毎日のできごとの反省

 毎日、見たこと、聞いたこと、考えたこと、好きなことを書きます。
歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

科挙を採用した日本の行く末

2023-01-16 15:55:58 | 政治経済
 日本は支那大陸文化のうち、科挙や宦官を取り入れなかった。科挙は考えてみれば、非漢民族支配の、隋、唐代から始まっている。これはむしろ、非漢民族が漢文を共通文書として官僚が利用できるようにした、と考えると分かり易い。漢文の古典をまる暗記する位でないと、漢文で自由に意志の伝達が出来ない。それほど難しいものなのである。科挙が固定化してくると、科挙の合格が高級官僚の条件として絶対化して、個人の能力より優先されるようになった。

 この状況は今の日本にも当てはまらないか。つまり東大合格の絶対化である。その始まりは維新政府にある。維新政府は、高級官僚の養成機関と西欧文明の導入の手段として帝国大学を設置した。しばらくは東京帝大しかなかったから、帝大と言えば東京帝大を指した。その後、京都帝大ができたので、帝大といえば、この二校しかないことは、漱石文学でも知れる。現代でも、唯一東大にコンプレックスが無いのが、京大生だと言われる所以である。

 戦前はその弊害は比較的少なかったように思われる。帝大ではごくわずかであったし、私立大学は帝大とは入学システムが違かったから、エリート官僚が帝大出になることに左程違和感はなかったであろう。また、帝大出の高級官僚の倫理感が担保されていたからである。しかし、コミンテルンの影響から、帝大を中心とする、知的エリートに共産主義が浸透も一方では進行していたことに留意しておく必要はある。
 戦後、旧帝大系以外の国公立大学や私学が増えるとともに、教育システムが変わった。帝大が、基本的に一高をはじめとするナンバースクールからの進学を条件としていたのに、戦後は、新制高校卒業なら、あらゆる大学が受験できるように激変したのである。これは一見大学間の自由競争を担保したかに見える。

しかし、結果は逆であった。東京帝大から東大に変わっても、官僚の世界での大学の序列に変更はなかったのである。帝大と共に日本版科挙システムを成す、高等文官試験は戦後、上級職甲種、Ⅰ種試験と名前が変わっても、日本版科挙システムは不動である。財務省のようなトップ官庁では、Ⅰ種合格の東大出が事務次官候補となる。こと官界に関する限り、東大コンプレックスのない京大すら後塵を拝している。

他の官庁はこれに準ずるが、地方公務員はより実力社会的であるように思われる。民間でも、実力の必要性から学歴の弊害はより少ない。ところが、日本版科挙システムの固定化を助長する存在が、台頭してきた。マスコミである。マスコミは学歴偏重を批判するのが建前である。ところが、このごろのクイズ番組の「東大王」などに見られるように、東大を頂点とした学歴差別を煽っているのが、特にテレビマスコミなのである。
いや、それが視聴率を取れるのだから、煽っているのは民衆である、ともいえる。その弊害は、東京裁判史観の固定化や改憲阻止、といった敗戦弐本の脱却が出来ない、という天に明瞭に現れている。


在外ウクライナ人に告ぐ

2022-02-25 18:40:30 | 政治経済
 皆さま外国に住むウクライナ人はロシアの無法に対して国際社会に抗議声明をしている。しかし。これでロシアの侵略が止まるはずがない。止めるには、君たちが祖国に帰ってロシア兵を一人一殺しかないのだ。日本は一億人でアメリカの侵略に対して三百万人の犠牲を払って独立を保全した。小生の叔父もその英霊の一人である。日本は千島列島を失ったか、沖縄は返還された。日本の独立は維持されたのである。
 ロシアは最終的にウクライナをロシアに併合することを目的としている。それを防ぐのに外交交渉や、経済圧力では不可能であることは明白である。日本人は硫黄島や沖縄では対戦車砲の不足のために、地雷をかついだ歩兵が米国戦車に突入した。木製の複葉機すら神風特別攻撃隊として米艦を撃沈している。繰り返すが在外ウクライナ人よ、故国に帰り一人でも多くのロシア兵を撃ち殺すがよい。

































