今日は珍しく仕事で遅くなりそうだったので、
「晩飯いいわ、なんか食べてくんから」(晩ご飯いらないよ、何処かで食べて帰るから)と言って出かけました。ところがなんだかとても疲れてしまい、飲み屋にまわる元気もありません。頭も少々痛いような・・風邪の前兆?
けっきょくは何も口にせず戻ってまいりました。
「あら、なに?なんにも食べてないの?」
いやいや、今日は食べて帰ると言ってしまったんだから、用意をしていなくとも文句は言えません。しかし、
「あっ、今日ね、大根いっぱい送ってきたから、ふろふきなら余ってるよ」
との暖かいお言葉。
まして、風邪気味の体に暖かいふろふき大根はじつにありがたい、いつもは飲まないぬる燗でもチビチビいただきながら、暖まっちゃおうかなぁ~~~
「あっ、そうだ、練り味噌なくなっちゃったから、適当に作って食べて」
「えっ?えええええええっ?」
まぁ、よく煮えた大根があっただけでも良しとしましょう。ちょとした野菜餡を作ってかけてみました。
これが、ヘルシーなうえに、思った以上に美味しくて、酒にもピッタリ、体もすっかり温まって、風邪なんか何処かへすっ飛んでしまいました。
「体調も戻ったことだし、ちょっと出かけてくるかな」
って、さすがにそうは問屋が卸しませんでしたけどね。(笑)
それにしても、「今年はなかなか寒くなんないよね」なんて言っていても、大根の甘さが、「しっかり季節はながれてるんだなぁ」と教えてくれた夜でした。
さて、今日の一枚は、久しぶりにパド・パウエルを聴いています。
「真の天才」と呼ばれた男は、ベルヴュー病院で痛めつけられ、いつしか「病んだ天才」となっていました。以前の鬼気迫るピアノはなりを潜め・・・・・
さて、この時期のパウエルを皆さんはどう評価されるのでしょう?
私は、「真の天才」パウエルも大好きですが、「病んだ天才」パウエルもまた、そう、ちょうど今日の大根のように、なんとも暖かくて好きなんです。
この「BLUE PEARL」や「BUD ON BACH」なんか聴くと、病んでもなんでもいいものはいい、そんな感じ。
ブルーノートのアルフレッド・ライオンは、このアルバムを録音し終わった後に、「どうして、私はもう一本、ホーンを加えなかったのだろう、サックスでもトランペットでも何でも良かった。トロンボーン一本よりももっといいサウンドになったろうに」と言ったそうですが、(そもそも、ライオンはホーンを増やすのが好きな人だから)「病んだ天才」に期待をしていなかったのが、本人が考えているより数段良かったということなんでしょうね。私は、カーティス・フラーが入らない曲のほうが好きなのですが、だからいつもA面ばかり聴いてました。(笑)
BUD ! / THE AMAZING BUD POWELL Vol.3
1957年8月3日録音
BUD POWELL(p) PAUL CHAMBERS(b) ART TAYLOR(ds)
CURTIS FULLER(tb)[6~8]
1.SOME SOUL
2.BLUE PEARL
3.FRANTIC FANCIES
4.BUD ON BACH
5.KEEPIN' IN THE GROOVE
6.IDAHO
7.DON'T BLAME ME
8.MOOSE THE MOOCHE