昨晩はMさんから電話をもらい、O君の第一子誕生を祝う飲み会をやろうというので、のこのこ出かけてまいりました。
お祝いの飲み会といっても、私を含め3人でバカ飲みをしてきただけですけどね。(笑)
それでも、よく行くEさんのお店では、「お祝いに」とシャンパンを出していただき、「おめでとう、乾杯!」男3人という侘びしさもしばし忘れさせていただいたのであります。
Eさんのお店は、カウンターのみ、10人も入れば満杯になってしまう小さなお店です。真っ白なお皿で出されるプレート形式の料理は絶品で、こちらの腹ぐわいを見ながらお任せで提供してくれるので、つまみを考える煩わしさもなく、ジャズボーカルのBGMを聴きながら、ちょっとお洒落な時間を過ごすことが出来ます。
できれば、素敵な女性とでも利用したい店ではあるのですが、私はいつも男連れ、それでもEさんの気さくな人柄もあり、とても気に入ってるお店なんです。
「Eさん、このソースはどうやって作んの?」
美味しくて気になる料理など出ると、作り方まで教えてもらっちゃったりして
「ところで、O君、娘さんだったの?息子さんだったの?」とEさん
「それがね、女だったんですよぉ ほら」
およよ、すでに携帯のメモリーは彼女の写真でいっぱい
「今から二人の時間っていうのを作ってね、僕がだっこしながら、嫁もシャットアウトしてCD聴くんですよ」
O君は無類のクラシック好き、そのせいで音楽の先生になったという男ですから、わからなくもないのですが
「なにが、二人の時間よ、子供なんてあっという間に大きくなって、臭いだのうざいだの言い出すんだから、ははははは」とからかわれると
「やな事言わないでくださいよ、僕はね、彼女がやりたいということは、進んでやらせる、理解ある父になるんですから」
「あっちゃぁ、こりゃダメだ。完全にのぼせ上がってるわ。現実に打ちのめされる君の姿が、今から完全に見えてるね。」とMさん
「まあまあ、今だけは夢を見させてあげないと・・・、ともかく、Mさんとか私を反面教師に、娘に嫌われないおやじになんないとな」
あ~ここにまた、恋しい娘に翻弄するかわいそうな男が生まれたのであります。嫁への想いは日に日に下降する代わりに、娘への叶わぬ恋はふくれあがり、「お父さん、○○が欲しいなぁ」なんて言われると、嫌われたくない一心でいうことをきいてしまう。
よくよく考えてみれば、娘のいる親父というものは、嫁だけでなく娘までにも操縦桿を握られるという、まさに多重苦を背負うわけで・・・・O君、頑張ってね。
けっきょく、おおいに飲み過ぎた私たちは、4軒もの飲み屋さんを梯子し、3時近くにご帰宅となったのでありましたとさ。
さて、今日の一枚はフランク・ウエスです。
ブレスティッジおとくいのオールスターズ盤です。
ウエスは、ベイシー楽団に入る前に、ワシントンでみっちりフルートを勉強したそうですけど、たしかにテナーよりフルートのほうが彼の魅力が出やすいという気もしますね。
このアルバムもテナー3本で最後まで押し切られるより、彼がフルートに持ち替えることで、いい意味のブレーク的効果があるように思います。
マル・ウォルドロンのピアノも、いい感じでまとめ役にはなっていますけど
プレスティッジ・オールスターズものでは、好きな一枚です。
別に我が娘を想い、一曲目が「昔はよかったね」だったから選んだわけではありませんのでお間違えなく(笑)
WHEELIN' AND DEALIN'
1957年9月20日録音
FRANK WESS(ts,fl) JOHN COLTRANE, PAUL QUINICHETTE(ts) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ART TAYLOR(ds)
1.THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE
2.WHEELIN'
3.ROBBINS' NEST
4.DEALIN'
おまけ、
「昨日はずいぶんお早いお帰りで」
いつもの皮肉は慣れたもの、ところが昨夜遅かっただけでなく、午前中いびきをかいて寝てしまったのです。
「あらら、昼夜逆転だと、お腹もすかないでしょ、お昼食べちゃったからね」
う~ん、せっかくの休みなのにという怒りが、ひしひしと伝わってきます。
そこで、罪滅ぼしというわけでもありませんけど、日曜日でもないのに夕飯を作ってしまいました。
昨晩のEさんの料理をいくぶん真似て、三品一盛りのプレートを作ってみましたが、やはりプロにはかなわないなぁ・・・・。