のために。

ウクライナはポーランドとなる

2022-01-27 15:52:14 | 政治経済
第二次大戦前、英国などの欧米諸国は、ポーランドを侵略するものには、ポーランドから武力で撤退させるという条約を結んだ、ところがソ連とポーランド分割の密約をしたドイツは、1939年9月、突然ポーランドに侵入したにもかかわらず、英国などは蹂躙するに任せて、武力行使をすることはなかった。ポーランドは英国に騙されてのんびりしていたのである。こうしてポーランドという国は地上から消えた。
 英国らは単にドイツに宣戦布告をしただけであった。これが第二次大戦の始まりであった。ところが英国などは武力行使をしないものだから、単にドイツとにらみあうという奇妙な戦争になった。英国などはドイツの侵略に何もせずに口だけで宣戦布告をしただけだったのである。
 ひるがえって現代、ロシアはウクライナの国境に軍隊を終結させている。これに対して米英諸国はウクライナに侵攻したら厳しい経済制裁を課すと言っているだけで、軍事的にウクライナを守るとはいってはいない。ロシアのクリミア半島侵略に対しても同様な態度をとったから何の効果もなかった。ウクライナはポーランドの二の舞になろうとしているのである。
 今この問題は、NATOが旧ソ連の衛星国を次々に加盟させてソ連を圧迫している、という問題に矮小化されている。NATOの侵略にソ連は怒っているぞ、というわけである。
 しかし、ことはそんなに小さな問題ではない。筑波大学にいた中川八洋氏は、ソ連の崩壊を予測した数少ない人物である。その中川氏が「大侵略」(副題:二〇一〇年ロシアはユーラシアを制覇する)という著書を早くもソ連崩壊直後の1990年に出版している。簡単に言えばソ連は二〇一〇年までに、分裂独立した旧ソ連の共和国を再び侵略して、かつての強大なソ連が復活する、というものである。
 二〇一〇年ということははずれたにしても、現代ロシアのクリミア半島併合などをみるとロシアの行動は長期的に中川氏の予言通りにしているではないか。ベラルーシなどの旧ソ連量は着々とロシアの影響下に収められている。中川氏の言う通りなのである。ウクライナはポーラランドと同様、軍事的に対抗しなければロシアに併合される。その他の旧ソ連の共和国の運命も同様である。
 ちなみにウクライナから核兵器を撤去するとき、米露はウクライナの領土の保全を約束した。ウクライナに核兵器がある限り、ロシアはウクライナに侵攻できないからである。その条約はすでにクリミア半島で反故にされている。

立憲民主党とは何か

2021-12-05 15:34:04 | 政治経済
 立憲民主党の支持母体労は働組合「連合」である。このことははっきりさせておかなければならない。かつて民主党は政権交代を実現したが、あまりに拙劣な政権運営の結果、わずか三年で自民党に政権を取り返されてしまった。民主党がこのような仕儀に至った経緯は明白である。
長く続く自民党政権から政権を奪うために作られた民主党は、支持基盤は官公労を支持基盤とした社会党や共産党と異なり、左右の全体主義すなわちナチス流の極右ファシズムと極左ファシズムの共産主義を排した中道を標榜する労働組合の連合である。
民主党は連合を支持基盤としながら、有権者から労組主体だということを見抜かれないように、松下政経塾出身の前原誠司氏など、政治には素人だが穏健で比較的自民党に似ているとみられる人物を党の看板に据えて目くらましをして、自民党に飽いた多くの無党派層や、それまでの自民党支持者の票も取り込んで政権奪取に成功したのである。
前述のように、この詐術は民主党自体が票欲しさの素人議員集団であることがすぐにバレてしまったのである。その結果野に下ると、自民党的体質を持ちながら反自民を掲げる、希望の党や国民民主党といった分派を生む過程を経て、結果は立憲民主党と国民民主党に整理されるに至った。今の連合会長が共産党を排して、立憲民主党と国民民主党の合同を求めるのも、この流れからすれば当然である。
先に、連合は左右の全体主義を排す、と言ったが実は世界的に見れば中道、ということを意味しない。それは日本の労働組合の宿命というべきものであろう。確かに共産主義を排するという観点は事実であろう。しかし、その結果生まれたのは日本型リベラリズムである。共産党のように明確に皇室は排除はしない。
しかし、夫婦別姓などについては賛成する。中国に贖罪感を抱く。国防には無関心。つまり、共産主義を排しているだけで世界的には左翼と呼ばざるを得ない。

自民党は保守政党と呼ばれるが媚中派もいるといった具合で当全体としては、国民の左右の思想構成を反映しており、全体として保守政党として動いているのに過ぎない。立憲民主党はその裏返しで、改憲派も含みながら全体としては反改憲の日本型リベラル、すなわち左翼政党なのである。その原因は、大手マスコミの声の大勢に媚びて国民の支持を得ようとたくらむからである。大手マスコミの声の大勢は、無党派層の考えに必ずしも一致しない。
民主党政権の悪夢でそれに気づいた国民は、今回の衆議院選挙で立憲民主党の議員を減らし、自民党に不満な無党派不満層の票は維新の会に流れたのである。多くの国民は日本型リベラルの危うさに気付いた。ところが大手マスコミ、特にテレビマスコミは日本型リベラルの典型と言ってよい。
そこで、大手マスコミが立憲民主党を支持しながら、衆議院選挙の投票結果はそれを否定している。立憲民主党が連合を支持基盤としている以上は、政権を担当する政党にはなり得ないで、連合の勢力に見合った議員数しか得られないであろう。多くの国民から労働組合離れが進んでいる現在、その限界は知れている。

高市早苗首相待望論

2021-09-19 15:38:32 | 政治経済
 自民党の総裁選挙が始まった。自民党総裁は事実上の総理大臣である。総理大臣として、小生は唯一高市氏に希望を託す者である。それは皇統の問題である。明らかに、河野一郎氏と野田聖子氏は女系天皇容認論だから問題外である。岸田氏にしたところで、男系天皇を主張するが、皇室に男系が少なくなっている現在では具体策に欠ける。
 その点、高市氏だけがGHQに廃止された旧宮家の皇室復帰による男系衰退対策を明確に打ち出している。一体、日本とは何か。第一に皇統があっての日本である。少々できの悪い日本政府であっても、皇統が安泰である限りは、日本は日本たりうるのである。逆に言えば、「天皇制」廃止を党是とする共産党政権以外は、どのような政府でも構わない、とすら言える。皇統の途絶えた日本は、どんな良き政府をいただこうと、もはや日本ではない。日本の滅亡である。
 その点、男系男子天皇の護持に必要なのが旧宮家の皇室復帰である。小生は、極論を言えばその他の論点は枝葉末節に過ぎない。この点を明確に主張する高市氏に期待するゆえんである。

何故、武漢コロナウイルスは死滅しない

2020-11-16 21:26:07 | 政治経済

 不思議に思わないのだろうか。世界中で、ロックダウンなどの新型コロナウイルス対策をしている。ウイルスも生物であるから、寿命がありSARSのようにいつか自然に消滅するか、活動が低調になり普通の季節性インフルエンザになるのが自然であろう。欧米と東アジアでは程度の違いはあれ、特に欧米では武漢コロナウイルスの活動は活発していっても、低調になる気配はない。

 小生は、香港における反政府活動の妨害に武漢コロナウイルス騒動が利用されている気配を書いた。そして、トランプの再選の妨害にも利用されている気配も書いた。これらは、既に概ね成功を収めた。にもかかわらず、武漢コロナウイルスは活発化を止めない。武漢コロナウイルスで妨害されようとしている残りの最大のものは、東京五輪である。たとえ東アジアで武漢コロナウイルスの活動が低下しても、欧米の現在の様子では、いかに東京五輪をするかは難問である。

 武漢コロナウイルスも他のインフルエンザと同様に、一定の期間の対策によって自然に活性化が収まるべきが自然であろうと思う。そうならないのは、活性化を維持する人為的活動がなされているとしか思われないのである。それは武漢コロナウイルスの発生を奇貨として中共政府に利用価値がまだあるからである。それは東京五輪の中止と言うことではなかろうか、と思うのである。


日本の感染症医師は素人集団か

2020-08-08 14:33:20 | 政治経済

 ほとんどの人は注目しないが、武漢コロナウイルスにおける日本の対策で注目されないことがある。それは、武漢コロナウイルスの対応に当たっていた自衛隊員が、ただのひとりも感染者を出していないことである。もちろん感染者を収容した自衛隊の病院でも、ただのひとりも院内感染を出していないということである。

 完璧な対応といわれれば、それまでであるが、そうなのだろうか。感染症の専門家と言われる人たちが、プリンセスダイアモンド、に対応した厚生労働省の担当者は医官であり、感染症の専門家である。それが、船内での感染拡大を防止が出来なかったどころではない。自ら感染してしまった者が多数いる。

 片や自衛隊の生物兵器の専門家、方や感染医療の専門の医師である。その医療知識に大差のある訳ではない。それでこの差は一体なんであろう。その違いは感染症の知識だけではない。医師たちは、感染症防護の為の基礎的知識すら知らないのである。自衛隊員たちは、現実に起こるかどうか分からない、生物兵器戦争に対する訓練を、10年一日のごとく黙々と訓練を続けていたのである。

