男同士のプライドを賭けた戦いを観ると熱いものがこみ上がってくるものがあるが、今回紹介するのは世界一仲が悪いように見える姉妹の争いを描いた映画何がジェーンに起こったか?。ベティ・デイヴィス演じる妹が遺恨、憎悪、嫉妬を剥き出しにして、ジョーン・クロフォードを演じる姉を虐げる。男性である俺は女性のイジメってこんなに陰湿なのかと思わず恐怖におののいた。
内容を紹介してしまう前に予備知識として姉妹を演じるジョーン・クロフォードとベティ・デイヴィスの2人の女優について少しばかり説明しておいた方が良いだろう。2人ともハリウッド黄金期の1930年代~40年代にかけての大スター女優。前者はグランド・ホテル、後者は黒蘭の女といった名作にも出演している。しかしながら美人女優というのは悲しいかな年齢を重ねると人気は減少、それにともない出演作品及び役柄のレベルも低下し、いつの間にか忘れられた存在になってしまう。この2人もまさにそのような時期に差し掛かかりつつある時に出演したのが本作。かつてはトップ女優としてライバル関係にあった2人が、すっかり美貌が朽ちてしまった50歳代半ばに達して共演することの意味を考えながら本作を観るとより一層楽しめるだろう。もっと身近な例を挙げると、綾瀬はるかと石原さとみが20年後に映画でダブル主演として共演していることを想像するとわかり易いか?。
サイコパスな人間が現実においても後を絶たないが、そのような話は映画の中だけにして欲しいと思えるストーリーの紹介を簡単に。
1917年において、子役のジェーンはその愛くるしいルックスと歌で”ベイビー・ジェーン””と呼ばれて人気者。父は今や一家の金づるになっているジェーンを甘やかし、一方で姉のブランチに対しては非常に冷たかった。ブランチは妹のジェーンの舞台を羨望の眼差しで見ている。
そして時は映画が流行しだした1935年に飛ぶ。この頃には2人の姉妹の関係は逆転。姉のブランチは大スターとして映画界で大活躍。ところが妹の方は大根役者であり、そして性格も我がままで映画会社から鬱陶しい目で見られていた。そしてある日の事、悲劇が起きる。ちまたの噂では泥酔していたジェーンが運転していた車でブランチを轢いてしまったらしい。ブランチは命は助かるが背骨を損傷してしまい車いす生活を余儀なくされる。
そして更に現在(1962年)に至り、2人は同居生活をしている。妹のジェーン(ベティ・デイヴィス)が車いすの姉のブランチ(ジョーン・クロフォード)を、あの時の負い目があり嫌々ながら世話をしている。しかしながら長年の鬱憤から徐々に精神を蝕んでしまっているジェーンの行動は次第にエスカレート。事あるごとに姉のブランチに当たり出し、窮地に追い込まれたブランチも何とかして脱出しようとするのだが・・・
とにかく妹のジェーンを演じるベティ・デイヴィスが凄い。50歳代半ばに達しているのだが、人気絶頂だった”ベイビー・シュガー”と呼ばれていた少女時代の栄光を未だに引きずっているのが何ともイタイ。そして八つ当たりの行き先が車椅子生活を余儀なくされている姉のブランチに向いてしまっているのだが、この虐待ぶりが凄い。とんでもない物を姉のブランチの食事に出したり、挙句の果てに暴行を加える。ブランチも色々と脱出を試みるのだがことごとく失敗。その度に恐ろしいお仕置きが待っている。本作を観るとスティーヴン・キング原作の映画ミザリーを思い出す人がいるだろう。
すっかり瀕死状態に追い込まれている姉のブランチを応援しながら観ていたら、俺の気持ちを嘲笑うごとくカウンターパンチが待っていた。改めて俺ってお人好し過ぎることに気付かされた。そして、一番に肝に銘じたのが、女性には優しくしなければいけない、ってこと。
サイコパスの人を主人公にしたサスペンスが好きな人、ハラハラドキドキする映画を観たい人、いつまでも過去の栄光にすがっている人、美女が出ていなくても女性が主人公の映画を観たい人に今回は意味深なタイトル名でもある何がジェーンに起こったか?をお勧めとして挙げておこう
監督はロバート・オルドリッチ。骨太さを感じ、本作のように対決色を前面に出した映画を撮るイメージがある。ゲイリー・クーパーとバート・ランカスターの大スター同士の対決を描いた西部劇ヴェラクルス、骨太な戦争映画攻撃、リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナインといったイケメンとは程遠い2人がプライドを賭けて激突する北国の帝王、バート・レイノルズ主演で囚人と看守達がアメフトで戦うロンゲスト・ヤード、ジェームズ・スチュアート主演で広大な砂漠からの脱出劇飛べ!フェニックス等、お勧め映画多数です。
