褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ナインハーフ(1986) エロスを感じさせる映画です 

2014年03月14日 | 映画(な行)
 ”人は時としてエロスに溺れて、本当の愛に目覚める”誰が詠んだのか思い出せないばかりか、本当にこんな名句があったのかどうかすら非常に怪しい。よくレストランで大して会話が盛り上がっていないように見える恋人同士らしき男女が見受けられる事があるが、会話が続かなくて困っている恋人同士、あるいはこれから恋愛関係に発展させたいと願っている男女にお勧めしたいのが今回紹介する映画ナインハーフ。男女が2人っきりになったときに、非常に健全な遊び方を学べる映画だ。
 ちなみに今回の記事はR-18指定。ここから先は18歳以下は読むことは絶対に禁止。まあ、読んだからといって罰則など何もないが

 俺がこの映画を初めて観たのが高校生の時。実はこの時の俺はミッキー・ローク演じるいつもニヤニヤしている男が、ナンパした金髪の女性を自宅に呼び込んで、やっている行為の意味が全くわからなかった。女性に目を瞑らせ、舌を出させてゼリーやイチゴを舐めさせたり、牛乳を女性の開いた口にかけたり、シロップらしき物をベタベタにかけてから・・・したり。その頃の俺はそんなシーンを観て『早くやれよ、めんどくせ~な』と思っていたのだが、常に品行方正にして聖人君子と呼ばれる立派な社会人になった今の俺には、非常にワクワクするシーンだ。
 何だか他にも女性に目隠しをさせて、オッパイの上からおへそのさらに下の方へ氷を這わせていったり、ストリップをさせたり、犬のように床にはいつくばらさせたり、軽~く鞭打ちしたり等等のちょっとヘンタイチックなプレイの数々。しかし、今書いていて、やっと気付いたのだが俺はナンチュ~映画を紹介しているんだ。これは明日からはもうアクセス数ダウン必至だな。

 本作はちょっとアダルティな映画だが、決して男性だけをターゲットにしたアダルト映画ではなく、むしろ女性向きの映画かもしれない。ところどころで流れるポップな音楽はとても素敵だし、男女が濃厚に絡み合うシーンにしても光の使い方が上手く、スタイリッシュな映像はとても美しい。そして80年代の映画だがミッキー・ロークが着ている衣装は格好良いし、キム・ベイジンガー演じる女性にしてもモノトーンな配色を基調にした衣装はオッシャレ~
 そして本作を観た人は男女問わずに、ある事に気付くはずだ。エロスってこんなにも美しかったのか、と言うことに。俺なんかはエロスって男目線だけの物だと思っていたし、エロスとは何か?を探し続けていた俺は思わず叫んだ『エロスって、コレだよコレ~』。

 それにしても本作のミッキー・ロークは格好良いし、女性に対する台詞やプレゼントを観ていると、なるほどこういう男がモテるのかとよくわかる。
 例えば高級な時計を女性にプレゼントしてから言う台詞『12時になったらいつもその時計を観て、僕たちのセックスを思い出せ』、こんな言葉を俺は言えるのか、絶対に言えない。他に『君は何もするな、僕が食事を作り、朝になれば僕が君に服を着せて、夜になればその服を脱がす』。料理ができる男はモテる事に気付くのが遅すぎたのがとっても後悔している。
 他にキム・ベイジンガー演じる女性が欲しがっていた高級スカーフを、何時の間にか買っていて、そのスカーフを彼女の後ろから着せてやり、抱きしめるシーンはロマンチック過ぎる。そしてさらにプレゼント攻撃で箱の中身を見たら白色のガーターベルト。モテる男はプレゼントの贈り方、そして品選びからして違う。

 それではエロスを感じさせ、真実の愛とは何かを語るストーリーとは如何なるものか、とストーリー紹介をしようと思ったが、そんな物は今回はどうでも良いような気になった。しかし、今回観て自分でも驚いたのだが、こんなに泣ける映画だったっけ、この映画。『戻ってくれ~、50数える、ワン、ツー、スリー』

 今日だけは大人になりたい気分の人にはお勧めだし、またこの時期なら大学合格のお祝いのプレゼントに本作のような映画のDVDを贈るのも非常に風流に感じるのだが・・・とにかく綺麗なエロスを堪能できるナインハーフはお勧めだ

ナイン・ハーフ [DVD]
ミッキー・ローク,キム・ベイシンガー,マーガレット・ヴィットン,デヴィット・マーギュリーズ
日本ヘラルド映画(PCH)


ナインハーフ[Blu-ray]
ミッキー・ローク(声:安原義人),キム・ベイシンガー(声:小山茉美)
キングレコード


 監督はスタイリッシュな映像が印象的なエイドリアン・ライン。躍動感溢れるダンス映画フラッシュダンス、マイケル・ダグラス、グレン・クロース共演のちょっとした遊びのつもりの浮気が、とんでもない目に遭うサスペンス映画危険な情事、リチャード・ギア、ダイアン・レイン共演の官能サスペンス運命の女がお勧め。

 主演のエロ男を演じるのがミッキー・ローク。若い時は見た目だけでなく、しゃべり方も格好良い。若い頃のお勧め作品はアラン・パーカー監督、ロバート・デ・ニーロ共演のサスペンス映画の傑作エンゼル・ハート、チャイニーズマフィアを徹底的に叩き潰そうとする熱血刑事を演じるマイケル・チミノ監督、ジョーン・ローン共演のイヤー・オブ・ザ・ドラゴン、比較的最近の作品ではダーレン・アロノフスキー監督、マリサ・トメイ共演のレスラー、ジェイソン・ステイサム共演のロシアン・ルーレットがお勧めです。

 金髪でエロいという俺の好みのピッタリの女優キム・ベイジンガー。ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース共演のL.A.コンフィデンシャル、携帯電話が重要な役割を果たす正統派サスペンス映画セルラー、シャリーズ・セロン共演の新旧セクシー女優対決が見られるあの日、欲望の大地でがお勧めです。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします


 



 
 

 
 

 

 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ネバーランド(2004) ピーター・パンの誕生秘話

2013年11月16日 | 映画(な行)
 日本のみならず世界的にも有名かつ大人気のピーター・パン。何故かわからないが、俺にはピーターパンと言えば、ワイヤーで吊るされて飛んでいるイメージしか湧いてこない。実はピーター・パンのストーリーってどんなお話だったけ?と思うぐらい内容なんかはすっかり忘れてしまっているし、俺みたいなチョッと痛い大人をピーターパン症候群って言うんだよな~って妙なことを思い出させる。
 年を取ることがない永遠の少年ピーターパンだが、その誕生秘話を描いたのが、今回紹介する映画ネバーランド。ピーターパンの誕生秘話なんて興味がない人が多いと思うが、実はピーターパン誕生100周年を記念して製作された映画だが、そんな記念行事にまことに相応しい豪華キャストで、大いに感動するドラマだ。

 俺みたいに気持ちがピュアな人間だらけならば、きっと素晴らしい世界が存在すると思うのだが、現実は欲望にまみれた大人ばかりが存在するし、俺の周りも腹黒い人間ばかり。この世の中は俺みたいな人間には本当に居心地が悪過ぎる。まあ、はっきり言って俺の愚痴なんかはどうでもよく、未だに国籍を問わず人気のあるピーターパン誕生の裏に隠された感動秘話とはいかなるものか。

 1903年のロンドンにおいて、劇作家であるジェームス・マシュー・バリジョニー・デップ)は、今晩も自らの舞台劇の評判が大変悪かったことにガックリしていた。
 チョイと気分転換に近くの公園に出かけたバリ(ジョニー・デップ)だったが、若くして未亡人になってしまったシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)と、彼女の4人の子供達と出会うが、特に空想好きの三男のピーター(フレディ・ハイモア)に、興味を惹かれる。
 バリ(ジョニー・デップ)はシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)一家が金銭的、それ以外の事でも困っていることを知り、手を差し延べるうちに親密感が深まっていく、と同時に元々冷めていたバリ(デップ)と妻(ラダ・ミッチェル)の仲はさらに悪くなり、しかもバリ(ジョニー・デップ)とシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)の仲はロンドン中をあらぬ噂で広まっていくのだが・・・

 スランプ気味の劇作家バリ(ジョニー・デップ)が一念発起して、新作を考え出す切っ掛けとなったのが、ピーター(フレディ・ハイモア)との出会い。ピーター(ハイモア)の幼いながらも深く傷ついた心の闇に触れることによってアイデアが湧いてくるストーリーだが、後半に向けての大げさなストーリー展開が大粒の涙を誘う。
 映画を観ていて、バリ(ジョニー・デップ)が特に新作発表するために机にペンを持って向かうシーンなんかはまるで無く、なんだかシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)や彼女の子供達と遊んでばかりいるシーンが目立ったように思えて、スランプ中の劇作家にしては全く悲壮感が漂ってこないし、むしろ今の生活を楽しんでいるように見えたのは俺だけか。
 しかし、多くの作品で被り物が多い二枚目スターのジョニー・デップだが本作でも大して必要性の無さそうな被り物を見せるのには笑った。恐らく監督は特に要求していないのに、ジョニー・デップ本人が『こんな格好がしたいんだ』なんて自らアイデアを出したんだろう、なんて舞台裏を想像してしまう。
 
 さて、クライマックスのネバーランドのシーンは親子愛、人間の善意に大いに感動する名シーンだし、きっと観ている誰もがこの世の中に希望を持つことができるはず。ピーター・パンのストーリーなんか全く知らない人でも映画ネバーランドはお勧めだ

ネバーランド [DVD]
デイヴィッド・マギー
アミューズソフトエンタテインメント


Blu-ray ネバーランド [Blu-ray]
ジョニー・デップ,ケイト・ウィンスレット,ダスティン・ホフマン,フレディ・ハイモア,ジュリー・クリスティ
アミューズソフトエンタテインメント


 監督は最近は007 慰めの報酬や、ブラッド・ピット主演のワールド・ウォーZなどの大作が多くなってきたマーク・フォスター。元々は本作のような佳作が多い監督さん。ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソートン、ヒース・レジャー共演の社会派的ドラマのチョコレート、ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ共演の感動のサスペンスステイがお勧め。

 主演は大スタージョニー・デップパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズの大ヒット映画で知られていますが、意外にアート系の佳作品への出演が多い。ティム・バートン監督とのコンビでの作品が多いですが、個人的にはシザー・ハンズスリーピー・ホロウチャーリーとチョコレート工場がお勧め。
 他にジム・ジャームッシュ監督の作品が好きな人ならば、異色西部劇デッドマン、ロマン・ポランスキー監督の知的な雰囲気が漂うホラーミステリーナインスゲート、ロバート・ロドリゲス監督、アントニオ・バンデラス共演のアクション映画レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード、ラッセ・ハルストレム監督、レオナルド・ディカプリオ共演のギルバート・グレイブがお勧め。

 未亡人の役でケイト・ウィンスレット。大ヒット映画タイタニックの印象が強烈ですが、その後も渋いアート系の作品に出演する非常に志の強い女優さんであり、今や名女優と言っても良いでしょう。フィリップ・カウフマン監督、ジェフリー・ラッシュ共演のクイルズ、アラン・パーカー監督、ケヴィン・スペイシー、ローラ・リニー共演の死刑制度の是非を斬新なサスペンスタッチで描いたライフ・オブ・デビッド・ゲイル、ちょっと痛い大人達を描いたジェニファー・コネリー共演のリトル・チルドレン、スティーヴン・ダルドリー監督、レイフ・ファインズ共演の愛を読むひとがお勧め。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします


 




 

 
 

 
 


 
 
  
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ナイロビの蜂(2005) アフリカ問題にメスを入れる

2013年09月17日 | 映画(な行)
 原作者は寒い国から帰ってきたスパイ(抜群に面白いです)等、スパイ小説の分野で有名なジョン・ル・カレ。本作はアメリカやイギリス、そして現在は中国などの大国によって、すっかり利権のターゲットにされてしまっているアフリカ大陸の現状をヴィヴィッドに描き出した社会派映画にして、涙無くして観れない夫婦の絆を描いた恋愛映画でもある。
 日本の平均寿命は80歳を超えているが、俺みたいなアラフォーにとってはまだまだ人生の半分にたどりついたぐらい。しかし、あるアフリカの国の平均寿命を見ると俺の場合に当てはめると、俺の寿命は残りたったの10年だったの!、なんて驚いた。日本とアフリカの諸国の、この差はなんだ
 とにかく超貧乏な生活を強いられているアフリカの人は病気になっても薬を買う金もないし、まともな医療の恩恵を受けることもできない。少年のうちに死んでしまう人が日本人には想像できないくらいに多い。そんな現状を当然アメリカを始めとする大国や大企業は知っているはずなのだが、彼らにとってアフリカ人の命なんて二の次、三の次、もしかしたらそれ以下のかる~い問題。とにかく生命よりも利潤を追求する姿に腹が立つ映画が今回紹介するナイロビの蜂だ。
 個人的には猿の惑星・創世記と共通する点があるように思うのだが、もちろん猿が人間に反乱を起こすところではない

 しかし、この映画の素晴らしい所は腹が立つばかりでなく、観終わった後に夫婦の絆の固さに感動して涙が出てくるところ。と言っても夫婦が力を合わせて困難に立ち向かうような、ありきたりの絆が描かれているのではない。本作は冒頭の方で、レイチェル・ワイズ演じる綺麗な奥さんはアッサリ死んでしまうのだ。
 実はレイフ・ファインズ演じる旦那が、奥さんの死に疑問を感じ、自ら奥さんの死の真相を調べるのだが、その過程において、実は奥さんはまるで本気で世界を変えようとしたチェ・ゲバラのような志の高い人間であったことに気付いて驚き、さらには自分が実は奥さんの理想の亭主では無かった事にショックを受けてしまうストーリー。しかし、これだけなら一体何処に夫婦の絆があるのかさっぱりわからない。

 さて、これぞ純愛だと感動し、ダメ亭主が最後の最後にやっと理想の亭主になれたことに更なる感動を呼び起こすストーリーとは如何なるものか。
 アフリカのケニアナイロビの空港において、ナイロビ駐在でイギリスの外交官であるジャスティン(レイフ・ファインズ)はナイロビのスラム街の医療改善に励む妻であるテッサ(レイチェル・ワイズ)が黒人男性のアーノルド(ユベール・グンテ)を従えてロキと言う場所へ向かおうとするのを見送りに来ていた。
 ジャスティン(ファインズ)とテッサ(ワイズ)は『じゃ、二日後に会いましょうね』と言葉を交わして、テッサ(ワイズ)とアーノルド(グンテ)は飛行機へ乗るのだが、何とそれが2人の交わした最後の言葉になってしまう。
 テッサ(ワイズ)がトゥルカナ湖で、アーノルド(グンテ)とは別の男性と2人で遺体になっている姿を発見されるという知らせを相棒のサンディ(ダニー・ヒューストン)からジャスティン(ファインズ)は聞かされるのだが、彼女の死に何か不審な物を感じたジャスティン(ファインズ)は独自で調査を開始するのだが、まるで自分が知らなかった事実を次々と発見してしまう・・・

 驚くのが製薬会社の大企業って本当にこんなことをやってるのか?薬の副作用の調べ方って本当かよと思った。改めて思うのが世界を引っ張るのは、やっぱり道義大国ニッポンではないといけない。確かに北アフリカのアルジェリアにおいて、日本人が痛ましい事件に巻き込まれたが、本当に世界及びアフリカの生活を良くするには拝金主義の西洋諸国や成金でモラルのカケラもない中国ではダメだ。そのように考えると2020年のオリンピックが東京に決まったが、アフリカの諸国の票が多かったと聞くし、森喜朗元総理大臣がアフリカとの外交を重視したことは意外にも今後の歴史が大きく評価する可能性があるのかもしれない。
 そしてガーデニング大好きのダメ亭主ジャスティン(レイフ・ファインズ)が、テッサ(レイチェル・ワイズ)の真実を知った時の彼の選択は涙が出る。なかにはお前馬鹿じゃないの!と思う人もいると思うが、夫婦の関係なんてお互いが生きている間なんてわからないことだらけ。どちらかが居なくなって初めて気付くことだったあるはずだ。そして、この映画では夫婦の絆がより固いものになり、永遠の愛に昇華するのだ。
 監督がブラジル人なだけに、ちょっと場違いな陽気な音楽を使い過ぎるんじゃんねぇ~という点が少々気になったが、アフリカの諸問題、大国や大企業の利潤を追求する姿に現代社会のお勉強をした気分になり、そして実は全く分かり合えてなかった夫婦が最後にこのような形で結ばれることに大きく感動できるナイロビの蜂は、新婚早々に亀裂が走っている夫婦は必見であり、もちろん大人の人にはお勧めしたい映画です

ナイロビの蜂 [DVD]
ジョン・ル・カレ,ジェフリー・ケイン
日活


ナイロビの蜂 Blu-ray
レイフ・ファインズ,レイチェル・ワイズ,ダニー・ヒューストン,ビル・ナイ
TCエンタテインメント


 これが原作本です
ナイロビの蜂(上) (集英社文庫)
加賀山 卓朗
集英社


ナイロビの蜂(下) (集英社文庫)
加賀山 卓朗
集英社


 監督はブラジル人監督のフェルナンド・メイレレス。この人のお勧めは次回オリンピックが行われるリオデジャネイロを舞台にしたチンピラ映画のシティ・オブ・ゴッド、そしてパニックムービーの傑作ブラインドネスがお勧めです

 主演のジャスティンを演じるのが名優レイフ・ファインズ。スティーヴン・スピルバーグ監督のシンドラーのリストで残忍な将校役を演じて以来、スター街道まっしぐら。この人のお勧めは前述したシンドラーのリスト、ロバート・レッドフォード監督のクイズ・ショウ、キーラ・ナイトレイ競演のある公爵婦人の生涯など。

 志高き女性テッサを演じたのがハンナプトラシリーズで人気者となったレイチェル・ワイズ。この人のお勧めはジョン・キューザック、ダスティン・ホフマン、ジーン・ハックマンとの豪華競演の法廷外バトルが楽しめるニューオリンズ・トライアル、ジュード・ロウ競演の軍事アクション映画スターリングラードはお尻丸出しのエロシーンがハラハラします。もちろん映画も面白い。そして映画自体は駄作だと思いますが、メチャクチャ白くて綺麗な彼女を見ることができるダーレン・アロノフスキー監督、ヒュー・ジャックマン競演のファウンテン 永遠につづく愛は彼女を見ているだけなら充分に楽しめます。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします










 
 
 
 
 
 
  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ナイト&デイ(2010) 大爆笑アクション映画です

2012年12月25日 | 映画(な行)
 アクションシーンはハイレベル、腹を抱えるぐらい笑えて、美男美女の大スターがとってもロマンチックで、スリル満点のシーンが炸裂。きっと誰もがこんな映画が観たかったと大いに納得できる映画が今回紹介するナイト&デイ
 次々に起こる有り得ないシーンが連続する様子は、明らかに馬鹿映画の部類に入るが個人的にはこういったジャンルの映画は決して否定しないし、もっともっと笑えるアクション映画が増えれば良いとさえ思っている。

 
 さて、大いに笑えるアクション映画のストーリーとは如何なるものか
 妹の結婚式のために飛行機で向かおうとしたジューン(キャメロン・ディアズ)は、空港でイケメンのロイ(トム・クルーズ)とぶつかり、飛行機の中でも近くの座席。見た目が格好良いだけでなく、チョイチョイ面白いことも言ったりするロイ(クルーズ)にすっかり心を奪われたジューン(ディアズ)は、ここは逆ナンのチャンスとばかりに化粧室で心を落ち着かせようとするが、ところが座席に戻ってみればビックリ仰天。元々少なかったお客さんたちはロイ(クルーズ)以外はすっかり殺されており、しかも操縦士までもが撃たれて死んでいる。

 ジューン(ディアズ)は、せっかく理想の男性を見つけたと思ったのに彼の正体はトラブルに巻き込まれたスパイ。しかもロイ(クルーズ)と一緒に居れば、次々と危険な目に遭ってしまう。これ以上、怖い思いをしたくないジューン(ディアズ)はロイ(クルーズ)から逃れようとするのだが、ロイ(クルーズ)は何故かジューン(ディアズ)が逃げる所を察知して、彼女の前に現われてくる。しかもロイ(クルーズ)は笑顔を見せながら『君は僕の側に居るのが1番安全なんだ』とワケのわからないことを言いながら、強引に同行を押しつけるストーカー振りを発揮する。
 ひたすら迷惑なロイ(クルーズ)のお陰で、武器商人やCIAなどからも追いかけられる羽目になってしまうジューン(ディアズ)だったが・・・

