毎日のできごとの反省

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歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

中国にオリンピックを開催する資格はない

2008-04-26 13:26:18 | 支那大陸論

 オリンピック憲章を読んでいただきたい。オリンピックに参加するには、人権を守ることが規定されている。ところが中国の人権状況は世界でも最悪に属する。毛沢東による何千万もの国民の大量虐殺、最近でも天安門事件で、国民が軍隊や警察に殺害されたが、政府当局は死者ゼロなどととぼけたことを言っているので、犠牲者の数すら分からない。

 オリンピックが行われるとか、三峡ダムを作るとかの公共事業が行われると、政府は一方的に国民の土地を奪う。そもそも中国の土地は全て共産党のものなのである。中国の人権状況は最悪とされる北朝鮮と大差ない。だからオリンピック憲章によれば、中国にはオリンピックに参加する資格すらない。

 今日行われている聖火リレーについては、チベット支援者は平和的に抗議するのはいいが、暴力的な抗議活動はいけないと諭す人がいる。確かに法的にはそうであろう。こう考えていただきたい。ある家族で父親が年中暴力を振るう。ところが警察にいっても取り合ってくれないし、警察に言ったことがばれると、父親は家族を家に閉じ込めてしまう。

 そこで家族の一人が父親のいない隙に、窓を破って逃げ出して警察に行くがやはりとりあってはくれない。そこで外出中の父親に後ろから棒でおそいかかって怪我をさせる。こういう状況でもあなたは、家族は父親に怪我をさせるのは悪いと断定できるであろうか。殴られた父親に一方的に同情するであろうか。チベット支援者の暴力的抗議だけを批判するのはそれと同じことである。

 今の中国とチベットの状況はこういう関係にある。チベット人は漢民族ではなく、長年独立していた。かつての清朝においては満州族が支配し、漢民族はチベット人とともに被支配民族であった。もし清朝がチベットを支配していたから、チベットは中国の一部であるというのなら、逆に中国はチベットの一部であるとも言える。この論理は、インドが大英帝国の一部であったから、英国は歴史的にインドの一部であるというのと同じく荒唐無稽であることがわかるだろう。

 毛沢東は中国と同じく、せっかく清朝から独立したチベットを、朝鮮戦争で世界の目が朝鮮半島に向けられているどさくさに、チベットに軍隊を進め侵略してしまった。そして反抗するチベット人を何百万人も殺害した。そしてチベット仏教を禁じ、チベット語の代わりに中国語を教え、警察による拷問により恐怖の支配をした。そして計画的に漢民族を送り込み土地を奪い、今ではチベットですらチベット人は少数派になってしまった。

 中国のこれらの行為は「チベット入門」という本に詳しい。女性には文字にするのもはばかられる拷問を行った。これらの行為は実はチベットにだけ行われているのではなく、ウィグルなどの他民族に対しても、同じ残虐行為が現在でも行われている。もちろんこれは中国の法律にさえ違反している。中国では法が行われていないのである。中国では支配者の都合により権力が執行されているのに過ぎない。

 このような状況では先のチベットの暴動のように、国内では簡単に警察や軍隊が鎮圧されて抗議活動はできない。この事件では数百人が「自首」したと中国政府は発表した。どこに自首するやつがいるものか。彼らは恐ろしい拷問にあい、多数は二度と家に帰る事はないであろう。彼らは強制収用所に送られるか、拷問により虐殺されたのである。

 このように徹底的に違法な暴力で弾圧する非道な中国政府に対して、国外においての抗議活動、特に中国による海外イベントに対して、暴力的な抗議活動が行われたところで、その国の法律が執行されるのは当然である、とは言えても暴力行為は心情的には同情せざるを得ない。暴力的な抗議はいけないと諭す人に言う。

 それならば、あなたは中国による人権無視などというものではない、中国政府の非人道的な支配を止めさせて下さい。そうでなければあまりにバランスを欠いているのではありませんか。それが出来なければ、せめてフリーチベットの暴力的抗議活動に対する批判の何倍もの声で中国国内の非道を批判して下さい。

 チベット人の抗議は勝手に起きたのではなく、国内で中国政府の非道を抗議できないので、海外で行なっているのですから。全ての原因は中国政府にあるのですから。中国政府は聖火リレーとオリンピックを中国の威信を高め、異民族支配を正当化しようとしているのである。くしくも聖火リレーなるものはナチスドイツのベルリンオリンピックで国家の威信を高めるために始められた。

 ナチのユダヤ民族浄化を批判するならチベットやウィグルにおける民族浄化をも批判していただきたい。いや過ぎたことを批判するより、現在起きている不条理を批判するほうがもっと重要である。アメリカ人はしっかりしている。ワシントンのホロコースト記念博物館で、当時のベルリンオリンピック開催を批判するポスターなどを展示した特別展「ナチスの五輪」が行われている。このとき使われた聖火リレーのトーチも展示されている。

 この展示は何と昨日から始まったという。もちろん関係者は北京オリンピックとは関係ないと言っているそうだが、聖火リレーに対するトラブルが続出してから開催を決定したことは疑いない。何度でも言う。中国にはオリンピックを開催する資格はない。


古館とは何者か

2008-04-08 22:43:53 | ジャーナリズム

 四月八日のニュースステーションである。パリで聖火リレーが妨害されたことを報道した。これに対する古館キャスターのコメントである。聖火リレーに対する抗議やデモを、オリンピックの政治利用です。空疎な思いしませんか、と断じた。抗議行動は政治利用であり、すべきではないというのである。

 しかも空疎な行為、つまり、つまらない行為だというのである。確かに建前から言えば暴力的な抗議行動はすべきではないのであろう。しかしこの抗議行動が燃え上がったのは、最近中国政府がチベット民族に弾圧を加えた結果、起きた暴動に対しての抗議行動である。

 しかも中国はチベット1949年の侵略以来、何百万のチベット民族を殺害、拷問などあらゆる手段を使って弾圧し、チベット文化を抹殺し続けている。チベットにおける文化破壊やおぞましい残虐行為は多く知られている。ナチの行為に匹敵するどころではない。

 もし聖火リレーの妨害を非難するなら、同時にその何万倍の口調で中国政府の侵略や残虐行為を糾弾しなければなるまい。これではやくざに襲われ殺されそうな市民が、わずかに一、二発のか弱きパンチを返した光景を見て、やくざの行為の目をつぶり、市民の反撃を暴力的だからやめよと批判するごときものである。古館の精神構造はどうなっているのだろうか。