内容を紹介してしまう前に予備知識として姉妹を演じるジョーン・クロフォードとベティ・デイヴィスの2人の女優について少しばかり説明しておいた方が良いだろう。2人ともハリウッド黄金期の1930年代~40年代にかけての大スター女優。前者はグランド・ホテル、後者は黒蘭の女といった名作にも出演している。しかしながら美人女優というのは悲しいかな年齢を重ねると人気は減少、それにともない出演作品及び役柄のレベルも低下し、いつの間にか忘れられた存在になってしまう。この2人もまさにそのような時期に差し掛かかりつつある時に出演したのが本作。かつてはトップ女優としてライバル関係にあった2人が、すっかり美貌が朽ちてしまった50歳代半ばに達して共演することの意味を考えながら本作を観るとより一層楽しめるだろう。もっと身近な例を挙げると、綾瀬はるかと石原さとみが20年後に映画でダブル主演として共演していることを想像するとわかり易いか?。
サイコパスな人間が現実においても後を絶たないが、そのような話は映画の中だけにして欲しいと思えるストーリーの紹介を簡単に。
1917年において、子役のジェーンはその愛くるしいルックスと歌で”ベイビー・ジェーン””と呼ばれて人気者。父は今や一家の金づるになっているジェーンを甘やかし、一方で姉のブランチに対しては非常に冷たかった。ブランチは妹のジェーンの舞台を羨望の眼差しで見ている。
そして時は映画が流行しだした1935年に飛ぶ。この頃には2人の姉妹の関係は逆転。姉のブランチは大スターとして映画界で大活躍。ところが妹の方は大根役者であり、そして性格も我がままで映画会社から鬱陶しい目で見られていた。そしてある日の事、悲劇が起きる。ちまたの噂では泥酔していたジェーンが運転していた車でブランチを轢いてしまったらしい。ブランチは命は助かるが背骨を損傷してしまい車いす生活を余儀なくされる。
そして更に現在(1962年)に至り、2人は同居生活をしている。妹のジェーン(ベティ・デイヴィス)が車いすの姉のブランチ(ジョーン・クロフォード)を、あの時の負い目があり嫌々ながら世話をしている。しかしながら長年の鬱憤から徐々に精神を蝕んでしまっているジェーンの行動は次第にエスカレート。事あるごとに姉のブランチに当たり出し、窮地に追い込まれたブランチも何とかして脱出しようとするのだが・・・
とにかく妹のジェーンを演じるベティ・デイヴィスが凄い。50歳代半ばに達しているのだが、人気絶頂だった”ベイビー・シュガー”と呼ばれていた少女時代の栄光を未だに引きずっているのが何ともイタイ。そして八つ当たりの行き先が車椅子生活を余儀なくされている姉のブランチに向いてしまっているのだが、この虐待ぶりが凄い。とんでもない物を姉のブランチの食事に出したり、挙句の果てに暴行を加える。ブランチも色々と脱出を試みるのだがことごとく失敗。その度に恐ろしいお仕置きが待っている。本作を観るとスティーヴン・キング原作の映画ミザリーを思い出す人がいるだろう。
すっかり瀕死状態に追い込まれている姉のブランチを応援しながら観ていたら、俺の気持ちを嘲笑うごとくカウンターパンチが待っていた。改めて俺ってお人好し過ぎることに気付かされた。そして、一番に肝に銘じたのが、女性には優しくしなければいけない、ってこと。
サイコパスの人を主人公にしたサスペンスが好きな人、ハラハラドキドキする映画を観たい人、いつまでも過去の栄光にすがっている人、美女が出ていなくても女性が主人公の映画を観たい人に今回は意味深なタイトル名でもある何がジェーンに起こったか?をお勧めとして挙げておこう
監督はロバート・オルドリッチ。骨太さを感じ、本作のように対決色を前面に出した映画を撮るイメージがある。ゲイリー・クーパーとバート・ランカスターの大スター同士の対決を描いた西部劇ヴェラクルス、骨太な戦争映画攻撃、リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナインといったイケメンとは程遠い2人がプライドを賭けて激突する北国の帝王、バート・レイノルズ主演で囚人と看守達がアメフトで戦うロンゲスト・ヤード、ジェームズ・スチュアート主演で広大な砂漠からの脱出劇飛べ!フェニックス等、お勧め映画多数です。
まさかこんな真実が最後に明かされるとは...
最後の「私たち、無駄に恨み合ってたんだね」という言葉がジーンときます。