 どことなくアルフレッド・ヒッチコック監督の名作北北西に進路を取れを思い出させるような内容、シーンが連発するが突き抜けている馬鹿さが新鮮で大いに笑える。
 そしてこの映画は主演の2人が大スターの貫禄を見せる。トム・クルーズのアクションシーンは切れがあるし、キャメロン・ディアスは劣化度が少し気になるが抜群のコメディーセンスを発揮。両方とも魅力が活かされているので、どちらか片一方のファンでも大いに楽しめる。

 ハイテンポな展開は心地良く、音楽もムードが出ているし、有り得ないアクションシーンの数々はアホらしいと思うどころか大いに笑える。アクションとコメディーが両立した映画は意外に少ないが、ナイト&デイお笑いアクション映画として大いにお勧めできる映画です

ナイト&デイ(エキサイティング・バージョン) [DVD]
トム・クルーズ,キャメロン・ディアス,ピーター・サースガード,ビオラ・デイビス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)


ナイト&デイ(エキサイティング・バージョン) [Blu-ray]
トム・クルーズ,キャメロン・ディアス,ピーター・サースガード,ビオラ・デイビス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)


 監督はジェームズ・マンゴールド。サスペンス映画ではアイデンティティー、西部劇では3時10分、決断のとき等、あらゆるジャンルにおいて傑作を撮っています。まだ40歳代でもあり、今後も注目の監督です。

 主役の2人は誰もが知っている大スターなので、こんな所でいちいち説明しません。
 脇役で注目したいのが、若き発明家を演じたのがポール・ダノ。この人の印象的な作品は心暖まる大家族を描いたリトル・ミス・サンシャイン、そしてダニエル・デイ=ルイス主演のゼア・ウィル・ビー・ブラッドがお勧めです。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします




 






 

 

 


 

 

 
 

 


 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ナッシュビル(1975) ちょっと頭がおかしい大人が20人以上登場です

2012年11月28日 | 映画(な行)
 カントリー音楽の聖地であるテネシー州のナッシュビルにおいて、およそ20人以上の出演者がバラバラと出てきて、好き放題にしゃべり、好き勝手に行動している。よって、ストーリー性に深みはまるで無く、20人以上登場してくる俳優の中にジョニー・デップやブラッド・ピット級が出演していないので、ますます人物の見分けが非常に難しい。しかも、この映画にははっきりした主役が居ないので、誰を中心に観たら良いのかわからない。そんな超不親切な設計の映画が今回紹介するナッシュビル

 
 テネシー州ナッシュビルにおいて、大統領予備選挙に向けてのハル・ウォーカー大統領候補のキャンペン・カーが選挙公約を拡声器で大々的に流している。その選挙公約の内容は、まるで日本でも民主党が政権を強奪したポピュリズム的な内容。選挙運動真っ最中の時において、ナッシュビルに様々な人間が集まって来る。
 精神的に病んでいる有名カントリー女性歌手、二流歌手、家出して有名歌手になる野心を持っている女性、容姿は良いが音痴の歌手志望の女性、女性を口説きまくっている男性歌手、イギリスからやって来たミーハーなテレビリポーター、有名歌手を追いかけてやってきたベトナム戦争退役軍人、やたら長い三輪バイクを乗っている無口な男・・・等、ちょっと変わった人物たちが、ナッシュビルにやって来た。
 大してつながりの無かった登場人物だったが、最後は登場人物たちがハル・ウォーカー大統領候補のキャンペーン集会でパルテノン神殿に大集合するのだが・・・

 たくさん出てくる登場人物たちだが、それぞれがダメキャラを発揮する。いきなり失神したり、車の衝突事故、不倫、黒人同士の喧嘩、可愛い女の子が病気の叔父さんのお見舞いに来たはずが男遊び熱心だったり、音痴の女性歌手が政治パーティーにおいてストリップをさせられたり、誰もが呆れてしまうぐらいのエピソードが繰り広げられる。これら以外にも多くのエピソードがあるが、正直笑える確率は2割ぐらい。まるで適当なストーリーを組み立てて、その中に変な登場人物を当て込んだだけの印象をうけるが、シュールな結末に収束していく展開は、さすがロバート・アルトマン監督だ。

 しかし、多くのダメキャラ達の姿、政治キャンペーンの内容は当時(1975年)の宗教、人種、政治、モラルなど諸問題を抱えたアメリカ社会を垣間見ることができる。
 そして、カントリー音楽のメッカであるナッシュビルを舞台にしているだけに、聴いたことのある音楽が流れてくる。非常に聴いていて心地よい気分になれる歌が多いが、詩の意味を考えると、アレレ!となる結末のおかげで非常に意味深だ。

 160分という長い時間に耐えられる人、人の顔が直ぐに覚えることができる記憶力が抜群に良い人、くだらないギャグにでも笑うことができる人、ロバート・アルトマン監督の作品と聞いて心がウキウキした人、さらにカントリー音楽が好きな人、これらの条件を全てクリアできるような人に自信を持ってお勧めできるナッシュビルをぜひ観てください

ナッシュビル [DVD]
リリー・トムリン,キース・キャラダイン,カレン・ブラック,ジェラルディン・チャップリン,ヘンリー・ギブソン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 監督は名匠ロバート・アルトマン監督。登場人物が多く出てくる群集劇を撮る名人。そして、多くの作品でブラックジョーク的なラストシーンを見せるイメージがあります。
 僕が彼の作品で最も好きな映画は映画プロデューサーを主人公にしたサスペンスザ・プレイヤー。他に笑える反戦映画M★A★S★H マッシュはブラックジョークが炸裂していて、お勧めです。
 他に登場人物がワンサカ出てきて、記憶力が試されるサスペンス映画ゴスフォード・パーク、ダメキャラが多く登場するショート・カッツがお勧めです。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします





 

 

 



 

 

 

  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ニューオリンズ・トライアル(2003) 法廷の裏側の戦い

2011年12月12日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 裁判員制度が始まり、日本もアメリカのように有権者が刑事裁判の審理に参加するようになった。もし俺なんかが選ばれたらどうしよう、特に死刑の判断に迫られるような裁判員に選ばれてしまったら。その時は自分の中にある良心に従い、己に課さられた職務にまい進するのみ。そして正義の判決を下すのだ。そんなことを考えるとアメリカ映画に多数ある法廷映画をもっと真面目に観ようなんて思ったりする。

 アメリカの法廷映画を観ていると、法廷における弁護士VS検事(あるいは相手側の弁護士)の激しい応酬、そして最後に有罪・無罪を判断する陪審員たちに対する弁護士の身振り、手振りの大演説を見ていると、本当にアメリカという国は正義、自由、民主主義に対する考え方が進んでいると大いに感動する。だからアメリカの法廷映画は良いよね、なんて思ったりするのだが今回紹介するニューオリンズ・トライアルはそのような感動を得られないという点では、よくある法廷映画とは少し趣きが異なる。この映画から正義、自由、民主主義と言ったアメリカは良い国なんだと言う押し付けがましいプロパガンダ戦略にだまされる事はない。

 ちなみに今回紹介する映画ニューオリンズ・トライアルには陪審コンサルタントなんて言う職業の人が重要な役割で登場してくる。果たして彼らの職業とは?アメリカはご存知のように陪審制であるが、無作為に選ばれる陪審員候補の中から最終的には12人の陪審員が選ばれるのだが、自分の陣営が有利になるように陪審員を徹底的に調べ上げて選別していくのが陪審コンサルタントの役割。

 この映画に登場してくる腕利き陪審コンサルタントはチームを組んで、全ての陪審員候補たちの性格、思想、経歴等を調べていくのだが、その方法が盗聴、隠しカメラ、コンピューター、尾行、ハニートラップなどなんでも有り。その様子はまるでスパイチームのように見えてしまうし、陪審員を選別していくシーンは非常にスリリグで見応えがある。
 しかも、この映画の陪審コンサルタントの人物は弁護士以上に権力、責任感を持たされている。普通なら弁護士に言うだろうと思うような場面でも陪審コンサルタントが呼び出され、『おい、絶対にこの裁判は勝てよ』と激励されるシーンがあったりする。
 つまりこの法廷映画は弁護士VS弁護士(あるいは検事)のようなよくある対決では無く、弁護士VS相手側の陪審コンサルタントとの法廷外バトルが、この映画の見どころになっている。

 さらに陪審コンサルタントたちの警戒網をくぐり抜け、巧みな演技で陪審員に入り込む人物の存在がより一層、この法廷映画を深い仕組みにしている。いくら弁護士が見学している人達を大きく感動させることを述べても、陪審員たちの票を得ないと勝てないのだが、そんな陪審員たちを中から操作するのが、この怪しい人物の存在だ。
 この怪しい人物のおかげで、弁護士も相手側の陪審コンサルタントも翻弄されてしまい、観ている我々も裁判の結末が最後までなかなか読めない。更にこの怪しい人物の目的は一体何か?という興味も湧いてくる
 この映画を観終わった時にアメリカの司法制度ってどうなの?考えさせてくれるかもしれないニューオリンズ・トライアルを紹介します

ニューオーリンズ・トライアル/陪審評決 プレミアム・エディション [DVD]
ジョン・キューザック,ジーン・ハックマン,ダスティン・ホフマン,レイチェル・ワイズ
ジェネオン エンタテインメント


 ニューオリンズの会社において、銃乱射事件が起きる。犯人は11人を殺害した後に自殺する。この事件で夫を亡くしたセレステは弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)を雇い、犯人が使用した銃のメーカーを相手に訴訟を起こす。銃規制の声が挙がるアメリカにおいて一躍、この訴訟事件は注目を集めることになる。

 訴えられた銃メーカー及び銃協会は絶対にこの裁判に勝たないと、ドミノ式に訴訟問題が起こることを危惧し、凄腕の陪審コンサルタントのフィッチ(ジーン・ハックマン)を雇う。
 フィッチ(ハックマン)はニューオリンズに乗り込み、あらゆる手段を使って陪審員候補の調査及び選別に取り掛かる。

 陪審員候補の中にゲーム販売店で働くニコラス(ジョン・キューザック)が居た。ニコラス(キューザック)は巧みな演技によって陪審員に選ばれることに成功し、彼は謎の女マーリー(レイチェル・ワイズ)と組んで、フィッチ(ハックマン)の陪審員の票集め工作を妨害する・・・最後まで予断を許さない判決の行方は?そしてニコラス(キューザック)とマーリー(ワイズ)の真の狙いは?結末は映画を観てください



 何だか法廷映画と聞くと意味のわからない法律用語がたくさん出てきそうなイメージがありますが、小難しい内容でもなく気軽に楽しめます。名優のジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンのバトルは非常に見応えがありました。しかし、この映画を観終わった後に裁判をやる前から結果が出てしまってる?なんて悲しい気分になったりしますが、陪審制の欠点が理解できる知的エンターテイメント映画の傑作です

 非常に怪しいニコラスを演じるのがジョン・キューザック。ちょっと優男な感じがこの映画のキャラクターにピッタリでした。彼のお勧めの出演作品としては詐欺師たちの悲劇的運命を描いたグリフターズ/詐欺師たち、奇想天外なアイデアが印象的なマルコヴィッチの穴等。最近の作品では2012は個人的に楽しめました。

 ニコラスとグルになって立ち回るマーリーを演じるのがレイチェル・ワイズ。彼女の代表作となるとハンナプトラのシリーズですが、お勧め作品としてこれぞ純愛映画と言えるナイロビの蜂が良いです。個人的にはつまらない映画だと思ったファウンテン 永遠につづく愛の彼女は抜群に綺麗です。

 凄腕の陪審コンサルタントのフィッチを演じるのが名優のジーン・ハックマン。多くの名作、アクション映画に出演していますがお勧めは代表作のフレンチ・コネクション、パニックムービーの傑作ポセイドン・アドべンチャー、人種偏見問題をテーマにしたミシシッピー・バーニングなど。

 正義にこだわる弁護士のローアを演じるのが、これまた名優のダスティン・ホフマン。彼のお勧め作品としてはバイオレンス映画の傑作わらの犬、心暖まるロードムービーの傑作レインマン、本当の英雄とは何か?を描いたヒーロー/靴をなくした天使など。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

















 

 
 
 

 
 
 
 
 
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ノー・マンズ・ランド(2001) 戦争はダメですよ、でも無くならない

2011年06月15日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 今どき日本の高名な知識人の中に『日本は軍隊を持ってはいけないですよ、なぜならお隣の国の中国を侵略してしまうから』『日本にはアメリカ人によって作られた憲法九条があるから、中国側が攻撃してきても反撃してはいけないんですよ』と丁寧に教えてくれることは本当にありがたい
 しかし、冷静に考えると今の中国である中華人民共和国が誕生してまだ60年ちょっとしか経ていない。そんな60年ちょっとの間でチベット侵略、ベトナム、ソ連、インドに戦争を仕掛け、台湾で独立運動が盛んになると恫喝し、軍事費は毎年うなぎ上りで上昇、自国防衛のためだけとは思えない空母を建設しようとし、宇宙にロケットを打ち上げ、日本の尖閣諸島は中国の領土だと言い出したり・・・
 確かに今どきの日本人の中にこんな国へ攻めて行こうなどと考える猛者がいるとは思えないし、今この瞬間にただでさえ大変な事が起こっているのに中国が日本に攻めてきたら反撃する間もなく占領されてしまうだろう。
 僅かな希望は多くの日本人が信じている(妄想している?)この60年間において日本が平和であったのは憲法第九条のおかげ。この条文を中国政府の偉いサンに見せてあげれば日本にだけは決して攻めてこないと祈ることだ。きっと話のわかる中国人のことだから「ケンポウダイ9ジョ~ウ・・・」と連呼すれば、心が純粋な中国人は他の国は武力で恫喝しても、日本だけは脅される事は無い?
 ちなみに僕は中国人は大好きで、中国共産党が嫌いなだけです。

 なんだか結局は日本に居れば話し合えば戦争は起きないと気楽に考えたら良いんだと思えてきたが、現実に世界を見渡すと紛争地域は今でも存在するわけで、個人の思想だけでは戦争が防げないことを痛感する映画が今回紹介するノー・マンズ・ランド
 戦争映画と言えば派手にドンパチがあったり、どちらか片側の視線から描かれた作品が多い。僕が敬愛するクリント・イーストウッド監督でもあの硫黄島の戦いをアメリカと日本の別々の視点から描くのに父親たちの星条旗硫黄島からの手紙というように1つのテーマを2本の映画で分けている。
 ところが今回紹介するノー・マンズ・ランドは敵対する両方の兵士の視点で、更にその中間に入るべき存在の組織やマスコミなどの行動を描く事によって戦争の愚かしさが描かれています。

 日本に住んでいると戦争というのは国家対国家のイメージがあるが、世界には国の数より民族の数がはるかに多い。ヨーロッパのユーゴスラビアという国が異民族の争いで多くの国家に分裂したが、そんな中でもまだ記憶に新しいボスニア紛争を舞台にした戦争映画ノー・マンズ・ランドを紹介します

ノー・マンズ・ランド [DVD]
ダニス・ダノヴィッチ
ポニーキャニオン


 ボスニアの戦闘地域において、数人のボスニア人兵士たちは霧の深い夜において道に迷ってしまう。夜が明けるとセルビア人側から一斉射撃に遭ってしまう。ボスニア軍とセルビア軍の対峙するちょうど中間地点(ノー・マンズ・ランド)にあたる塹壕に逃げ込んだボスニア人兵士の2人、チキ(ブランコ・ジュリッチ)とツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)だったが、セルビア軍の戦車から放たれた一発によってツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)は意識不明。
 チキ(ジュリッチ)はツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)が死んだと思い味方のボスニア軍の所に戻ろうとするが、様子を伺いに2人のセルビア人兵士がやって来る。

 チキ(ジュリッチ)は隠れて2人のセルビア人兵士の言動を見ている。2人のセルビア人兵士の年配の方が死んでいると思われていたツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)の下の土を掘って爆弾を仕掛ける。少しでもツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)が動くと爆発する仕掛けになっていた。

 チキ(ジュリッチ)は隠れていた場所から飛び出し、セルビア人の年配の兵士を刺し殺し、若い兵士のニノ(レネ・ビトラヤツ)にもダメージを与える。チキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)が争っている時に死んでいたと思われたツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)は意識を取り戻す。
 ちょっとでもツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)が動くとその場に居る3人とも爆死してしまうためチキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)は争いをやめて、お互いに協力することにする。
 チキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)はお互いに自分の存在を知らせるためにある方法で銃を構え合っているボスニア軍とセルビア軍に知らせる。

 チキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)の努力の甲斐があり、ボスニア軍とセルビア軍の争いの停戦の役目を果たすための組織である国際連合保護軍に所属するフランス人のマルシャン軍曹(ジョルジュ・シアティディス)が助けにやって来るのだが・・・本当に悲しくなる戦争のカラクリ、利権、そして意外な展開は映画を観てください



 本当に世界中から戦争、紛争が無くなるにはどうしたら良いか?人間も含めて全ての物をガラガラポンにしてしまうしか無いね僕みたいな適当な人間が言いたい放題で空虚な理想を語ったり、大きな夢物語を語っても害にならないけれど、戦争や紛争の当事者は生きるためには現実を考えなければならないからね。

 しかし、この映画は反戦映画として大きな銃撃戦、特定のイデオロギーに偏ることもないけれど状況設定、ストーリー展開は抜群。きっと観ていて誰もが怒りが込みあがってくるし、意外性も楽しめる?作品です

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします







 

 

 
 

 

 





 

 



 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ネットワーク(1976) テレビ業界の狂乱ぶりを描く

2011年04月22日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 民放のテレビ局の視聴率争いは視聴者側にとっては大して意味は無いように思うが、しかしテレビ局内において視聴率を巡るドラマは相当な血みどろの展開があるようだ。本来テレビの役割は視聴者に対するサービス。抜群に面白い番組を提供し、世界、国内のニュースを正確に伝える役割がある。しかし、実際のテレビ業界の裏の顔はスポンサー、視聴率、権力が絡みの利権争い。
 各民放が競って同じような時間帯に繰り広げるテレビドラマより以上に面白い人間ドラマがテレビ局の裏側で起こっているのは想像に難くない。そんなテレビ局を動かす人間の狂乱振りを皮肉たっぷりに描いたのが今回紹介するネットワークです。

 テレビ業界の内幕を騒動を描いた映画はけっこう多い。例えば比較的穏やかで、コメディータッチの内容の映画ならばジェームズ・L・ブルックス監督のブロードキャスト・ニュースを思い出す。ニュース番組に写っているキャスターと呼ばれる人達は華やかな印象を受けるが、キャスター達も人間。そんなキャスター達の喜怒哀楽が面白おかしく描かれていた佳作。
 他にテレビの持つ影響を怖いぐらいに表現した映画にロバート・レッドフォード監督のクイズ・ショウが印象的。テレビというのは時にヒーローを生み出すかと思えば、古くなったヒーローを蹴落として新しいヒーローを誕生させることができるし、逆に悪役をヒーローにすることもできる。テレビ番組という小さい世界を描きながらも、怪物を簡単に生み出してしまうテレビ番組の怖さを見事に描いている力作。
 しかし、テレビ業界に生きる人々の人間ドラマを痛烈に風刺している代表的映画と言えば今回紹介するネットワークということになるだろうと思う。

 ちなみに監督は先日亡くなったシドニー・ルメット陪審員制度を描くことによって、民主主義の正義を描いた十二人の怒れる男、米ソ冷戦下における核戦争の恐怖を描いた未知への飛行、アガサ・クリスティ原作の映画化オリエント急行殺人事件等、多くの名作を生み出したその功績は賞賛に値します。

 社会派映画監督とも呼ばれたシドニー・ルメット監督の真骨頂的作品のネットワークを紹介します

ネットワーク [DVD]
フェイ・ダナウェイ,ウィリアム・ホールデン,ピーター・フィンチ,ロバート・デュバル
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 大手テレビ会社のUSBの夕方の報道番組。かつては高視聴率を叩きだしていた人気番組だったが、今ではすっかり低視聴率にあえいでいる。USBの報道部門の責任者であるマックス(ウィリアム・ホールデン)は番組の司会者であり、友人であるビール(ピーター・フィンチ)に二週間後の番組の打ち切りと解雇という苦悩の宣告。

 その報告を聞いたビール(フィンチ)はウツ状態に陥り、翌日の番組の生放送中にテレビ局の暴露話をしゃべり、自殺予告までしてしまう。マックス(ホールデン)たちはビール(フィンチ)の様子に大慌てするが、そんなビール(フィンチ)の突然の告白によって、その日は高視聴率をたたき出す。

