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中国の悪しき西洋化

2019-08-14 23:14:59 | 支那大陸論

中国の悪しき西洋化

 以前、中国は皇帝制度を廃止してから変質した、という小生の意見に対して、毛沢東は世襲には失敗したが、結果的に集団指導体制の中から「皇帝」を選ぶシステムに移行して、かえって実質的な皇帝制度の安定的存続には成功したのではないか、という意見をいただいた。これは「皇帝選抜」制度の改良になっている、という点において大いに貴重な意見であると考える。

 ここでは、その点はさておく。ここでは、現代世界が実質的に西欧的な価値観が基本である、という観点からすると、いかに中国が抗おうとも結局は、西欧的価値観に取り込まれて、その中であがいているのに過ぎないのではないか、という直観的発想をした。一番分かりやすいのが科学技術である。現代世界の科学技術の基本は、全て西欧発のものである。

 かつては支那大陸もイスラム世界も独自の科学技術を持ち、西欧に比肩するどころか西欧を凌いでいたのである。ところが、ニュートン力学をはじめとする西欧の科学技術が急速に台頭すると、数式などによる表現力と、構造計算などの普遍性により、急速に世界を制覇していった。なかでも、それまでの風力や水力といった、自然の力を使っていたものから、蒸気機関や内燃機関などの人為的動力の発明は大きい。また構造物の設計にも、それまでの経験だけに頼っていた手法から、数値による強度計算が可能となったことも画期的である。

 もちろん西欧科学技術も、インドやアラビア世界の発展的継承であることは言うまでもない。しかし、その発展が、画期的一線を越えていったのである。

 もし、西欧の体系的理論化がなければ、コンピュータ、自動車や飛行機などといったものは、人類は永遠に発明しなかっただろう、とさえ思わせる次第である。例えばライト兄弟より早く「飛行器」を着想したといわれる二宮忠八も、搭載する動力を得られず頓挫した。結局、日本も中国も、その他の地域も西欧発の文明に席巻されていった。しかし小生には、中国だけは、日本を含むその他の非西欧地域とは、対処の仕方が違うように思われる。

 日本は皇室を権威とし、政治権力とは分離する、西欧で言えば立憲君主制に相当する国家を変質させはしなかった。イスラム諸国もイスラム教を国法とする体制に固執して揺れながらも、西欧と抗っている。確かに中国も欧米と抗っている。しかし、その抗い方は西欧の物まねでしかないように思われるのだ。政治体制は恐怖と弾圧と殺戮というソ連の共産主義の物まねでしかない。チベット、ウイグル、内モンゴルでは、民族浄化と言う、米国がネイティブアメリカン(いわゆるインディアン)に行ったのと同様な政策を実行しつつある。アフリカなどの発展途上国に対しては、一帯一路なる「新植民地主義」政策による強奪外交を展開している。

 科学技術は西欧のコピーどころか、西欧の資本を利用したコピー以下のものでしかない。多くの人たちは誤解しているが、見よう見まねでコピーできるのは、技術水準がほぼ追いついている場合である。その意味では現代中国のコピーとは、外国資本による製造設備に、外国資本の指導で中共国民が働らかされて物を作っているのに過ぎない。技術の本質的獲得はないのである。「中国製造2025」とは、このような状態から脱して、自前の西洋流製造技術獲得を目指しているのに過ぎない。

だから外国企業がいなくなれば「中国製造」さえ不可能となる浮薄なものでしかない。だから「中国製造2025」と騒ぐのである。外国資本がいなくなって、製造設備が老朽化し、部品の補給がなければ製造は止まり、それに代わる改良された製造設備に自ら更新することはできない。製造工程すら、日本や欧米諸国の指導を仰がなければ継続生産できなくなる。つまり現代中国とは、欧米の政治、経済、科学技術のあらゆるものが、悪しき欧米の物まねである。

現在、その悪質さに気づいた米国をはじめとする諸国により、敵対的対応をされつつある。中国が敵視される悪質さは、西欧的手法の悪しき安い物まねでしかないからである。その根源は常に周辺民族から支配されて変転極まりない王朝を連綿として仰いできた「漢民族」の唯物的価値観にあり、本質的に伝統と継続性、さらには発展性と言うものを持たない政治体制をいただいてきたことにあるのではなかろうか、と考える次第である。見よう見まねでも、外国技術を獲得することができる日本とは本質が異なる。

ちなみに中国独特なものは、青幇(ちんぱん)のような「幇」というマフィア組織のようなものの社会的支配力である。中国共産党も幇の一種である。つまり中共はやくざが仕切っていると考えると理解できる。過去を見ても、項羽と劉邦などは幇の親分そのものである。

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