褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 虹を掴む男(1947) 妄想する気持ちがわかる?

2021年12月14日 | 映画(な行)
 アメリカの偉大なる俳優でありコメディアンだったダニー・ケイ。もう今どきの若人どころかお年寄りも知らない人が殆どだと思うが、ガチョーンのギャグで有名なコメディアンであった谷敬が、芸名の参考にしたほどの人物だ。なんて偉そうに書いたが谷敬が古過ぎるってか?
 数多くの映画に出演していたダニー・ケイの代表作であり主演映画が今回紹介する虹を掴む男。貴方達の周りにも居ると思うのだが、お人良過ぎてさんざんこき使われて利用されている人がいるだろう。本作のダニー・ケイ演じる主人公がまさにそれ。しかも大した取り柄のない男だが、彼には日常茶飯事に起きる特別な癖があった。

 妄想や夢の中では何をやらしても無双を発揮するが、現実の世界では何かと嫌な思いばかりさせられている男に巻き起こる騒動とは?それでは簡単にストーリーの紹介を。
 出版会社で校正の仕事をしているウォルター(ダニー・ケイ)は、母親、婚約者、婚約者の母親などから無理難題を言われ、会社の上司からも無理難題を言われるだけではなく、自分の小説のアイデアまでもパクられる始末。何かと現実の世界では嫌な思いばかりしているが、日常茶飯事的にぼんやりして空想の世界に浸ることがあった。その空想の中でのウォルターは暴風雨に立ち向かう船長であったり、天才外科医であったり、敵軍を次々に撃ち落とすパイロットの名手であったり・・・とにかく自分自身が英雄である妄想ばかりしている。
 ある日のこと、たまたま電車の中で隣合わせで座っている女性を見てびっくりする。その女性はいつも自分の妄想の世界の中に登場する美女ロザリン(ヴァージニア・メイヨ)だった。しかしながらロザリンとの出会いによって宝石がらみの事件に巻き込まれてしまい、謎の組織に付きまとわれるだけでなく、危うく殺されそうになったりするのだが・・・

 ダニー・ケイ演じる主人公が妄想に入ってしまうタイミングが抜群だし、ふと我に返って現実に引き戻される瞬間がけっこう笑える。俺も時々、大金持ちのハーレム状態の自分を妄想しては、まるで真逆の現実に引き戻されてショックを受けることが多々あるので、何となく他人事のように思えなかった。
 しかし、この男が巻き込まれる現実は想像以上に過酷。これが妄想や夢の世界の出来事ならば簡単に解決できるのだがと思うとなかなかのブラックジョークが炸裂だ。全体的な印象としては笑いあり、ミュージカルあり、ファンタジーありで楽しい映画。サスペンス色も出てくるが、それも笑いに利用されている感じがする。そして、実は他人に良いようにこき使われている主人公の成長物語なのだ。
 俺の知っている奴にも、超大物政治家とツーショットの写真を撮って自分自身を偉そうにアピールしている目立ちたがり屋がいるが、実際は鬱陶しいと思われているのに気づいていない、非常にはた迷惑な妄想家。俺も絵空事のようなことばかり考えてないで、しっかり地に足を付けた生活をしよう、なんてことを考えさせられた。
 なかなか楽しい映画であり、ダニー・ケイの芸達者振りが見れる映画として今回は映画虹を掴む男をお勧めとして挙げると同時に、本作のリメイクである2013年の映画であるベン・スティラーが監督と主演をこなしたLIFE!/ライフも見ることをお勧めしておこう

 監督はノーマン・Z・マクロード。実はこの人のことを全く知らないので、ダニー・ケイの他のお勧め映画として5つの銅貨を挙げておこう。

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