熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

見たもの

2017年08月24日 | アート
毎日暑い!
駅までバスやタクシーを利用しがちで歩く時間が激減、運動不足。
そうだ、美術館へ行こう!
広い美術館を歩きまわろう。

「怖い絵」展へ。
珍しいことに、若者で混雑。
ベビーカーまでチラホラ。
アテがあずれ、歩きまわれません。

目玉作品は「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。
イギリス王室も血生臭い歴史に彩られております。
ナショナル・ギャラリーにあるこの作品、てっきりイギリス人画家作かと思ったら、フランス人でした。
余計なことですが、ギャラリーが洪水に襲われ一時行方不明になっていたそうですが、こんな大きな作品がなぜ行方不明になるのか不思議で気になって。。。
同じような大作が1万枚くらいある場面を想像してみたり。。。

それにしても、何と美しいリアリズム。
肌、血管、指先、布の質感の描写力に見入ってしまいました。
近くに、描写力では他を圧倒するはずのダヴィッドの作品がありましたが、
エスキースのせいもあるのか、冴えない印象でした。
帰って、画家ドラローシュを調べてたら、なんとダヴィッドの孫弟子でした。

テーマ別に6つの章に別れ、ヨーロッパのたくさんの絵を見ましたが、
結局、美術館ではスマホの万歩計はあまり進みませんでした。

全体にそんなに怖くありませんでした。
「怖い音楽」のコーナーもあっても面白いかも。

久々にピラネージの作品に出会って、いつ見てもいいなぁと。
バッハ、マタイ受難曲あたり聴きながら見たいと思ったとさ。

駅までにもう一つ、小さな美術館があるのですが、そこはお客1人。
現代美術、鉄の作品です。
猛暑の中でも熱した鉄をああでもないこうでもないとひん曲げる作業に無上の喜びを感じる私より年上の作家さん。
熱い男の情熱に拍手です。
ヘタレの自分に活!

防音室で暮らす

2017年08月08日 | 日常
立秋とはいえ、暑さ真っ盛り。

連日35度前後。
安眠のための工夫に毎年悩む。

昨年2月に出来た防音室。
初夏に、引き払った仕事場の荷物を防音室に運び込み仕事場も兼用。
しばらくはダンボールの山で練習スペースの確保するのが精一杯。

そんなドタバタで昨年気づかなかったのが、防音室の保温性。
午前0時にエアコン消しても朝まで28度をキープ!

室外機も日陰にあって、終日エアコンは効きやすい。
家中で防音室は一番の避暑地なのでした!

そうだ、防音室で暮らそう!

早速、狭いけどひんやりした床にマットを敷いて寝ることに。
遮光カーテンはオーダー中で、元寝室のカーテンをはずしてかけ、足りないところは風呂敷を吊るす。
エアコンなしで静かだし、とても快適!

オペラレクチャー・コンサート

2017年07月26日 | コンサート
大野和士さんのレクチャー・コンサートの2回目。

一回目から、な、なんと8年も経っていたのにはビックリ!
10年一昔じゃなくて、10年はつい先日!?のお年頃か。。。


その割には初回の細かい記憶は飛んでいますが(今回、同じ演目でも初耳に感じる忘却力!)
オペラの魅力とともに、大野さんの熱演やお話に惹き込まれ、鮮烈な印象が残っていました。


今回は、9名ものそうそうたるオペラ歌手の登場でコンサート部分が多く、
ハイライトシーンの連発で、見事なオペラ熱唱に圧倒されました。

幸せの絶頂と壊滅的な悲劇がオペラの見せ場なのですが、
それを表現する音形の解説が興味深かったです。
同じ音形をキーを上げながら繰り返すとクライマックスへ。
歌詞、音、指揮での連携盛り上げも。
その逆も。

ちょうどこの日の新聞に「音楽は…融通無碍にいろいろな方向に人を引っ張り込む力を持つ危険な存在である」(渡辺裕)ということばが出ていたのを思い出しました。
作曲等、いろんな操作で観客は感情を操られるという事実も知るべきなのでしょうね。(例 ナチスに利用された第九)
「昨今のような感動や怒りの大安売りの時代には、その効果を制御しうる醒めた知を鍛えねば」と、ありました。