 解雇が決まっていたビール(フィンチ)だったが、そんな突然の高視聴率を利用しようとしたのがエンターテイメント番組の新進の野心家であるダイアナ(フェイ・ダナウェイ)。彼女はビール(フィンチ)を起用してエンターテイメント系の番組を作ろうとする。

 友人であるビール(フィンチ)がウツ状態なこともあり、マックス(ホールデン)は彼を起用しようとするダイアナ(ダナウェイ)に抵抗するが、改革路線を突っ走ろうとするフランク(ロバート・デュヴァル)の力添えもありマックス(ホールデン)は更迭させられ、ビール(フィンチ)を起用したダイアナ(ダナウェイ)の番組は大当たりする。

 時が経ちマックス(ホールデン)とダイアナ(ダナウェイ)は出会い、マックス(ホールデン)は妻子が居ながら2人は不倫関係に陥る。しかしダイアナ(ダナウェイ)のビール(フィンチ)を起用した番組は相変わらず好調で、さらに調子に乗ったダイアナ(ダナウェイ)は実際のテロリストを起用して新しい番組を作ろうとする。
 ところがビール(フィンチ)は生放送中に番組の裏側を暴露してしまったために、番組のスポンサーのジェンソン(ネッド・ビーティ)の怒りに触れてしまう。
 ジェンソン(ビーティー)に呼び出されたビール(フィンチ)は自らの資本主義思想を叩き込み、ビール(フィンチ)もそのことを番組でアピールするが、あまりにも観客受けしない内容のために次第に視聴率が低下してしまう。

 視聴率低下に危機感を抱いたダイアナ(ダナウェイ)とフランク(デュヴァル)はビール(フィンチ)を番組から降ろそうとするが、すっかり言いなりになってしまっているビール(フィンチ)を気に入ってしまったジェンソン(ビーティー)は彼を番組から降ろすことを許さず・・・テレビ界の視聴率主義の恐ろしさを表す衝撃のラストシーンは映画を観てください



 日本のテレビ界もすっかり視聴率が気になって番組の劣悪振りが明らかになっているが、そのような背景を批判した社会派作品。視聴率の1パーセントの差が年200万ドルの差になって表われるアメリカのテレビ業界の熾烈な競争と生き残り社会のひずみがモロに現在のアメリカのダメさを考えると非常に意味深な映画になっている。
 このような映画が1970年代に作られているが30年以上を経た現在においても充分に通用しすぎることにテレビ界の進歩の無さが理解できる。しかも当時は絶対だと信じていたアメリカの資本主義社会への痛烈なメッセージも込められているが、今のアメリカのダメさの元凶を既にこの時代に描いてしまう事にシドニー・ルメット監督の偉大がよくわかる映画です。

 そして非常に豪華なキャスト陣も目を見張る。1970年代の代表的ハリウッド女優のフェイ・ダナウェイ、この時から渋い脇役のロバート・デュヴァル、間違いなく一時代を築いた大スターウィリアム・ホールデン、そしてピーター・フィンチの怪演はこの映画の見所の一つです 

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします


 




 



 

 

 

 





  

 

 
 

 

 
  

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 野いちご(1957) 老人の懺悔話

2011年01月18日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 月日は百代の過客にして行きかふひともまた旅人也。かの有名な俳人である松尾芭蕉の句の一文だが、学生時代の国語の教科書で目にした時はどう思ったのか自分でも覚えていないが、もうすぐ40歳になる僕には非常に考えさせられる一文だ。
 僕みたいな若輩者が語るのも恐れ多いが、人生と言う時の流れを旅に例えるとは流石は歌う旅人である松尾芭蕉
 今までの僕の旅の経過を振り返ると・・・欲望のまま生きていたことに気付く。これからの旅は如何なる誘惑が迫ってきても、それを振り払う精神的な強靭さを持って対処しなければと思う。
 まだ自分は旅の途中であるが、旅が終りに近づく時どのような感想を持っているのだろうか?良い旅だったと思うのか、それとも苦しい旅だったと思うのか。

 今回紹介する野いちごは、人生の終盤に差し掛かった老教授の他人に言えない孤独、悩み、苦しみを吐露した懺悔話
 成功した人を見ると激しく嫉妬してしまう人には、心の落ち着く映画だと言えるかも

 監督はスウェーデンが生んだ名監督のイングマール・ベルイマン映画史を語るときに絶対に外せない重要人物。
 ちなみに彼の作品でも最も好きな映画は処女の泉。自分の娘が悲惨な殺され方をしたのを知り、しかもその娘を殺した人間が目の前に現れた時不幸な中にほんの少しの慰めを見出すことが出来るラストシーンは凄すぎ。
 とにかくベルイマン監督の映画は宗教的な難解なテーマが付きまとうけれど、彼の描く人間には常に苦難が待ち受けているようにその描きかたに妥協がないのが凄い。
 人生の晴れ舞台に立った男の苦しみを描いた野いちごを紹介します

野いちご [DVD]
イングマール・ベルイマン
ハピネット・ピクチャーズ


 75歳(?)の老教授であるイサク(ヴィクトル・シュストレム)は今までの医学の発展の功績を認められ、自宅のストックホルムから翌日にルドンの大学で名誉博士の受賞式に臨むことになっていた。
 その日、寝ている時に自分が棺おけに引きずり込まれる夢を見てしまう
 イサク教授(シュストレム)は家政婦と電車に乗って行くつもりだったが、悪夢を見て動揺したのか義理の娘のマリアンヌ(イングリッド・チューリン)と一緒に車でルドンへ向かうことにする。ストックホルムからルドンへ向かう車の中でイサク教授(シュトレム)は今までの人生を振り返る。



 周りの人から名士だと言われるイサク教授(シュトレム)の人生とはかつての恋人が弟から奪われ、今は亡き妻が愛人と出会っていたことなど過去の痛ましい出来事が思い浮かんでくる。そして息子とマリアンヌ(チューリン)の仲がうまくいってないことを聞かされたり、車の中で静かにしていたいイサク教授(シュトレム)の心情を脅かすように、自分とは世代の異なる男女三人組が途中から同車して来たり
 ストックホルムからルドンまでの道中で出会う人々によってイサク教授(シュトレム)の心は空虚になっていき、夢の中では自分の若かりし頃の苦い思い出が彼を苦しめる。

 そんな苦痛の旅であったイサク教授(シュトレム)の道中だったが、ついにルドンに到着し授賞式に向かうが・・・続きは映画を観てください

 
 イングマール・ベルイマン監督の映画は何本か観ているけれど、彼の映画は宗教、死生観など日本人には難解な映画が多いと思う。彼の映画では第七の封印鏡の中にあるが如く沈黙秋のソナタなど見ているけれど、1回観たぐらいではこれらの映画の良さは理解しにくいと思う(実際に鏡の中にある如く、沈黙は僕にはトンチンカン)。
 しかし多くの映画には最初理解し合えない人間同士がやがてお互いを理解していくというストーリーの作品が多い中で、ベルイマン監督の映画での人間同士の衝突、あるいは人間神という衝突を激しく描く監督は珍しい部類に入ると思う。
 それは今回紹介した野いちごにおいても同様であり、過去、若者たち、母、妻、義理の娘たちとの衝突が描かれている。

 映画の構成は現実や幻が交錯して、フェリーニ監督の81/2のような作り方でややこしいかもしれない。しかし、人生の名誉を手に入れた人間の苦しみや葛藤がタイトルどおりの野いちごを心理風景に取り込んだ描写は傑作であり、観終わった後は良い映画を見たなあと感じる人が多いはずです

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします



 

 
 
 


 
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 長い灰色の線(1955) 愛国心、伝統、誇り

2011年01月03日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 僕の大きな理想としては世界中が平和になること。日本の首相だったH山氏が好きな言葉の友愛
 ”日本は日本人だけの固有のものではない”という素晴らしい?友愛精神には僕も感動する部分はあったのだが尖閣諸島での出来事以来、僕だけでなく現実を知った日本人はたくさん居るだろう。

 グローバル社会において日本はもっと国際的に開かれた国にならないといけない言う意見が多くなってきているが、どうやら僕も含めてもっと本来の日本の姿を考えないといけないようだ。
 
 開かれた社会という声において外国人の参政権が叫ばれ、国際的な流れということで夫婦別姓なる議論が出てくる。そして皇室のあり方にも議論が出てくる。

 僕も国際化という言葉には非常に弱く、日本という国はダサいと感じることがあったのだがそのような考えを持っていたことは非常に反省しないといけないし、まさか多民族国家のアメリカの映画からそのようなことを教えられるとは我ながら非常に驚きだ。
 
 そんなあるべき日本の姿を教えてくれる切欠になりそうな今回紹介するアメリカ映画が長い灰色の線
 この映画はアメリカのウエストポイント(陸軍士官学校)を舞台にマーティー・マーという実在した軍曹が描かれている。
 監督は世界映画史に残る大巨人であるジョン・フォード
 彼についてはもう何の説明も要らない。西部劇の傑作駅馬車、荒野の決闘。ヒューマンドラマにおいて怒りの葡萄静かなる男わが谷は緑なりきなど名作が多々ある。
 
 彼の映画の魅力は”駅馬車”に代表されるような豪快なアクションを挙げる人が多いけれど、僕は”愚直なまでのユーモア”を彼の映画には感じる。
 特に彼の映画に登場してくる脇役はどこか馬鹿馬鹿しさを感じるけれど、憎めないキャラクターとして描かれている。
 ジョン・フォード監督ほど脇役を魅力的に描ける監督は、なかなか見当たらない。

 そして今回紹介する”長い灰色の線”におけるモーティー・マーという人物が前半はかなりの駄目キャラとして描かれているのだが、その描き方が流石はジョン・フォード

 どうしてアメリカの軍人、そしてアメリカの陸軍士官から日本のあり方がわかるのかそれでは長い灰色の線を紹介します

長い灰色の線 [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 モーティー・マー(タイロン・パワー)が辞職命令に不満で大統領に撤回するように働きかける。彼がアイルランドからやって来て、ウエストポイントにやって来てからの50年間が語られる。
 アイルランドからやって来た青年のモーティー(パワー)はウエスト・ポイントに最初は給仕として働いていたが失敗ばかりしていた。やがて彼は兵隊になることを志願して軍隊の訓練を受けようとするが、体育の主任であるハーマン・ケラー大尉の助手になるように勧められ、彼はウエスト・ポイントで体育を教えることになる。
 
