢神経障害や末梢神経障害が出現する」
という病気だそうで、つまりは、この病気の患者さんは、太陽光に直接あたることはもちろんできず、さらにA群の患者さんは、原因不明の神経障害により、手足が不自由になり、運動が不能となっていくということらしいです。

以前からこの病気の存在は承知しておりましたが、詳しいことは知るよしもなく、調べていくうちにビックリしたのは、この病気が『難病指定』を受けていないと知ったことです。
指定された『難病』、特定疾患とは、国の難病対策では
「いわゆる難病のうち、原因不明で、治療方法が確立していないなど治療が極めて困難で、病状も慢性に経過し後遺症を残して社会復帰が極度に困難もしくは不可能であり、医療費も高額で経済的な問題や介護等家庭的にも精神的にも負担の大きい疾病で、その上症例が少ないことから全国的規模での研究が必要な疾患」
と定義しているそうです。

もちろん私は、この病気の詳細も、あるいは『難病指定』のなんたるかも、理解しておりません。ただ、じつにうわべだけで考えると、どうしてこの病気が指定されないのか不思議にも思ったのです。
『難病指定』を受けることによって、患者さんへの支援はもちろん、病気に対する調査研究も国として取り組む体制がつくられるそうで、できればそうなって欲しいと単純に思ってしまったのです。

でも、こんなことは思いつきで語ることではありません。この病気以外にも同じような問題を抱えた病気も存在するのでしょうし、『難病指定』に関しても、さまざまな事情が存在するのでしょう。
ならば、私に出来ることはなんなのか?
こういった多くの病気の存在を知り、理解し、私自身の偏見を無くしていくこと・・・
そう考えると、この年になってもまだまだ勉強することが山のようにあるんだなぁと、教えていただいたように感じたのです。

ふと、鑑賞したDVDから、そんなことを考えてしまった日曜日でした。

さて、今日の一枚は、本文とはかけ離れた理由ですが、昨日、朝の酒臭さを吹き飛ばすために聴いたアルバムです。
なかなか聴くことのできない、ジョー・マイニ、ウォルター・ベントン、二人の演奏を聴けるのもさることながら、「CORONODO」を聴いていると、なんだか元気が出て来るというか。クリフォード・ブラウンもマックス・ローチも、とっても楽しそうに聞こえてくるんです。
それからね、やっぱりこの頃のケニー・ドリューが、私は好きなんですねぇ。
このメンバーで、この雰囲気ですから、「なんだ、単なる東西のジャム・セッションか」なんて思う人も多いでしょう、だけど「単なるジャム・セッション」ではけしてありません。
どう「単なるじゃない」かは説明できませんので、聴いてみて下さいね。(笑)

BEST COAST JAZZ
1954年8月11日録音
CLIFFORD BROWN(tp) WALTER BENTON(ts) HERB GELLER(as) JOE MAINI(as) KENNY DREW(p) CURTIS COUNCE(b) MAX ROACH(ds)
1.CORONODO
2.YOU GO TO MY HEAD

追伸、
日本にはXP患者さんの家族会が3つあり、活発な活動を展開しておられるようで、『国色素性乾皮症(XP)連絡会』では、難病指定に関する署名活動などもなさっております。
また、難病とはなんたるかを知るには『難病情報センター』がHPを開設されていますので、興味のある方はご覧下さい。



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6 コメント

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詳しいお話に (けい)
2006-12-11 22:22:36
感激しました!
そしてコメントにTBのこと書いてくださってありがとうございます。書いてくださらないとわからないままのわたしでしたぁ(笑)最近何かいじったらしくメールにTBもコメントも入らなくなり 何がなんだかわからない状態に・・・変なTBを避けるためにしたのかな・・・

さすがバブさん 詳しく教えていただきました。ありがとうございます!難病指定 色々難しい問題もあるようです。ブログ仲間のmakoさんも難病指定のことで以前書かれていました。指定には人数的な部分もあるみたいでした。厚生省の管轄なのでしょうか。病人の立場に立った位置で考えてほしいなと思うのですが・・・役に立たない建物を建てるよりもこうした病気への援助を考えてほしいなと思うのは変かなぁ。
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おかげさまで! (ウフフマン)
2006-12-12 00:44:20
色素性乾皮症について、自分でも調べなおしました。進行性であるだけで難しい病気のようですね。光に対する極度な過敏性だけではなくて、やはり光を遮断しても進行する経過もあるらしいですしね。国の難病指定でないにもかかわらず、もっと難病である病があるのですが、なかなか難病指定にならないケースも多いようですね。世界的に珍しいケースなどが日本の大学の教授によって発見報告された疾患は難病に入らず、家族の方は困るようです。厚生労働省もなんとかしてほしいですね。
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思いやる心 (monaka)
2006-12-12 21:06:26
バブさん、こんにちは、monakaです。
バブさんが問題にした色素性乾皮症に関して知識がありません。もちろん世にある難病に関して全てを知ることも出来ません。あたりまえのことですね。
実は私もここでいう難病指定の疾患に罹患しているのですね。私は申請をしていませんから特別な処遇を受けているわけではありませんが、大変な方への救済はぜひ充実していただきたいと思います。
わたしの場合、早く歩けない、飛び上がれない、重いものがもてない、ゴルフ,ダンス(チーク以外)は出来ない状態です。でもこの程度なので本当にご苦労されている病気の方には申し訳なく思います。

>ならば、私に出来ることはなんなのか?

体験から言うならばやはり健常な方の健全な常識でないでしょか。今のところ、私の場合日常生活にそれほど問題がないのですが、それでもわからない人の視線はつらいものがあります。
もちろんもっと重篤な方には別の手厚い保護が必要であり充実して欲しいと思います。
このような問題も上梓いただきまして、ありがとうございました。
お母上の先日のお言葉と一緒だと思います。私びっこ(使っていけないと思う)をひきますが同じように重要な一日を過ごしているのです。
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けいさん (バブ)
2006-12-12 22:05:48
べつに政治批判をするわけではありませんし、偉そうなことを言える人間でもありませんので、なんなんですが、

他人(ひと)に優しい社会であって欲しいし、そこに最近起きているイジメや自殺、虐待を減らす鍵があるように思えてなりません。

取れるところからとる、弱者への財政負担を減らす、企業は優先する・・・・
本当にそれでいいんでしょうか?

他人(ひと)に優しい心を無くしてしまったら、人間じゃなくなると、みんなが肝に銘じて欲しい。

少なくとも、私はその心を無くさないように頑張っていきます。
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ウフフマンさん (バブ)
2006-12-12 22:09:12
難病指定には、条件だけでなく政治的な圧力も必要なのだとか。
なんだか、そんなところに「コネがないと公務員は難しい」的な発想が働くことは、とても寂しく思います。

命の尊厳を軽く扱わない心を創っていきましょうよ。
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monakaさん (バブ)
2006-12-12 22:17:11
そうでしたね、monakaさんも病気と闘っているお一人でした。

ハンセン病、エイズ問題なんかもそうですが、多くの病気に対して勉強不足が偏見を生むことは、過去も現在もかわらないでしょう。
これほどまでに情報が手に入る時代だからこそ、正しい裏付けのある行動が必要なのだと思います。
安易に色眼鏡で人を見るようなことだけは、私もなんとかしないように、これからも気をつけていくつもりです。

もちろん、国には相当の対応を考えてもらいたいと思います。
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