以前パキスタンに仕事で行ったとき、ホテルの風呂が故障して水が出なくなった。そこで電話したら、メードらしき女性が来て手際よく直してくれた。それで、帰っていいと言うと、下を向いてもじもじしてなかなか帰らない。貧相だが、良く見ると別嬪さんなのがいじらしかったが、強引に帰らせしまって後で気付いた。メードは修理したら当然チップをもらえると思っていたのだ。
こちとらは、そんなことは分からない。日本人なら仕事をするのは当然と言う感覚である。外国のチップとはかくも日本人にはなじまない。日本人は外国に行ったらチップは払うものと慣らされていて、その不合理について批判しない。だが規定料金以外に明示されていないものを払わなければならないのは不合理である。
チップはサービスにたいする心づけだと言うが、心づけなら払わなくてもいいはずだが、そうはいかないからおかしい。しかも料金の何%程度と相場は決まってはいるものの、明確ではない。請求された額だけしか払う必要のない日本の料理店の方がはるかに合理的である。かのメイドさんはまだいい。本給がもらえるからである。チップは余禄だからである。ラスベガスのカジノではそうではないそうである。ゲームの合間にドリンクを持ってくるバニーガールの収入はもらったチップだけだそうである。
ここまでくれば不合理どころではない、インチキである。小生は純然たる田舎者である。バニーガールが持ってくる、リキュールやソフトドリンクを散々飲みながら、全然チップを払わなかった。しかし何も言われなかったのは、ラッキーだったのかもしれない。もしかするとこわもてのガタイのでかい兄ちゃんにしょっ引かれてぼこぼこにされていたかもしれない。田舎者はカジノなどに行くものではない。