毎日のできごとの反省

 毎日、見たこと、聞いたこと、考えたこと、好きなことを書きます。
歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

経済対策などない

2009-01-25 14:13:04 | 政治経済

 現在の不況に対して、日本でも与野党が、わが党こそ効果的な経済対策をする、と絶叫している。だがよく考えていただきたい。いままで不況がくるたびに、減税をして消費を回復せよ、と多くの政治家が叫んできた。ところがバブルのピークのときも政治家たちは減税により好況の維持をと叫んでいたのを忘れたのだろうか。

 要するに政治家は、大衆の耳障りのいい減税を言っているだけなのである。大衆受けする政策こそ用心すべきなのである。一方で経済の専門家に聞いても総合的で効果的な経済対策を説明することはできない。結局いくら政府を批判したところで、誰も好況を呼ぶ効果的な経済対策など提案できないのである。

 振動工学というのがある。バネでつられておもりに、色々な力を加えると上下に振動する。このいろいろな力の変化を方程式にするとおもりがどのように振動するかわかるのである。おもりの上下を景気の上下に置き換えれば、景気の変化は振動現象の一種なのである。だから景気に与える要因を全て数値化すれば景気の変化は振動工学の手法を使って予測できる。

 経済を変化させる要因は、消費者の購入意欲とか、対ドルの円の価格だとか多数の要因がある。それらの要因事態が複雑に絡み合っている。しかも心理的要因などと言うものは、数値化できない。従って景気の変動は振動現象として解析できないのである。だから効果的な経済対策というものなどはあり得ない。

 ありえないのを実は経済の専門家は知っている。知っていても、経済対策はないと言ってしまったら、飯の食い上げだから死んでもいえないのである。ニューディール政策はアメリカの不況を救ったのでなく、その後の戦争の勃発がアメリカの好況を呼んだというのは現在では定説である。

 ただし景気を悪くする政策と言うのはあり得るのは、過去の経験が教えている。濱口内閣の金解禁はタイミング最悪で日本を不況に陥れた。このように景気変動を数値計算できないとすれば過去の経験から考えるしかないのであるが、多くの経済の専門家はそれをしていないとしか考えられない。

 景気を変動させる多くの要因は複雑すぎて分析できない。しかし逆に言えばその効果がないとも言い切れないのである。政府の提案している国民への一時金配布も程度の大小はあっても景気向上には効果がないとは言い切れないのである。この政策は蛸が足を食べるようなものには違いない。


百年に一度の大馬鹿

2009-01-17 16:31:51 | 政治経済

 最近巷間百年に一度の経済金融危機と言う言葉が流行っている。流行っている、としか言えないのは、この百年に一度と言う数字には何の学術的裏づけがないからである。不況が来るたびに、構造不況とか、バブル崩壊とか言う、絶望的な言葉を経済の専門家やマスコミは垂れ流し続けた。

 これらの言葉を真に受ければ日本経済は再起不能であるかのようであった。しかし不況の後には必ず好況が来て、好況の後には不況が来る。人生数十年生きれば、経験から、そんなことは分かる。そんな事すら経済の専門家は分からないのだ。百年に一度と言うのも同じ手合いである。江戸八百八町と言うのが実際の町ではなく、多いと言うことの例えである如く、百年に一度というのは、大変だ、と言う意味しかない。

 私はそう思っている。しかし経済の専門家はそうではないらしい。BSジャパンでは土曜日にマーケットウィナーズ、と言う経済番組を放送している。なんとこの番組が、本当に百年に一度の危機かどとう検証してみようと言い出した。失業率その他の数字を調べたら必ずしも、そうではないというのがその結果である。

 この事は、経済の専門家は百年に一度かどうかという事を、チェックして正しいから使ったのではなく、皆が言うから使ったのに過ぎないことを証明した。こんな程度の人たちが日本の経済の専門家を自称しているのである。経済の専門家とはこの程度の人たちか、と言いたくなるではないか。そもそも「百年に一度の」というキャッチフレーズは、あるアメリカ人が言い出したのである。

 その人は10年前にも100年に一度という言葉を使ったことがあるそうな。その時は100年に一度の好景気だったそうである。つまりこの人は、大げさにものごとを表現するのに、百年に一度と言う癖があったのに過ぎない。それに愚かな「経済の専門家」たちは乗せられたのである。

 例えば堤防の設計をする時、百年確率の強度を持たせる、と言えば、その川で過去百年に起きた洪水の最高の水位を調べて、その水位に耐えられる堤防を設計する。工学の世界では、百年に一度と言うのは、ものの喩えではなく現実の現象を言っているのである。工学の世界では、計算も証明もせずに設計する人は相手にされない。百年に一度の経済危機という言葉は、経済の専門家という人たちが、いかに無知で無責任かを図らずも証明している。