褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 さすらい(1957) せっかくモテモテなのに

2012年09月08日 | 映画(さ行)
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 最近のイタリア映画は本当に大したことが無いと言うより、ほとんど観る機会さえ無い状態だが、1940年代後半から1960年代前半にかけてのイタリア映画の凄さは奇跡的。今回紹介する映画さすらいもそんなイタリア映画の黄金期を代表する作品だ。
 現代社会に生きる多くの人がすっかり目標を見失い、行き当たりばったりな生活をしているが、そんな人が観ると猛省を促される映画。ちなみに俺もこの映画を観て大いに自分の生き方を反省した一人だ。

 さてストーリーは、長年愛人関係にあった女性に振られてしまい、ヤケッパチになって故郷を飛び出るが、行く先々で様々な女性にモテるとても羨ましい子連れの男性が主人公だ。しかし、実のところモテキ続行中でありながら、主人公の薄汚い格好、やるせない虚無感、荒涼たる風景などを見せられているうちに、羨ましい気持ちが次第に吹っ飛んでしまう。そもそもこの主人公に対して少しでも羨ましい気持ちを持って観ていたのだろうか?
 自らを愛してくれる女性が次々出てくるのに、自分が本当に愛しているのは誰かに気付いた主人公が孤独を感じ、精神を破壊された末の決断に観ている我々は心を大きく揺さぶられる壮絶なラストシーンに対する感じ方は十人十色。最悪だ、不条理だ、悲しい、どうしてこうなるの?など色々な感じ方があるが、個人的には『人生ってこんなものだよな』と妙に達観しながら観ていた、そんな境地に達した俺はもしかしたら何かを悟ったのだろうか

 反省させらえたり、絶望的な気分になったり、何かを悟ることができたり、観る人によって様々な感じ方を受け容れることができるさすらいを紹介します

さすらい [DVD]
ミケランジェロ・アントニオーニ,エンニオ・デ・コンチーニ
アイ・ヴィ・シー


 北イタリアの寒村にアルド(スティーヴ・コクラン)は住んでいて、製糖工場で働く労働者。彼には7年間を愛人関係を続けていたイルマ(アリダ・ヴァリ)がいて、彼女の間には娘がいた。
 ある日、イルマ(ヴァリ)の本当の旦那が戦地で死亡したとの報告が入る。アルド(コクラン)はこれでやっとイルマ(ヴァリ)と結婚できると大喜び。しかし、意外にもイルマ(ヴァリ)の返答は実は自分には若い男がいるからアルド(コクラン)とは一緒になることができないという非常な宣告。

 なんとかアルド(コクラン)はイルマ(ヴァリ)に説得を試みるが、彼女の決心は翻ることが無いと知った彼は娘を連れて、何の目的も無い旅にでる。かつての恋人エルヴィア(ベッツィ・ブレア)、ガソリン屋を営む女性ヴィルジニア(ドリアン・グレイ)、娼婦で体調を壊しているアンドレイーナ(リン・ショウ)など女性と知り合いになるが、彼の心には故郷にいるイルマ(ヴァリ)のことが常にあり、やがて自分の女はイルマ(ヴァリ)しか居ないんだということにやっと気付き、故郷に戻って来るのだが・・・悲しみを断つには死ぬことしかないのか、ぜひ映画を観てください



 ちなみに監督は愛の不毛を描きつづけたイタリア映画界の巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ。実は自分でも愛の不毛て何?って感じですが、男女の理屈では考えられない愛を描いた作品は定評があります。この監督の映画はそれほど面白くないのが欠点ですが、非常にコアなファンが多い監督。本作品のさすらいが最もお勧めですが、豪華キャストで比較的最近(っと言っても15年以上前の作品ですが)の作品で愛のめぐりあいはお勧めです。

 イルマを演じるアリダ・ヴァリが出てくる女性の中では最も有名。キャロル・リード監督の今も語り継がれる名作第三の男、女の情念は恐ろしいことを思い知ることが出来るルキノ・ヴィスコンティ監督の夏の嵐、戦争の悲劇を描いたかくも長き不在など後世に残る名作に出演している名女優です。

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