 やがてモーティー(パワー)はメアリー(モーリン・オハラ)と結婚し、彼はアイルランドに帰ることにしていたのだが、メアリー(オハラ)の計らいでウエスト・ポイントの中で暮らすようになる。
 やがてメアリー(オハラ)は妊娠して、モーティー(パワー)は教え子達から祝福され、今やウエスト・ポイントに愛着を感じていた彼は産まれた子供をウエストポイントに入れて学ばせようと思っていたのだが、不運にも死産
 落ち込むモーティー(パワー)とメアリー(オハラ)を慰める教え子たちの姿。

 やがて第一次世界大戦モーティー(パワー)の教え子達も戦場へ向かう。
 アメリカは戦争には勝つが、教え子達の戦死の報告が息子同然の教え子達の戦死に対してモーティー(パワー)とメアリー(オハラ)の心は痛む。

 年月が流れ、妻のメアリー(オハラ)は死に淋しさを感じるモーティー(パワー)だったが、そんな淋しさを癒すのが毎年ウエストポイントに入学して来る教え子達との交流だった

 アメリカ軍のエリート中のエリートであるウエストポイント前半はモーティー・マーの駄目キャラ振りが笑えるが、一転してモーティーと教え子達の交流の長い年月が駆け足で描かれる。
 二つの世界大戦における教え子達の死と、それと入れ替わるかのように新しくウエストポイントに入学してくる教え子達。悲しみと喜びの両方が伝わってくる映画。

 ヒューマニズムな点から観ても感動できる映画だけれど、ウエストポイントに流れる伝統、そして人種はバラバラなのにウエストポイント出身の若き兵士達の戦場へ向かっていく時の一丸となる愛国心、そしてウエストポイント出身であることの誇りなどが描かれていることも今の日本人には教えられる部分がある。

 国際化の波に日本の素晴らしい伝統愛国心誇りが最近ズタズタになってしまっているように感じるのは僕だけだろうか。日本と言う国のあり方を日本人自身が再確認する必要をこの映画を観ると感じます。
 
 ちなみに題名の長い灰色の線とは、軍隊の行進する姿を現しています

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 


 
  
 
 

 

 



 

 
 
 

 

 
 
 

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 流されて・・・(1974) 男女の究極の愛を描いた映画というよりも

2010年11月21日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 ガイ・リッチー監督で、マドンナが主演のスウェプト・アウェイという映画を観たけれど、この作品が酷評の嵐
 僕はこの映画を初めて観たときは、今回紹介する流されて・・・のリメイクということを知っていたし、実際に流されて・・・も20年ぐらい前に観ているから、斬新さの無い、旦那が(ガイ・リッチー)が嫁さん(マドンナ)の言いなりになって撮ってしまった映画ぐらいにしか思わなかったのだが、確かに僕が最もエキサイティングな楽しい映画だと思っているロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズを撮った監督とすれば、あまりにも平凡すぎる映画であるのは確かである。

 今回紹介する流されて・・・を初めて観たのは高校生の時で、この映画を観た目的はエロ
 この映画のリメイクであるスウェプト・アウェイに自らセックス・シンボルを自負するマドンナが出たがる理由もわかる

 今回改めて流されて・・・を観ると驚いた。流石に20年以上も経つと自分の知識が豊富になっていて、僕の頭の中の支配率がエロさ100パーセントではない事を

 映画というのは再見すると新しい事を発見できる。この流されて・・・もただのエロいのが目的だけの映画だと思っていたのが、実はこの映画の製作された1970年代のイタリアの社会的背景が描かれていることがわかる。

 イタリアというのは日本と同じく戦敗国。そして日本と同じくどん底の状態から目覚しい経済発展を遂げた国である。ところが経済発展を遂げるのは決して良いことばかりでは無かった。
 ヨーロッパに吹き荒れた共産主義から資本主義の導入によって格差社会、環境汚染、ブルジョワジーの台頭、マフィア、テロ、政治腐敗のような問題が実はこの流されて・・・には非常にわかりやすく描かれている。
 そして文明社会に対する痛烈な批判が描かれている事も非常に重要。裕福な世界にどっぷりつかってしまった人間の無力さを教えてくれる。
 単なるエロ映画だと思っていたのが、再見すると実は社会派映画だった流されて・・・を紹介します

流されて… デジタル・リマスター版 [DVD]

エスピーオー

このアイテムの詳細を見る


 夏の豪華客船においてブルジョワ夫人のラファエラ(マリアンジェラ・メラート)は出てくる料理に不満を言い、船員に対して傲慢な態度をとっている。
 そんなラファエラ(メラート)の態度に対して召し使いのジェナリーノ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は苦々しく思っているが、ひたすら耐えていた。

 ラファエラ(メラート)は客船から離れてボートで出かけたいと言い出し、ジェナリーノ(ジャンニーニ)は仕方なくボートを出す。
 ところが2人が乗ったボートは途中で故障し、無人島に漂流してしまう


 
 無人島での自給自足を必要とする生活において2人の立場が逆転してしまう。自分で火をおこし、魚を釣り、自活するジェナリーノ(ジャンニーニ)に対し、ブルジョワ育ちのラファエラ(メラート)は自分で生活できない。

 そんな2人の主従関係が逆転してしまい、今まで屈辱を受けてきたジェナリーノ(ジャンニーニ)はラファエラ(メラート)を辱める。
 無人島での生活において身分階級が逆転してしまうが、不思議なことに2人には非常に心地良い無人島での生活が送られる。

 無人島での幸せな?生活がこのまま続くかと思われたが、2人を探していたヨットが表われ・・・ブルジョワの傲慢さは映画を観てください

 豪華客船でおけるブルジョワ達の傲慢さの描き方は見ていて腹が立つ。まるで事業仕分けにおける某女性大臣以上の威張り散らしようである
 事業仕分けは国民のために無駄なお金を捻出しようという意図があるが、このブルジョワの傲慢さが自己満足のみ。
 豪華客船を舞台にした上流階級と底辺社会における労働階級の対比がえげつない。

 ところが何も無い無人島でブルジョワと労働階級の人間が一緒になって暮らすと傲慢なブルジョワ気質が脆くも崩れ去ってしまう。
 そして高慢な振る舞いをしていたブルジョワ女の本質がなんとドMだったという皮肉さ
 無人島の暮らしになればブルジョワも労働階級も無く、そこには身に何もまとっていない赤裸々な男女の姿があるだけである。
 このことを男女の究極の恋愛だと言うのだろう

 しかし驚くのがこの映画の監督はリナ・ウェルトミュラーという女性監督
 女性監督と聞いて驚くが、たしかに男性では描き切れない映画のような気もする。

 ちなみに召し使い役のジャンカルロ・ジャンニーニはヴィスコンティ監督のイノセントや、レクター博士で有名なハンニバルではイタリアの刑事役だった人です。
 映画自体はコメディタッチでもあり、笑える部分もあります

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします





 

 


 
 

 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997) 絶望感漂うロード・ムービーなのだが

2010年09月19日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 古今東西問わずに人間が死に直面した時というのは映画のテーマとしてたくさん描かれている。
 黒澤明監督の生きる、フランソワ・オゾン監督の僕を葬(おく)る、ロブ・ライナー監督の最高の人生の見つけ方、イザベル・コイシェ監督の死ぬまでにしたい10のことなど、まさに様々な国でこのようなテーマが描かれている。
 そのような映画を見るたびに僕は今までの人生を反省するのだが、もし僕が死を宣告されたら前述した映画の主人公のように残りの人生を他の人、世のために尽くすことができるのか
 悲しいことに自分はそんなに高尚な人間では無いようだ

 そんな死を目の前にした高尚な人物たちばかりを観てきて自己嫌悪に陥ってきた時に、面白い映画に出会った
 それが今回紹介したいノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
 ここに登場する2人の主人公は死を宣告されるが、病院から抜け出すとその後は無茶苦茶な行動を起こす。
 確かにもうすぐに死ぬんだから、残りの人生を自分のやりたい放題に生きたいというこの主人公たちの行動は理解できる。
 
 しかし、この映画は死をテーマにした作品でありながら全体的な印象はコメディタッチ。クエンティン・タランティーノ的な作風と笑いが堪能できる映画だ。
 実はこの映画は日本で最近リメイクされている。トキオの長瀬君が主演したいるのだが・・・あんまり興味が無いね。それではノッキン・オン・ヘブンズ・ドアを紹介しよう

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア (デジタルニューマスター版スペシャル・エディション) [DVD]

角川エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 たまたま健康診断に病院を訪れた2人の男が同じ病室に入ってしまう。マーティン(ティル・シュバイガー)は既に手術しても手遅れであるほど巨大化してしまった脳腫瘍、そしてもう1人のルディ(ヤン・ヨーゼフ)が末期症状の骨髄腫
 彼らは病院の駐車場にあった車を盗んで外へ出る

 一方、2人組みのヤクザが車で急いでいると、少年を轢いてしまう。少年を病院へ連れて行くが



 マーティン(シュバイガー)とルディ(ヨーゼフ)は盗んだ車の中に大金があるのを知り大喜び
 ところがその盗んだ車は2人組みのヤクザの車であった
 マーティン(シュバイガー)とルディ(ヨーゼフ)はヤクザに追われ、更に彼らは警察からも追われるが・・・



 マーティン(シュバイガー)とルディ(ヨーゼフ)の2人の凸凹コンビの逃走劇の行方と、この2人の向う所とは・・・
 この登場人物の間抜けっぷりは笑えるので映画を観て下さい

 マーティン(シュバイガー)とルディ(ヨーゼフ)はもはや自らの命が少ない事を知っているから、ヤクザから追われようと、警察から追われようと平気だ。
 とにかく彼らは逃げるのに銃で市民を威嚇するのはヘッチャラだ本来なら自暴自棄的な雰囲気が漂っても仕方ないのだが、彼らの命が実は短い事を忘れてしまいそうになるぐらい笑えるシーンを用意してくれている。
 ヤクザの2人組みと警察の駄目さは痛快である
 
 しかし、マーティン(シュバイガー)とルディ(ヨーゼフ)の2人は偶然手に入れた大金を派手に使いまくる。その大金の使い方が実に愉快
 もし自分が明日死ぬことをわかっていたら、持っているお金を全部使い果たすだろう。
 ちなみにヤクザの2人組みのアラブ人扱いされる男優はモーリッツ・ブライプトロイ。彼は人間の本能をぶち壊す実験を描いたES『エス』の主人公。

