褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 大列車作戦(1965) 文化遺産は大切です

2013年11月28日 | 映画(た行)
 先日ドイツのミュンヘン市内のアパートでナチスドイツが略奪した1500点以上の絵画が見つかったというニュースが流れた。その絵画の中にはピカソやシャガールなど巨匠の作品も多く含まれているようで、その価値は総額10億ドル(990億円)にもなるらしい。俺のような自称絵画コレクターにとっては、なんとも吃驚仰天なニュースであると同時に、ふと思い出したのが今回紹介する映画大列車作戦
 本作を観れば、その国が生み出す文化、伝統、精神性は大いなる誇りであることが理解できるし、時には誇りを守るためには自らの命を捨て去る覚悟が必要だということを教えてくれる非常にありがたい映画だ。ちなみに本作ではジャンヌ・モローが演じる女性が『男って馬鹿よ、戦争をするなんて!』と言う台詞があるが、別に男だって多少の例外者を除いて好きで戦争をする奴なんていない。しかし、男には自分の命よりも守らなければならない大切な物があるのだ。

 さて、まるで気の狂っているナチスドイツのエライさんのおかげで、チョッと見たところ割に合わないぐらいフランス人が多数殺されているようにも思えるが、第二次世界大戦終戦間近のパリを舞台にナチスドイツVSフランスの鉄道関係者の熱い戦いを描いたストーリーとはいかなるものか。
 ナチスドイツ占領下のフランス、パリにおいて。敗色濃厚であるナチスドイツのフォン・ワルドハイム大佐(ポール・スコフィールド)は、連合軍がパリにやって来る前に撤退しようとするが、同時に美術館の大量の絵画(ルノアール、モネ、ドガ、マネ等等・・・)を略奪して、列車に積み込んでドイツへ持ち去ろうとしていた。
 美術館の女館主はフォン・ワルドハイム大佐(ポール・スコフィールド)の絵画強奪を阻止するために、フランス国営鉄道会社の操車係のラビッシュ(バート・ランカスター)に絵画を積み込んだ列車の発進をパリ解放の時まで遅れさせることを申し出てくる。
 しかし、フォン・ワルドハイム大佐(ポール・スコフィールド)の残忍さを知るラビッシュ(バート・ランカスター)は、最初こそ彼女の要求を断るつもりでいたのだが、否応なくラビッシュ(バート・ランカスター)と彼の仲間たちは対ナチスドイツのレジスタンス活動に巻き込まれていくのだが・・・

 簡単に言えば、ナチスドイツが鉄道を使って名画をドイツへ持ち逃げしようとするのを、フランスの鉄道員関係者達が体を張って阻止しようとする話。阻止しようとする方法がサスペンスフルで抜群に面白い。本作を観た人の中には、わざわざ命を懸けてまで名画を持ち出されることを阻止しようとしなくても良いじゃん、と思った人もいるかもしれない。
 しかしながら現実問題として、お隣の国の中国がチベットから略奪した財宝を、まるで我が国の財宝だとばかりに見せびらかすような態度を見ていると文化、伝統、誇りを踏みにじられることが、いかに惨めなことであるかを痛感する。戦後60年で失われた俺たち日本の崇高な精神を取り戻せ

 ちなみに本作は実話を基にした作品。学校で習う歴史の勉強は表面上のことしか教えてもらえない。しかし、時々映画を観ていると歴史の裏では、こんな事実があったのか!なんて驚く事がしばしばある。映画大列車作戦は、多くの人が知らない当時のフランス国営鉄道関係者の勇気ある行動に心から賞賛したくなるし、サスペンス映画としても一級品の面白さ。単なる映画好きだけでなく美術に興味のある人にもお勧めだ

大列車作戦 [DVD]
バート・ランカスター,ポール・スコフィールド,ジャンヌ・モロー,シュザンヌ・フロン,ミシェル・シモン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は骨太のサスペンス映画を撮ることで有名なジョン・フランケンハイマー。フランク・シナトラ主演の政治タッチのサスペンス影なき狙撃者、圧倒的迫力で迫るブラック・サンデー、ロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノ共演のRONINがお勧め。

 主演は1950年代~60年代にかけてのハリウッドの大スターバート・ランカスター。多くの名作に出演しているだけあってお勧め作品多数。フレッド・ジンネマン監督の傑作反戦映画地上より永遠に、ゲイリー・クーパー共演の西部劇ヴェラクルス、カーク・ダグラス共演のOK牧場の決斗、反骨精神を謳いあげるアメリカン・ニューシネマの傑作泳ぐひと、ルキノ・ヴィスコンティ監督、アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレ共演の山猫、人間の光と闇の部分を宗教色豊かに描き出したエルマー・ガントリー/魅せられた男等がお勧め。

 残虐なナチスの将校役でポール・スコフィールド。この人のお勧め作品はフレッド・ジンネマン監督で、自らは信念の人トマス・モアを演じたわが命つきるともが良いです。

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