片や感染症の専門医師は、膨大な研究を持って学会に登場し、研究を発表し、注目を浴びていたのである。ところが、いざ感染症が起きるとこの落差である。感染症の医師たちは、感染症そのものの研究にいそしみ、研究に励みながら、感染症の拡大防止ということに一瞥もしていなかったのである。感染症専門医がいる病院で院内感染が起きると言うのは恥じであろう。

自衛隊委員は防護服その他の着脱のマニュアルのトレーニングを飽くことなく繰り返し、自らも感染症にならない訓練を黙々とこなしていた。任務には疲労がたまるので、近くに休息の病院船を用意して、蓄積した疲労を除去する対策もしていたそうである。米軍の陸海軍が戦争において常に兵站と休息に意を用いていたのと同じことである。その教訓を自衛隊は受け継いだのに反し、病院は医師や看護師などの医療関係者を酷使するだけだったのである。

 これだけ周到な自衛隊に、ダイヤモンドプリンセスのケースでも、国内感染でも、自衛隊に指揮を取らせていれば、ここまでの感染拡大はなかったろう。それは感染問題には厚生労働省担当と言う官僚の建前が妨害している。日本がこの程度の被害で済んでいるのは、医療関係者の不眠不休の努力によるものであることは認める。世界の惨憺たる現状をみれば明白である。

 だが、感染の拡大という点については生物兵器の担当である自衛隊が、ただの一人の感染者も院内感染も発生しなかったことが全くとっていいほど無視されている。この点はテレビに盛んに出てコメントしている感染症の専門家たちが何の訳にも立たなかったことを証明している。

 現在のところ、特効薬もワクチンもないのだから、医療の専門家にできることは、感染の防止だけである。なのに、感染症の専門家と称する医師は、院内感染の防止にすら徹底的に失敗した。その一方で、自衛隊の生物兵器対応チームは完璧な感染防止に成功した。感染症の専門家と称する医師の無能力は証明済みなのである。某大学病院では、武漢コロナウイルスの患者の受入れを拒否しているにもかかわらず、そこの大学教授が自信ありげに、テレビでコメントしているのはどうかしている。

 

 


日本農業異見

2020-06-30 22:21:47 | 政治経済

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 私の田舎は父の代まで専業農家だった。父は長男(私の兄)が県庁勤めするとまもなく亡くなったから、それからは母が細々と続けてきたが老いてからは止めた。その母も80台半ばに亡くなったから誰も農業はしていない。その間広かった田畑は次々と道路や公園などの公共施設に売ってしまって、僅かな田圃が残っているだけである。今も稲作をしてあるところは自前ではなく人に貸して作ってもらっているだけである。残りは休耕田となっているから形式的には兼業農家である。だから減反奨励金を受け取っているのであろう。 

 祖父は耕運機が発売されるといち早く買った。母が大変だから、と言った。祖父は寡黙で朴訥だったがやさしかった。その代わり馬が売られて行った。夜、白熱電球を煌々と点けて最後の飼葉を食べさせてからトラックに乗せられた。その時の潤んだような大きな馬の目は悲しい想いと共に忘れ得ない。母は農家の生まれの癖に体が弱く、農繁期を過ぎると必ず一週間ほど寝込んだ。祖父はそんな母を気遣ったのである。

 祖父が耕運機を買ったのは、収入を増やすのではなく、楽をするためであった。農業機械があるからと言って、農業規模が増えなければ収入は増えない。農業機械を買う経費だけ収益は悪化するのである。その上に農業機械は1台が年間に数日しか稼働しない。そして当時の耕運機などは、3年もすればガタガタになって買い替えた。農業機械や肥料を買うのはもっぱら農協を通してである。米は農協が全部買いあげてくれる。こうして儲かったのは農協だけである。近くの農地がいつの間にか農協に買われて運動場のような広場がある農協の出先ができた。太ったのは農協だけである。

 一級上の近所の女の子が高校を卒業して農協に入った。その子が親に連れられて夕方、農協貯金に入って下さいと我が家を訪れた。こうして多くの農家の子弟は農協に採用されて兼業農家になった。高価な農業機械を買って、子弟を教育するためには現金がいる。こうして多くの農家が兼業農家になっていった。農協は農家の上に君臨している。TPP参加の問題が起きると多くの農家が反対した、と言うのは正確ではない。かつてTPP問題のときに報道されたテレビをよく思い出して欲しい。TPP反対の先頭に立っているのは農民ではなく、JA全中すなわち全国農業協同組合中央会である。

TPPに参加すれば、日本の農業は合理化しなければ立ちいかなくなる。合理化のためには、農協の独占的利益によって効率が悪くなっている日本農業を改革しなければならなくなる。多くの中小規模兼業農家は独立して経営する能力が無いから、農協に頼らざるを得ない。その状況を打破しなければ農業の合理化は成らない。現在農地を取得できるのは農家だけである。株式会社が農地を取得して農業が出来るようにすれば、会社にとって農協は不要である。

 そうすると農協は崩壊する。農協は子弟を雇っている事や農協に頼る農家をまとめて、政治活動を行い自民党の農水族議員を育てた。農水族議員は米価の逆ザヤや、補助金等を農家に垂れ流し、結果的には農業の効率化を阻止した。旧来の農業をしていて済むから改良努力をしないのである。農協が農業技術の改良をしているのはもちろんである。しかしそれは既存の農業政策の枠内であり、逆ザヤや補助金を前提としたものである。

 TPPに参加したら日本の農業は崩壊する、と言われてきた。しかし我が実家の現況を見るとわかるが、日本の農業の多くは既に産業と言える状態ではなく、崩壊している。産業の体をなしているように見えるのは、多くの税金が農家と農協につぎ込まれているからである。日本の工業が興隆したのは保護によってではなく、自由貿易によってであった。繊維の自由化によって崩壊したはずの繊維産業は、化粧品ばかりではない、最新の旅客機を作る高強度炭素繊維を開発してよみがえった。日本の農業の再生は農地の利用を農家に限定するのではなく、株式会社に開放することである。じいちゃんばあちゃんの三ちゃん農業に技術開発、品種改良や営業活動ができようはずがない

 農協はその点は農協がやっている、と言うであろう。そこも盲点である。自分で生産をする会社ならば技術開発、品種改良や営業活動は死活問題である。農協はあくまでも農家とは別個の組織である。だから農協にとっては死活問題ではない。産業は顧客のニーズが育てる。そのニーズに農協は第三者としてしか関係できないのである。そこに効率の悪さがあるし切実さもない。

 しかも農水族に頼ると言う一見、一番楽で効率的な方法がある。しかも農協は特権的地位を利用して観光や金融など本来の任務以外に肥大化してしまっている。今や農協の目的は農家の育成ではなく、農協組織の維持である。農協は戦後農地解放によってできた中小農家の育成の時代には大きな役割を果たした。しかし既にその役割は終わったのである。

 我が家の新しい墓地は、遥か遠くにできたので皆車で行かなければならない。母が死ぬ直前に、あそこまでも我が家の田畑だったといった。それほど広大な地主だった我が家が落ちぶれたのは、戦後の農地解放によってではない。病気がちだった曾祖父の治療費のために土地を切り売りしたことや、分家に土地を貸すと居住権でむしり取られ、戦後の農地改革以前に、既にようやく専業農家がやれる程度に落ちぶれたと聞いた。

 かつては地元の豪族であった痕跡は、わずかに戦国時代のいくつかの古文書と槍の穂先位しか残っていない。刀もあるが、何と祖父が鉈代わりにするために半分に折った上に切っ先を成形したので見る影もない。侍だったはずの我が家の心は、長いうちに農民となっていた。

その農民の子弟の小生が農業再生のためにはTPPは有効であると主張する。ショック療法でしか農業の再生はないと思うのである。

 

 


亡国の国会

2020-02-15 14:53:19 | 政治経済

15日テレビでとんでもない番組が放映されているので追伸して更新する

 13日の国会審議を見て呆れた。立憲民主党の辻元議員は、桜を見る会の問題の追及の挙句に、タイは頭から腐るなどと暴言をはいた。ところが、国会内でもマスコミでも問題にされたのは、これに対して安倍首相が「意味のない質問だ」、とやじを飛ばしたことだけである。

いま世界では新型肺炎の被害の防止にやっきとなっているのに、国会はこの問題については何の審議もしない。これが異常でなくて何が異常であろうか。安倍首相は予算審議ばかりではなく、「新型コロナウイルス感染症対策本部」にも責任者として出席している。花見問題だけを執拗に追及し暴言をはく野党議員にむかっ腹が立つのも当然である。腐っているのはタイの頭ではなく、辻元議員の頭である。

しかも野党議員の一人は、政府は提出した予算案を「野党に審議していただく」立場なのに、態度が悪いとほざいた。野党議員と雖も国会議員である以上は、予算審議は最も重要な職務なのであって、「予算案を審議してやる」という立場ではない。傲慢の極みである。新型肺炎の死者が中国では千人を超え、日本でも感染経路不明の死者が出た。

新型肺炎対策は国会をはじめとして、国を挙げて取り組まなければならない喫緊の課題なのに、日本の国会はこの体たらくである。ところが国会が花見の揚げ足取りに終始しているばかりではない。そのことを問題にもしないマスコミの罪も大きい。マスコミの報道は、新型肺炎の報道は熱心にしていても、それについていかに国会が審議しているかは、露ほども出ない。国会も国会なら、マスコミもマスコミである。これを亡国の国会と言わずして何と言おう。

 

追伸である

 15日の2時から一時間、某テレビ局で、緊急生会議と称して、100人の芸能人、有識者、一般人を集めて、新型コロナウイルス対応についてのテーマで、侃侃諤諤の議論をする番組を放映した。まさにこれこそ国会がやるべきことなのではないのか。某テレビ局の発想に感心するとともに、いつまでも花見の政府追及以外、何も議論しない国会のサボタージュがより明らかになったと考える次第である。テレビのワイドショーの方が国会より、よほどまともなのであるから。


米国は陸戦に懲りた

2019-10-09 17:05:34 | 政治経済

 米国は対日戦で、苛烈な陸上戦闘に自信を持った。日露戦争の日本軍や第一次大戦の戦訓を入れた陸兵の訓練に成功したのである。陸軍と海兵隊である。第一次大戦当時は、勇敢だが無鉄砲だと言うのが、欧州軍人の米軍人に対する一般的評価である。それを矯正するのに成功したのである。

この勢いを持って朝鮮で戦ったが、ベトナムでの長期のゲリラ戦で懲りて、長い間陸戦恐怖症にかかった。しかし、湾岸戦争で少し自信を取り戻したが、イラク戦争で、再び懲りてしまった

 湾岸戦争とイラク戦争は正規軍での圧倒的な兵力差で勝って一度は陸戦に対する自信を取り戻したように見えた。しかし、イラク戦争後、女子供まで使ったゲリラ戦で、まともな戦闘もないのに、毎日一人、二人と確実に犠牲者が出ると段々に耐えられなくなった。期間に対する犠牲者の比率は、ベトナム戦争よりよほど少ないのに、である。

だから対北朝鮮に対しても、爆弾や巡航ミサイルによる間接攻撃はできても、歩兵や戦車などの戦闘車両を使った陸戦はできないのである。せいぜい特殊部隊による首脳の暗殺作戦位のものであろう。

 だがトランプ大統領の決断はどうであろうか。陸戦をするも辞せず、という覚悟がなくて、北に核開発を止めさせることはできない。少なくとも陸戦を実際に行わなくても、陸戦を行う覚悟は必要である。だが、イラク戦争の不評をよく承知しているトランプ大統領に陸戦の覚悟はないように見える。

 かつてイスラエルがイラクの核開発を阻止するのに、数機の戦闘爆撃機で一か所の原発を爆撃して成功した実績はある。しかし、これは核開発のごく初期だからであって、現在の北朝鮮のようにある程度開発が進み、施設が分散した現在では不可能である。時間がかかり過ぎて、その前にソウルが甚大な被害を受けるという予測をしている。

 クリントン政権時代に空爆によって核開発を阻止する計画があったが、北朝鮮による謀略によって中止された。空爆によって核開発を阻止するチャンスは、このとき永遠に失われたのである。

 この時は、北朝鮮か核実験どころか米本土まで射程に入れるICBMまで、ロシア、ウクライナ、中国、パキスタンなどの技術支援によってできる可能性がある、などとは想像もつかなかったのである。要するにアメリカは北朝鮮の未来が深刻な脅威になるとは想像もしなかった。その結果一番嫌な陸戦を覚悟しなければならない羽目に陥ったのである。

 トランプ大統領は、北朝鮮問題より優先度の高いはずの、対イラン戦略においてさえ早々と戦争はしない、と宣言してしまった。

 ただ、推測されるように最近の潜水艦発射弾道ミサイル実験は、潜水艦から発射したものではない模擬実験のようであるし、弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭の開発は、当分覚束ないようである。米国の逡巡もここにあるのだろう。

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