 そして厳つい表情で逃亡するマーティン役のティル・シュバイガーがタランティーノ監督のイングロリアル・バスターズでドイツ人でありながら、ナチス将校を次々に殺害していき、バスターズ達からスカウトされる重要な役で出演しています。

 既に10年以上前の作品だけれど、ルトガー・ハウアーが出てきたり、キャスティングも楽しめる映画です

にほんブログ村 映画ブログへ

人気blogランキングへ    
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします




  
 

 

 
 
 
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ねえ!キスしてよ(1964) ビリー・ワイルダー監督の遊び心満載の映画

2010年09月03日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 いつも書くことだけれど僕の1番好きな映画監督はビリー・ワイルダー
 巨匠であり映画史に残る多くの名作を残してきた彼だが、アメリカ映画のドンパチアクション映画に毒されていた僕に映画の名作の素晴らしさを教えてくれたのが、彼のアパートの鍵貸します。この映画を観た時は大いに笑えたし、映画を観る時の基準に監督で観ることを教えてくれたのが”アパートの鍵貸します”だ

 彼の映画には深夜の告白サンセット大通り情婦のようなサスペンス映画においても名作があるが、彼の真髄はアパートの鍵貸します、お熱いのがお好きワン・ツー・スリーにおけるコメディセンスが挙げられる。

 例えばチャップリンの映画を観ても思うが、コメディという映画の分野に限らずお笑いという分野において現在においても影響を与えていると思う。
 だからビリー・ワイルダー監督の映画は古い作品でも今観ても全く色褪せていないどころか、今の下ネタでしか笑いの取れないコメディとはレベルが違う。

 僕みたいな映画の中における映画の話、いわゆる楽屋落ちみたいなのが出てくると僕は喜ぶタイプ。
 最近の映画でいうとオーシャンズ12におけるブルース・ウイルスが本人役で登場したり、マルコヴィッチの穴のようにジョン・マルコヴィッチが本人役で登場していると思わずニヤリとしてしまう。

 そのような楽屋落ちがビリー・ワイルダー監督の映画においてよく出てくる。例えばサンセット大通りにおいて、十戒で有名なセシル・B・デミル監督が本人役で登場するし、そう言えばバスター・キートンも本人役のような感じでカメオ出演している。

 ワン・ツー・スリーにおいても今でも名作である風と共に去りぬ、甘い生活、スパルタカスのような当時ヒットした映画のタイトルが上手く台詞に使われているだけで楽しい。

 そして今回紹介するねえ!キスしてよにおいてはディーン・マーチンが本人役?で出演している。



 彼の有名な映画と言えば底抜け二丁拳銃シリーズが有名だが、僕にとってはリオ・ブラボーのアル中の保安官役が印象に強い。
 しかし、実は彼は歌手でありシナトラ一家で有名で非常に有名。
 しかも実際に彼の愛称はディノであるが、今回紹介するねえ!、キスしてよにおいてもディノ役で出演しており、役柄も女好きの有名歌手であることからもまさに本人役と言って良いだろう。
 それではビリー・ワイルダー監督の遊び心が満載のロマンティック・コメディのねえ!キスしてよを紹介します

ねえ!キスしてよ [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

このアイテムの詳細を見る


 一興行を終えた歌手のディノ(ディーン・マーチン)が、次の興行地であるラスベガスへ行こうとするが生憎道路が工事中のために遠回りするが、途中のガソリンスタンドで思わぬ足止めを喰らってしまう。

 そのガソリンスタンドの主人であるミルサップ(クリフ・オズモンド)とその隣人のスプーナー(レイ・ウォルストン)は、有名歌手であるディノ(マーチン)を引き止めるために無理矢理スプーナー(オズモンド)の家に宿泊させる。

 実はミルサップ(オズモンド)は作詞家であり、スプーナー(ウォルストン)は作曲家であるが2人は全く売れないコンビ
 ディノ(マーチン)が通りかかったことにより、2人は自分達の作った曲を彼に売り込むために彼をスプーナー(ウォルストン)の家に宿泊させる事を思いついたのだ。

 しかしスプーナー(ウォルストン)は初老も同然の男だったが、彼には若くて美人であるセルダ(フェリシア・ファー)という妻が居た。
 女たらしで有名なディノ(マーチン)を自分の家に泊めて、セルダ(ファー)がディノ(マーチン)の取られないかをやきもち妬きのスプーナー(ウォルストン)は心配するが、さらにセルダ(ファー)から、昔からディノ(マーチン)のファンである事を告げられてしまう

 ミルサップ(オズモンド)はディノ(マーチン)が泊まっている間のスプーナー(ウォルストン)の心配事を取り除くためにアイデアを考えた
 セルダ(ファー)をディノ(マーチン)が居る間だけ実家へ帰し、セルダ(ファー)の代わりの妻を近くの”へその尾”というキャバクラの1番の美女であるポリー(キム・ノヴァク)を連れて来て、彼女にディノ(マーチン)の相手をしてもらおうという作戦だった。

 スプーナー(ウォルストン)の行動に不審なことを感じたセルダ(ファー)だったが、あまりにも強引なスプーナー(ウォルストン)の行動によりセルダ(ファー)は実家へ帰ってしまうと同時に、ミルサップ(オズモンド)がポリー(ノヴァク)を連れて帰って来た。
 案の定、女たらしのディノ(マーチン)はスキを見てはポリー(ノヴァク)に迫ってきた
 しかし、スプーナー(ウォルストン)は次第に現実と芝居が混乱してしまいポリー(ノヴァク)を本当の妻だと勘違いするようになり、ディノ(マーチン)がポリー(マーチン)に迫る姿に嫉妬を感じてしまい・・・続きは映画を観てください

 ストーリーはかなり強引な設定ではあるが・・・しかしビリー・ワイルダーは笑いを心得ている
 スプーナー(ウォルストン)がディノ(マーチン)を自宅から追い出してしまうシーンは抜群のコメディセンス
 笑いのセンスが全く古くないのが良いね。



 そしてアルフレッド・ヒッチコックのめまいで妖艶な美貌を見せているキム・ノヴァクが出演していることに驚いた。
 ”めまい”の彼女のインパクトはかなり強かったけれど、この映画の彼女はコメディエンヌ振りを発揮しているし、妖艶さも見せている。
 それにしても自分自身を演じているディーン・マーチンだけれど、よく本人はこのような役設定に対して怒らなかったね

にほんブログ村 映画ブログへ

人気blogランキングへ    
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 
   




 

 

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ニュー・シネマ・パラダイス(1989) 物凄く映画愛があふれている作品

2010年04月05日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 僕の見解と世間の評判において、かなり相違のある映画は多々あるよく名作と呼ばれる映画において挙げていくと、僕はスタンリーキューブリック監督の作品はだいたい好きだが、2001年宇宙の旅は今まで5回観ているけれど、全くこの映画の良さがわからない
 しかし、あのSF映像は確かに当時は凄いと思うだろうけれど、僕みたいな30歳代の人間にとってはあれぐらいのSF映像に慣れているから凄いと思わないのかもしれないけれど、『スターチャイルド』や『石版』などの意味が良くわからなかった
 他にルキノ・ヴィスコンティ監督の作品ではヴェニスに死す、地獄に堕ちた勇者たちの2作品も僕にとっては気持ち悪いだけの映画しかし、この2作品は退廃的なムードが良いのかよくわからないが僕には合わない
 そしてアメリカ・ニューシネマの代表的作品と呼ばれるイージー・ライダーも実は観た時、ちょっと退屈な映画だったこの映画も30歳代の僕には当時観た人のような斬新さは感じなかったのだと思うまさに汚染されたアメリカが描かれていたが、この映画からアメリカの病を特に感じる事もなく、むしろ他の映画からアメリカの社会的問題を知ることが多かったのがその理由か
 他にジャン・リュック・ゴタール監督勝手にしやがれに至っては全くこの映画の面白さが理解できない
 この映画も公開当時に観た人は、確かに新鮮な映画だったのかもしれないしかし、この映画も僕の世代で好きという人は少ないと思う
 編集のジャンプカット、ロケ撮影、破滅的な主人公にこの映画の魅力があるのかもしれないが、正直ストーリーは大したことが無いしこの映画の魅力は僕の世代では既に観ることが出来る映画であり、時代の流れから言えば少し古い映画のような気がする
 時代を超えて訴える映画では無いように感じるのだ
 今まで挙げた映画は僕が生まれる前か、生まれる直前の映画
 僕が生まれてからの評価の高い映画ではタイタニックの良さが僕にはわからない
 海洋パニック映画として観るのならば、ポセイドン・アドベンチャーの方が、遥かに面白いし、天国と地獄がひっくり返ったようなテーマ性があることから、僕は海洋パニックムービーとして明らかに『ポセイドン・アドベンチャー』の方に軍配を挙げる
 また身分を越えた恋愛に感動するのであれば、それこそ映画においてそのような恋愛映画はたくさん観てきた
 今、アバターという大ヒットしているジェームズ・キャメロン監督の作品だが、特に監督が凄いとも思わないしごく普通の映画に僕は思っているしかし音楽は良いね

 しかし、あえて逆説的なことを言うけれど今挙げた映画は観るなと言っているのではないむしろ僕が言いたいのはその逆で絶対に観て欲しい
 あくまでも映画というのは人によって好き嫌いがあるのは仕方が無いし、世代が変われば考え方も違うし、また色々な意見があるのは良いこと
 この映画は観て損するから、観るのを止めろなどというような野暮なことは僕は言わないちなみに今まで挙げた映画は全部、DVDやビデオだけでなく映画館でも観ています映画館で観ていないから今までに挙げた映画の良さがわからないのだと言うような否定的な意見は僕には通用しませんもっと他の理由を挙げて、コメントに意見を述べてください

 逆に僕はこの映画は満場一致で感動する名作だと思っている映画で意外に批判的意見が多いのが、今回紹介するニュー・シネマ・パラダイス
 主にこの映画の批判的記事としてただ単に面白くないと述べている記事が多かったが、僕が最も映画愛を感じる作品として挙げるのがこの映画だ
 しかし、僕はこの映画を観るのは実は今回が20年振りなるちなみにこの映画は劇場ではなくビデオでしか観ていません
 でも僕が当時観た、ニュー・シネマ・パラダイスは多分2時間ぐらいの作品を観たと思うのだけれど、今回観たニュー・シネマ・パラダイスは3時間という長編しかも今回のは完全版と付いている
 確かにディレークターズカット版と言って、劇場公開版よりもDVDの方がシーンを付け足して長い場合があり、そういうのは僕が知っている限り全部失敗
 無駄に贅肉を足している感じがして、劇場公開版より面白くないのだ
 そういうところにも注目して今回は3時間バーションのニュー・シネマ・パラダイスを観たけれど、果たして今回観た感想は・・・それではストーリーを軽く紹介しよう
ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション [DVD]

角川エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 現在ローマに住んでいるサルヴァトーレ(ジャック・ぺラン)は映画監督として成功を収めているが、彼は結婚もせずに、数々の女性と付き合っていた
 そんな彼のもとに、故郷のシチリアの母親から電話が掛ってくる
 アルフレード(フィリップ・ノワレ)が死亡したという連絡だった
 その知らせを聞いたサルヴァトーレ(ペラン)の脳裏に30年前までシチリアで過ごした少年時代から青年時代の思い出が走馬灯のように駆け巡る

 サルヴァトーレが少年の頃、お母さんからのお使いを頼まれて買い物に行くフリをしていつも映画館へ通っていた
 いつも母親に怒られていたサルヴァトーレだったが、彼は映画館の映写室へ行くのが楽しみだったその映写室にいるのはアルフレード(ノワレ)だったが、いつしかサルヴァトーレとアルフレード(ノワレ)との間に友情が生まれる
 次第にサルヴァトーレは映写室でのアルフレード(ノワレ)の仕事を観る内に彼の仕事を覚えて、アルフレード(ノワレ)の代わりにサルヴァトーレが映写室での仕事を手伝うまでになる
 この時代は大人にとっても、子供に取っても映画が唯一の娯楽だった

 ある日、映画館内で映画を観られなかった人のためにアルフレード(ノワレ)とサルヴァトーレは屋外で映画を観られるようにした屋外の人達は大喜びだったが、映画館はその時火事で炎に包まれる
 サルヴァトーレはアルフレード(ノワレ)を難とかして助けだすが、アルフレード(ノワレ)は失明してしまう
 この村では映写技師はアルフレード(ノワレ)しか居なかったが、彼の仕事の後を青年になったサルヴァトーレが継ぐことになる
 青年のサルヴァトーレにもエレナという好きな人が出来るが、エレナは良いところのお嬢様であり、二人の仲は進展しないがアルフレード(ノワレ)の助けでやがて2人は親密な仲になっていく
 しかし、兵役を迎えたサルヴァトーレはエレナと再会を誓うが、兵役に就いて以来サルヴァトーレはエレナと出会う事がなくなってしまう
 兵役を終えシチリアに戻るサルヴァトーレだったが、彼はアルフレード(ノワレ)からシチリアを出ることを勧められるそして、さらにアルフレード(ノワレ)から厳しい言葉を投げかけられる何があってもシチリアに二度と戻ってくるな

 それ以来サルヴァトーレ(ミラン)は30年間もシチリアに戻ることも無く、そして彼は母親に対しても30年間連絡すらしなかった
 そんなサルヴァトーレ(ペラン)だったが、アルフレード(ノワレ)の死去を聞いて、故郷のシチリアに帰ることにする
 サルヴァトーレ(ペラン)が30年ぶりに観るシチリアは当時とはだいぶ変わっていた彼の愛した映画館も今は廃屋同然になっていて、明日に爆破されてしまった
 そしてサルヴァトーレ(ペラン)はエレナの姿を見かけるが、それは・・・そして、サルヴァトーレ(ペラン)は30年前にアルフレード(ノワレ)が自分に言った事の意味を理解するときに、彼はその裏側の真実を知る
 そしてサルヴァトーレ(ペラン)はアルフレード(ノワレ)が映画の検閲によりカットしたシーンのフィルムを見つける

 ローマに戻ったサルヴァトーレ(ペラン)は1人で映写室に篭り、そのカットされたシーンをつないだフィルムを見て・・・まさに映画愛を感じるラストシーンは映画を観てください

 この映画を見ていると、例えばバスター・キートンや、映画カサブランカのポスターを見ることができたり、過去の名作であるどん底、揺れる大地といった過去の名作が流れるし、またさすらいという映画が効果的に使われる
 昔からの映画ファンにとっては、たまらないほど嬉しいシーンが出てくるのであるしかし、それと同時に映画における技術的進歩が垣間見る事が出来て、そして映画という娯楽が、既にテレビやビデオ(まだDVDは1989年公開時は普及していません)によって廃れていった事に対する嘆きが感じられる
 僕はこのニュー・シネマ・パラダイスと言う映画は映画の中の映画だと思っている
 そして映画愛がたくさん詰められた映画である
 この映画をつまらないと感じる人の理由を考えると、やっぱり映画に対する捉え方が違うのだと思う僕が映画を興味を持った時は、シルベスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーが出演していたようなアクション映画全盛時代
 確かにアクション映画ばかり見ている人が多い僕の世代では、この映画に対する感動がどこにあるのかわからないのかもしれない
 今回改めて観て僕には昔は映画しか娯楽が無かった時代を知ることが出来て、興味を持ってみることが出来た
 しかし、今回の3時間バージョンはどうやらサルヴァトーレとエレナの恋愛関係が丁寧に描かれているのかな僕は昔観た2時間バージョンの方が映画に対する想いがよく伝わる映画だったように思うけれど
 ちなみに監督はジュゼッペ・トルナトゥーレ彼の映画では、同じくシチリアを舞台にしたマレーナも綺麗な映画でお勧めですよそれに音楽も良いしね
にほんブログ村 映画ブログへ

人気blogランキングへ    
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 
 

 


 
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 ナインスゲート(1999) 古本を探す探偵という仕事があるのか?

2010年02月02日 | 映画(な行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 最近のジョニー・デップの活躍は素晴らしい
 彼の出演している映画を、観ているとかなり厳選して選んでいる事がわかる。彼が本当の意味でのハリウッド映画の大作に出演している映画といえば、実際のところパイレーツ・オブ・カリビアンぐらいだろう
 彼の映画作品を観ると、ティム・バートン監督シザー・ハンズ、チャーリーとチョコレート工場など、そしてラッセ・ハルストレム監督ギルバート・グレイプ、ショコラ、そしてジム・ジャームッシュ監督デッドマンなど、実に個性的な監督と仕事をしていることからもわかる
 そして今回ジョニー・デップ主演のナインス・ゲートロマン・ポランスキー監督
 それにしてもジョニー・デップの色々な役柄を演じ分ける演技力は凄いコメディーからシリアスまで何でも来い
 今回の彼の役柄が、古本を探す悪徳探偵
 実際にその作者が書いた本を探す仕事だ普通16世紀に書かれた本、そのような昔に書かれた原本が実際に存在するとは本の品質上、どんな高級な紙を使ってもそのまま原本が存在するとは僕には思えないのだが
 しかも、今回彼が探し出さないといけない本は悪魔(ルシファー)によって書かれた本
 なかなか題材としては面白いミステリー映画それではナインス・ゲート(9番目の扉)ようこそ
ナインスゲート デラックス版 [DVD]

パイオニアLDC

このアイテムの詳細を見る


 ニューヨークにおいてコルソ(ジョニー・デップ)は目利きの本を見分ける本の探偵非常に価値のある本を客を騙して、安い値段で交渉するなかなか悪(わる)の本を探し出す探偵そんな彼の元に悪魔のことを研究しているバルカン(フランク・ランジェラ)から依頼が来た
 その依頼とは悪魔によって書かれた本をどんな手段を使ってもいいから奪い取っとくれという依頼だった

 その本は悪魔に対する祈祷書でこの世に3冊存在するその本の名前は影の王国への九つの扉という本で、コルソ(デップ)も耳にしたことはあるがその本が3冊存在することは知らなかった
 バルカン(ランジェラ)から法外の金額によって依頼を受けてしまうコルソ(デップ)1冊はバルカン(ランジェラ)が持っていて、コルソ(デップ)は参考のためにその本を持って出かける
 コルソ(デップ)は元々その本を持っていた大富豪の自殺した夫の未亡人のテルファ(レナ・オリン)に出会うが、彼はテルファ(オリン)と良い仲になってしまうしかし、何故かテルファ(オリン)はバルカン(ランジェラ)から借りた本を返せと迫ってきた
 コルソ(デップ)は暫く、古本書店の友人の所へ本を預けるが、その友人は殺されてしまう

 コルソ(デップ)は、その本を持って残りの2冊の本を探すためにスペイン、ポルトガル、フランスへ2冊の本を探すために各所を訪ねるが、何故か彼の側に謎の美女(エマニュエル・セニエ)が付きまとい、しかもコルソ(デップ)が出会った残りの2冊の本の持ち主はそれぞれ殺され、彼自身も命を狙われそうになるが、何故かピンチの時に守護神の如く、やたら格闘技の強い謎の美女(セニエ)に危機を救われる
 しかし、別にコルソ(デップ)が探している本を奪おうとしている人間がいた
 果たして、一体その影の王国の九つの扉の本には、一体どんな秘密があるのか
 コルソ(デップ)を使って残りの2冊の影の王国の九つの扉を見つけ出そうとするバルカン(ランジェラ)の狙いは
 そして謎の美女(セニエ)の正体は
 そしてコルソ(デップ)自身も、その影の王国の九つの扉の本の魅力に陥ってしまうが・・・この謎だらけのストーリーの続きは映画を観てください

 途中のイメージは今回紹介したナインス・ゲートロマン・ポランスキー監督ローズマリーの赤ちゃんを思い出させる感じがある謎の美女を演じるエマニュエル・セニエの存在も同じポランスキー監督の作品でハリソン・フォード主演のフランティックの役柄と重なる
 
 しかし、今回紹介するナインスゲートは、どこか建築物など古典的な感じが15世紀に悪魔の手によって書かれた本という中世の時代感を出すのに成功しているね
 そういう意味では薔薇の名前という映画に似ている感じもする
 それにしてポランスキー監督の戦場のピアニストにも言えることだけれど、彼の映画のカメラワークは構図が凄く明確
 まさに奥行きを感じさせる彼のカメラワークは素晴らしいしかし、正直解釈の難しい部分もあるのも事実
 細かい部分でツッコミを入れたいところはたくさんあるけれど、悪魔によって書かれた本を探し出そうとするこのテーマはやっぱり面白いし、楽しめる映画になっているので観てください

にほんブログ村 映画ブログへ

人気blogランキングへ    
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする