褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 夏の夜は三たび微笑む(1955) ベルイマン監督のラブコメです

2020年07月19日 | 映画(な行)
 スウェーデンが生んだ20世紀を代表する映画監督であるイングマール・ベルイマン。映画史に残る傑作を多く遺した名匠だが、その作品群において人間の奥深くに潜む、葛藤、苦悩、絶望をえぐり出した。そんな彼の作品の中でも今回紹介する夏の夜は三たび微笑むは異色中の異色であるラブコメ。しかも、本作はベルイマンの名を世界に知らしめた記念碑的な作品だ。

 映画界に名を遺すほどの大監督はやっぱりどんな分野においても素晴らしい作品をいとも簡単につくってしまうことを証明するかのようなストーリーの紹介を。
 かつてはプレイボーイだった弁護士のフレデリック(グンナール・ビョルンストランド)は今では成人した息子ヘンリク(ビヨルン・ビェルヴヴェンスタム)の良き父親であり、まだ16歳の若妻のアン(ウラ・ヤコブソン)の良き夫でもある。ところが、ある夏の日の事、舞台女優であるテジレ(エヴァ・ダールベック)の公演があることを知ったフレデリックがアンも一緒に彼女の舞台を観に行く。実はテジレはフレデリックの昔の彼女だった。
 ある日のこと、フレデリックはテジレの母親の別荘へ招かれ、若妻のアン、息子ヘンリク、女中を伴って行くと、そこにはテジレの他に彼女の愛人アマルコム伯爵などもおり、ここから男女の恋の駆け引きの幕が切って落とされるのだが・・・

 フレデリックはかつての愛人テジレに心を動かされたりするも若妻を愛しているし、息子のヘンリクは女中と気があいながら、義理の母親とは年齢が近いこともあり恋心を抱いているし、テジレにしても現在の愛人がアマルコム伯爵だったり、アマルコム伯爵にも妻が居り・・・、なんて具合で登場人物の間で色々と恋愛関係が複雑に絡み合っている。けっこうドロドロの展開なのだが、ちょいちょい笑わしてくれるし、キャラクターも少しばかり共感できる人たちばかりなので楽しんで見れる。もしも、この登場人物の中に、誰もが憧れていたアイドル女優と結婚していながら、多目的トイレの利用方法を間違っているお笑い芸人みたいな奴が居てたら嫌悪感のあるストーリーになっていたかもしれない。キャストのキャラクター設定って本当に大事だなと考えさせられた。
 ベッドや拳銃など道具の使い方はビリー・ワイルダー監督のようなテクニックを感じさせてくれるし、ほど良い下ネタも気持ち良い。そして、くだらないプライドを持っている男、それを利用しようとする女性の策略及び嫉妬心なんかは現在の男女にも通じるところがあったりして納得できる部分も見受けられるのが良い。そして、ベルイマン監督にしては爽やかな気持ちにさせれくれる結末も良い。
 北欧を舞台にしたコメディが観たい人、イングマール・ベルイマン監督の他の作品は観ているが本作は観ていない人、この監督の名前を聞いて心が躍る人・・・等に今回は夏の夜は三たび微笑むをお勧めに挙げておこう。

 監督は前述したように映画史に残る巨匠であるイングマール・ベルイマン。お勧めは死神に取り付かれた男を描く第七の封印、名誉ある老教授が過去を振り返る野いちご、娘を殺された父親の復讐通して神の存在を問いかける処女の泉、名女優イングリッド・バーグマン主演の母娘の不和を描いた秋のソナタ等です。



 









 
 
 
 




 
 
 
 
 

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