毎日のできごとの反省

 毎日、見たこと、聞いたこと、考えたこと、好きなことを書きます。
歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

中国の軍事的脅迫に屈した日本政府

2007-11-25 12:15:46 | 政治

 東シナ海のガス田開発で、日本政府は日本側が試掘を行うことを中止した。安倍内閣時代には中国側と話し合いが秋までにつかない場合には、試掘に向けた手続きを踏むこととしていた。ところが、福田内閣に代わってからこれを放棄したのである。福田内閣が中国側に卑屈なばかりに妥協的なことは、知られていることである。しかし、この重大な案件についての妥協は事ここに極まれりである。

 問題はそればかりではない。中国側は日本に対して、日本が試掘した場合には中国海軍が軍艦を派遣すると何度も発言している。これは明らかな軍事的脅迫である。戦闘も辞さないという脅迫である。福田内閣が試掘中止を決めたのは、この発言が関連しているとも伝えられている。このことは重大である。中国側は明らかに、日本政府は軍事的脅迫により試掘を中止したと判断する。

 すると中国側は、今後日本と外交的摩擦が起きたとき、何らかの軍事的脅迫を行えば日本側を一方的に妥協させることが出来るとの確信を持ったと判断すべきである。つまり中国は日本との外交に対して軍事的圧力を有効に使うようになる。これは最近では見られなくなった19性木の砲艦外交の再生である。中国は軍国主義国家の本質をむきだしにした。

 現在中国は東シナ海での四箇所のガス田採掘に際して、日本が主張する日中中間線ぎりぎりで採掘しているが、まだ中間線を越えてはいない。現在までは事実上日本の主張を是認している。日本の主張が国際法上の正統的なものだからでもある。ここで日本が採掘を行えば、国際法上、日本の主張が国際的に認められることになる。ところが今回日本が試掘を中止したことにより、中国側が自信を深めて中間線の日本側での採掘を始めることも考えられる。

 当然その時は今回より更に強い軍事力を背景にしてくる。そして日本側の主張する中間線は破られる。すると中間線は中国側の主張するものが国際的に認められることになる。これは何を意味するか。ただに資源の取り合いではない。領海に準じたものが侵されるのである。日本が中国から侵略される危険を福田内閣は招いている。

 日本人は中国の軍国主義的体質を悟るべきである。日中友好の美名に惑わされて中国に迎合すべきではない。一体中国を支持する日本人は中国人のことをいい人たちだと本当に信じているのだろうか。到底信じられない感覚である。日本がかつて中国を侵略したというなかれ。それではかつて強盗被害にあったという人たちが、今度は強盗を始めても仕方ないと言うのだろうか。