褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 見知らぬ乗客(1951) 交換殺人がテーマです

2019年06月20日 | 映画(ま行)
 もしも全く知らない人から『お前の嫌いな人を殺してやるから、俺の嫌いな人を殺してくれよ。』なんてお願いされたら、あなたならどうする?。そんなバカバカし過ぎる願い事をを引き受ける奴なんかは、余程の変わり者ぐらいしかいないだろう。そもそもそんなことを頼む奴がこの世の中に居るのか?
 時々、アホな夫婦が友人の夫婦とパートナー交換をしたがっているような噂を聞いたりするが、今回紹介する映画見知らぬ乗客は、まさかの交換殺人を題材にした内容。あり得ないような素っ頓狂な設定かと思いきや、実際に観ると非常にリアルで怖い映画。サスペンス映画の神様と称されるアルフレッド・ヒッチコック監督の力量と原作者であるミステリー女史パトリシア・ハイスミスがタッグを組んだ作品として非常に楽しい映画だ。

 所々でいいかげんな描写も目立つが、実験精神旺盛なヒッチコックらしさを感じさせるストーリーの紹介を。
 テニス選手であるガイ(ファーリー・グレンジャー)は男遊びを繰り返している妻ミリアム(ケイシー・ロジャース)と離婚したがっていた。離婚した後はモートン上院議員(レオ・G・キャロル)の娘アン(ルース・ローマン)と再婚しようと考えていた。
 ある日の事、ガイが列車に乗ってくつろいでいるとブルーノ(ロバート・ウォーカー)いう名前の金持ち風の男から話しかけられる。全く見知らぬ男であるブルーノから話しかけられて困惑しているところへ、更にとんでもない相談をされる。ブルーノは予めガイの今の状況を知っており『俺はアンタの女房を殺してやるから、俺の大嫌いな父親を殺してくれよ』と交換殺人の提案をしてきたのだ。
 ガイはブルーノの話は冗談だろうと思って途中の駅でサッサと降りて彼とはこれっきりだろうと思っていたのだが、ブルーノは本当に妻ミリアムを殺害してしまう・・・

 交換殺人と言っても、両方が殺人を犯さないと成立しないだろうと思いきや、片一方が殺人を遂行するだけで完全犯罪が成立しそうになってしまうアイデアが面白い。ガイが行く所にブルーノが現れては『早く俺の父親を殺してくれよ』としつこく追い回し、ドンドン行動がエスカレートしていく様子を見ていると本当に怖い。しかも、ガイの場合はうっかり列車にライターを置き忘れてしまったから、それを利用されて妻殺しの犯人にされそうになってしまう。ストーカーや自己満足のために議員になりたがる奴は悪知恵が働くから本当に困る。
 しかし、本作はストーリーのアイデアも楽しいが、ヒッチコックの演出も大きな見どころだろう。最初は2人の顔は見せずに靴だけを写し出したり、モノクロの映像を活かした洞窟の中のシーンだったり、殺害場面での眼鏡の使い方だったり、テニス場での観客の中にブルーノを目立たせる演出だったり、ライターの使い方だったり・・・色々と魅せる。遊園地での回転木馬の対決シーンも今観てもちょっと斬新な感じがして楽しめる。
 なぜヒッチコックがサスペンス映画の神様と称されるのか知りたい人、ヒッチコック監督作品を『鳥』『サイコ』しか観たことが無い人、昔のモノクロ及び手作り感が漂うスリラー映画を観たい人等に今回は見知らぬ乗客をお勧め映画として挙げておこう。そして、知らない人から話しかけられたら相手にしないようにとアドバイスをしておこう

見知らぬ乗客 特別版 [DVD]
アルフレッド・ヒッチコック,パトリシア・ハイスミス,ディミトリ・ティオムキン
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督は前述したようにアルフレッド・ヒッチコック。何の関係も無いのに突然事件に巻き込まれる一般市民を描く映画が多い。北北西に進路を取れハリーの災難知りすぎていた男等、お勧め映画多数です。




 
 
 

 




 
 
 
 


 
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする