熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

逃避行

2010年07月03日 | 音楽
先日のピアノコンサートでのドビュッシーとリストの曲ですが…
国は違っても、どちらも印象派的で、作曲者を逆に言われても素人にはわかりません。
(ドビュッシーは生で聴けませんでしたが)

今頃、プログラムを読んだり、本を読んだりしてみて「へぇ~!」を連発。

ドビュッシーは、閻魔いえ人妻エンマとジャージー島に駆け落ち。
禁断の恋に燃えて書いた曲?が「喜びの島」でした。

気の毒なのは、彼の妻。
ショックを受けてピストル自殺未遂。
ドビュッシーって、計2名も女性を自殺未遂に追い込んだワルイ奴です!

ちなみに、エンマさんも奔放な人妻で、ドビュッシーの前はフォーレの恋人でした。

リストの場合も、なんと駆け落ちツアーで出来た曲です。
巡礼の年というタイトルからは、想像できません。
もっとも、長期旅行(というか滞在)で見聞したものを浄化させてエラク高尚な曲に仕立ててあります。
駆け落ち→巡礼ですから。
隠喩や暗示が多いらしく、素人には難しかったです。

その辺が、演歌の世界とは違いますね。

リストのお相手は伯爵夫人マリーさん。
旅行中に、のちのワーグナー夫人のコジマも生まれたりするんですね。
しかしマリーさんとは破局し、作家となった彼女はリストをめちゃくちゃに書いて復讐?

ポピュラーな名曲「愛の夢」はマリーさんとの愛ではありません。
今度は侯爵夫人。
彼女とは、結婚を望んだそうですが、離婚訴訟がうまくいかず実現しませんでした。

以上、曲の背景が両者駆け落ちとは、意外なオチでした。

話題が飛んでしまいますが、
もう一曲ベートーヴェンのソナタがありました。

ザウターというメーカーのピアノだったのですが、
ベートーヴェンの曲と、このピアノの個性がぴったりだという会話が聞こえてきました。
後で、わからないながらも、私もそう思いました。

リストは、高音が少々金属的に響くのが気になったのです。
もっと牧歌的な響きのピアノだったらいいのにと勝手に思いました。

ここのホールはピアノが5種類もあります。
曲によってピアノを替える企画なんて、ないんでしょうね。