巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督の初期の作品は政治的なテーマが含まれている作品が多いが、今回紹介する映画暗殺のオペラもその類にもれない。彼の映画を観ればファシズムという政治的な言葉の意味が少しだけわかるし、イタリアの近代史をちょっとだけ学んだ気分になれる。ちなみに本作はイタリアのサスペンス映画だが、ベルトルッチ監督なだけに非常に良質な政治サスペンス映画になっている。
少しばかり難解に感じるが、驚きと喪失感をを感じさせるストーリーの紹介を。
中世の街並みがそのまま残っているイタリアのタラ駅に一人の青年が降りる。彼の名はアトス・マニャーニ(ジュリオ・ブロージ)。彼の父の名前も同性同名でこの町では反ファシズムの闘士として30年ぐらい前に命を落とし、しかし彼のファシズムと戦う姿勢は英雄とされており、彼の名前を使われた道通りがあり、そして彼の銅像まで作られていた。
彼がタラに来た目的は父の愛人だったドライファ(アリダ・ヴァリ)に呼ばれて、父を殺した犯人を捜して欲しいという依頼だった。タラの町にも昔の父についても興味がないアトスはさっさと電車に乗って帰ろうとするのだが、馬小屋に閉じ込められたり、見ず知らずの男からパンチを食らったり、不快な出来事が起こる。そのことを切っ掛けに父の死の真相を探り出そうと決心し、まだ生きている父の同胞の3人の男と出会ったり、さらに詳しい出来事をドライファから聞き出したり、ドライファの地主のファシズムにのめり込んでいた男と話している内に真相を知ってしまうのだが、それはあまりにものショッキングな出来事で・・・
30年前の父の死の真相を究明することなんか、さすがに無理難題だろうと思っていたら、けっこう拍子抜けな感じで真相がわかってしまう。なかなかミステリーとして面白く、けっこう惹かれたのだが何とも悲しい結末。これなら美味しそうなスイカを全部食ったら直ぐに帰れば良かったなんて思わさせられた。真実に興味を持ってしまいどうしても知りたいという欲望に捉われる気持ちはわかる。俺も飲み会でピンハネされていることに気付かなかったら、どれだけ幸せだったかと思う。ベルナルド・ベルトルッチ監督と名カメラマンであるヴィットリオ・ストラーロとの名コンビがこの作品から始まるのだが、その構図や自然の描写なんかは流石だと感じさせられるものがある。ベルナルド・ベルトルッチ監督の作品と聞いて心が躍る人、アリダ・ヴァリという女優の名前に惹かれた人、単純なサスペンス映画に見飽きた人に今回は暗殺のオペラをお勧めしておこう
監督は前述したベルナルド・ベルトルッチ。特に日本ではジョン・ローン主演のラストエンペラーが有名。個人的なお勧めはバート・ランカスター、ロバート・デ・ニーロ共演のイタリアの20世紀の近現代史を描いた1900年、ファシズムから共産党へ苦悩に侵されながらも思想の変更を余儀なくされるジャン=ルイ・トランティニャン主演の暗殺の森、北アフリカの砂漠で冷め切った夫婦が真実の愛を求め彷徨うシェルタリング・スカイ、殆どポルノ映画に近いですがエヴァ・グリーンが素敵なドリーマーズがお勧め
少しばかり難解に感じるが、驚きと喪失感をを感じさせるストーリーの紹介を。
中世の街並みがそのまま残っているイタリアのタラ駅に一人の青年が降りる。彼の名はアトス・マニャーニ(ジュリオ・ブロージ)。彼の父の名前も同性同名でこの町では反ファシズムの闘士として30年ぐらい前に命を落とし、しかし彼のファシズムと戦う姿勢は英雄とされており、彼の名前を使われた道通りがあり、そして彼の銅像まで作られていた。
彼がタラに来た目的は父の愛人だったドライファ(アリダ・ヴァリ)に呼ばれて、父を殺した犯人を捜して欲しいという依頼だった。タラの町にも昔の父についても興味がないアトスはさっさと電車に乗って帰ろうとするのだが、馬小屋に閉じ込められたり、見ず知らずの男からパンチを食らったり、不快な出来事が起こる。そのことを切っ掛けに父の死の真相を探り出そうと決心し、まだ生きている父の同胞の3人の男と出会ったり、さらに詳しい出来事をドライファから聞き出したり、ドライファの地主のファシズムにのめり込んでいた男と話している内に真相を知ってしまうのだが、それはあまりにものショッキングな出来事で・・・
30年前の父の死の真相を究明することなんか、さすがに無理難題だろうと思っていたら、けっこう拍子抜けな感じで真相がわかってしまう。なかなかミステリーとして面白く、けっこう惹かれたのだが何とも悲しい結末。これなら美味しそうなスイカを全部食ったら直ぐに帰れば良かったなんて思わさせられた。真実に興味を持ってしまいどうしても知りたいという欲望に捉われる気持ちはわかる。俺も飲み会でピンハネされていることに気付かなかったら、どれだけ幸せだったかと思う。ベルナルド・ベルトルッチ監督と名カメラマンであるヴィットリオ・ストラーロとの名コンビがこの作品から始まるのだが、その構図や自然の描写なんかは流石だと感じさせられるものがある。ベルナルド・ベルトルッチ監督の作品と聞いて心が躍る人、アリダ・ヴァリという女優の名前に惹かれた人、単純なサスペンス映画に見飽きた人に今回は暗殺のオペラをお勧めしておこう
監督は前述したベルナルド・ベルトルッチ。特に日本ではジョン・ローン主演のラストエンペラーが有名。個人的なお勧めはバート・ランカスター、ロバート・デ・ニーロ共演のイタリアの20世紀の近現代史を描いた1900年、ファシズムから共産党へ苦悩に侵されながらも思想の変更を余儀なくされるジャン=ルイ・トランティニャン主演の暗殺の森、北アフリカの砂漠で冷め切った夫婦が真実の愛を求め彷徨うシェルタリング・スカイ、殆どポルノ映画に近いですがエヴァ・グリーンが素敵なドリーマーズがお勧め
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