う~ん、むずかしい。でも、元々醒めている方です私。


●演奏曲目
プッチーニ:《蝶々夫人》より
「夕暮れは迫り」(愛の二重唱)、「ある晴れた日に」、「友よ伝えて」(手紙の二重唱)
ドニゼッティ:《ルチア》より
「裏切られた父の眠る墓で」(愛の二重唱)、六重唱「誰が私の怒りを収められよう」、
「香炉はくゆり」(狂乱の場)
レオンカヴァッロ:《道化師》より
「大空を晴れやかに」(鳥の歌)「衣装をつけろ」「勇気を出せ!男といたな!」(第2幕フィナーレ)

@いずみホール


天神祭と重なって熱狂の人出と戦いながら、熱狂のオペラレクチャー・コンサートに行けて大満足。

スポットライトはまぶしかった

2017年07月19日 | チェロ
広告が入ってしまうほどご無沙汰で失礼しています。
チェロ弾いてます。

前回書いたように、上昇気流に乗れると信じつつ今日に至る。
気の持ちようは大切です。

それで、2年ぶりの大きな舞台での演奏も何とか無事クリアできてホッとしているところ。
地元の名門ホールなので出演者の意気込みがスゴかったです。

人生かけてチェロを熱愛するお若い先輩チェロ弾きさん達に大いに刺激を受け、そしてこんなアラ還にまでアドバイスや励ましをいただき感謝感激。

本業でも活躍されている上にオケにソロ活動に頑張っている方々、そのバイタリティにただただ脱帽です。

後で、聴きに来てくれた友人に「ちゃんとエンドピン出してから出場するように」言われました。
お客さんにとっては「何ゴソゴソしてんねん!ルーティンか!?」
椅子の高さ、エンドピン刺すポイント、お尻、足を置く位置、決めることが多い。
弓の張りをチェックし忘れて、1音弾いてゆるいので一瞬動転!
一応、音が鳴ったので落ち着くことができた。

演奏する時は祈る気持ち。
うまく弾こうという祈りではなく、祈りを捧げたい人に祈る。
正直、しっかり祈るところまで余裕なかったかも。
でも、心の中で名前を叫んでいました。

実は、突然困難がふりかかった友人達もいて、気楽にチェロ弾いていてキリギリスみたい、と思わないでもない。
こっそりチェロを弾いていくことにしよう。
そして私もガン検診に行こう。

ついてない?

2017年05月16日 | 日常
キッチンリフォーム工事+α、一旦ほとんど仕上がったものの、想定外の事が多々起きてやっと昨日完全に工事と縁が切れました。
なんと2ヶ月がかり!長かった~~!
タタリかと思うほど不運が重なり、あげくに建築士さんは、我が家の帰り、信号待ちで車に追突される事故まで。
車はへこんだけど、体に異常がなかったのは不幸中の幸いでした。
昨年の防音室工事はサッサと終わって、その後何事もなくすみました。
咳が止まらない風邪で寝込んだけど。

今回、内心ウンザリしましたが、誰も悪くない出来事ばかりで、現場それぞれ苦労している様子を知り同情してしまったり。

チェロの調整と弦の交換をしたのですが、ネットで買うのと違って工房での弦の値段には仰天。
何種か試させてもらったので少々は覚悟してましたが。。。
それでもまあ、結果よければと機嫌よくしていたら、自他ともになんだか結果イマイチみたいな評価になってきて、ガックリ落ち込み中。
再度、調整してもらいに行くことにしました。

何度か買ったことがあるスポーツ店を通りがかり、靴を衝動買い。
歩きやすい靴に出会って喜んで家に着いたら、その店のセールのはがきがポストに。
はがき持参すれば3日後から安くなってポイントもたんまりつくそうな。
迂闊に買い物も出来ない店は困ります。
金額が私には大きいので電話してみたら、一旦返品受け付けると超不機嫌な声で返ってきました。
なんだかクレーマーになった気分でいやですねぇ。

「ついてない」とは関係なく私の記憶力、注意力低下が原因ですが、
出先で寒くなり、スカーフを巻こうと思ったら、ない!
どこで置き忘れてきたか、落としたか?それまでの経路を頭の中でグルグル。
打ち合わせも気もそぞろ。。。。イライラする。。。

きっぱり諦めよう、そもそもバッグに入れ忘れたかもしれない、と家に帰ったら、フワ~っと広げたまま、あった。
お付き合いで買って後悔し続けたバカ高いバティックですが、年取って前より少し似合うようになったのはラッキーと思うことに。

ところで、
教え子仲間みな、恩師を失った寂しさは大きく、当分様々なやりとりやイベントが続きます。
旧交をあたためるチャンスを天から撒き散らす先生です。

一方、
めったに更新しなくなっていますが、消息チェックに来てくださるリアル友さんがいらしたのはうれしいことでした。

来月から上昇気流に乗りますから。
(更新はきまぐれです)

大往生

2017年04月30日 | 番外
先日、高3担任が眠るように亡くなられました。

先月までテニスと囲碁を楽しまれ、私達とのお花見計画が、ちょっとお腹の調子が悪いとのことで中止になりました。
入院経験もホームドクターもない先生。
お腹が治らないので一応検査をされたものの入院拒否。
自宅でおとなしくなさっていて、寝たきりになったのは最後の3日間だけ。
痛みも苦しみもなく永遠の眠りにつかれたそうです。

大勢の教え子がご自宅までお別れに押し寄せました。
変な言い方ですが、とってもお元気そうな普通のお顔でした。
理想的な終わり方を示して逝ってしまわれました。

95年の生涯は全部健康!
ダンディな先生のまんま!

6月には著名な方と共に講演会の予定があったのに、果たせなかったのが何とも残念です。

年とともに先生の魅力がわかってくるようになりました。
どうして皆にあんなに慕われるのか、若い頃は正直、謎でした。

何歳になってもロマンチスト。
文学的。
おしゃれ。

思い出を検証してみると。。。

一切、えこひいきなさらなかった!
これを女子校以来、完璧になさってきたことはスゴイことです!


説教じみたことを言わない。
自慢もしない。
愚痴も言わない。

上二つは高田純次氏の名言でもあるのですが、皆で先生と彼は見た目も雰囲気も?似ていると意見が一致。

恐るべき記憶力の持ち主で、昨秋の京都で私にチェロ等の激励の言葉をかけて下さった。

元作家志望だっただけに筆マメで、年賀状の返信だけでもいろんなメッセージを皆に送り続けてこられた。
そんな先生に出会えた幸運に感謝し、これからの励みにしたいものです。

合掌



ジャズを弦楽四重奏で

2017年04月02日 | コンサート
早、四月!
3月のコンサートは1度だけ。
M友事件の町に新しくできた、ステキな小ホールへ。(先月に続き2度目)
オープニングシリーズと銘打たれたユニークな企画。
センチュリーのメンバーによるジャズカルテット。

ジャズを弦楽四重奏で聴いたのは初めてです。
抵抗なくすんなりswingの世界に入れて、なんと心地よいこと!
ダニー・セイデンバーグ、デイビッド・バラクリシュナンなど初耳が多かったですが、
荒井氏のお話も面白く興味深く楽しませていただきました。

ジャズではありませんが、リーダーの十八番↓も拝聴できました!



関西発のジャズカルテットが定着すればうれしいです。

リフォーム

2017年03月23日 | 日常
リフォーム工事が始まって一週間が過ぎました。
昨年の防音室工事の経験があるので、住みながら工事をしてもらう不便さにもちょっと慣れました。
今回は体調も良く、台所が使えないためショボい食生活にも耐えられています。

キッチンの全面改装なのですが、学生時代からの友人(女性)にお願いしていて、あらゆる点で私向きの提案をしてもらえるので大助かり。
建築士でも専門がいろいろ。
防音室の時は、音響専門の方に。
今回は高齢者福祉が専門。
どちらも頼もしい女性建築士さん。
ありがたいことです。

グリルが壊れたことから始まって、コンロを替える、換気扇替える、
システムキッチンの高さを高くしたい、吊り戸棚を取って開口部にしたい、など次々話しが大きくなり、リビングまで及び大工事に。
リビングの2m以上の出窓カウンターにサンダーをかけた時には、モウモウと家中きな粉まみれみたいになりました。

先日、同級生数人が集まった時、いい時代に生まれて面白かったよね、言った友人がいました。
キッチンひとつとっても、自分が生まれた時と今とでは、当時想像もつかないような激変ぶり。

両親が建てた昭和の台所、今の平成のキッチン、新しいと思っていても20年以上経てば世の中変わってました。
キッチンの位置づけも、どんどん主役に躍り出てきてますよね。
「平成の次」の20年は新しいキッチンで楽しく過ごしたいものです。
80代か。。。

ちなみに同じマンションで尋ねてみた限り、新築時から同じガスコンロを使っているのは私だけでした。
物持ちいいんです、私。


そうそう、何でも見事に手早く作ってくれる大工さんに感心していたら、
Eテレでチェリスト藤村氏の趣味が日曜大工と知って驚きました。
大工仕事、一瞬やってみたいな、防音室でやれば迷惑にならないかなと頭をよぎりました。
だけど、あのホコリを思うとやっぱりダメですね。

アクセサリー売り場で

2017年03月05日 | 日常
1000円からせいぜい2万円くらいの雑多なアクセサリー屋さん、
変わってるな面白いなと思うものを見つけて、すごくお値段以上だったら大喜びで買う。
いろいろ物色していたら、他のお客の大きな声が。

「もう年だからお洒落しないの。今は仕事もしていないし。
アクセサリーも却って顔を目立たせてしまうものなのよ。
なるべく顔が目立たないようにしたいの。」

だったらなんで商品見てるのか?

あげくの果てに
「もう顔をベールで隠したいくらい!!!」
とのたまった。

店員さん
「・・・・」

その80過ぎくらい?のお客の顔を思わず振り返って見てしまった。
しっかり目が合って、にっこりお笑いになる。
派手な顔立ちで、かなりの厚化粧。
真っ赤な口紅にしろ、顔を目立つようにしているとしか思えない。

若い頃は美人だったに違いない。
何も買わずにスタスタ出て行かれた。

な~るほど、店員さんに「何をおっしゃいます!そんなにおキレイで若々しくていらっしゃいますのにもったいない!」と言われたかったのでありましょう。
そうすればネックレスの2,3本買って行ったでしょうに。

話好きて褒めてもらいたがりのご高齢女子に時々お目にかかる。
バスの中で知らない人に何となく話しかけ、そのうち「私、いくつに見えます?」
「え~!!!93歳???見えません!!!」と驚いてもらうのを趣味にしていそうな方、いました。

一昨日は亡き母の誕生日。存命なら87歳。
ご近所で母より1歳上の方がいて、昔から出会うと「老い」を散々お嘆きになるのですが、先日、久々にお見かけしたら本当にお元気そうでおキレイ。
今度、思いっきり褒めて差し上げましょう。

2月のコンサート

2017年03月01日 | コンサート


サン・サーンス 白鳥
フランク ソナタ
黛敏郎 文楽
エルガー 愛の挨拶
フォーレ 夢の後に
グノー  アヴェマリア
カッチーニ アヴェマリア
マスカーニ カヴァレリアルスティカーナ
ピアソラ  オブリビオン
ポッパー  ハンガリー狂詩曲

アンコール 

カサド 親愛なる言葉

藤村氏のソロを初めてしかもかぶりつきで拝聴。
いつもTVで演奏のお姿を拝見するのみ。
お目にかかれてうれしい。
小さなサロンで、客席に語りかけるような興味深いMCが魅力でした。
客席とのやり取りが楽しかったです。

お次のコンサートは、
次席つながり?そして「親愛なる言葉」つながり!?



カサド 親愛のことば
ベートーヴェン ヘンデルの「マカベウスのユダ」の主題による12の変奏曲
バッハ 無伴奏4番
ヤナーチェク おとぎ話(1923年改訂版)
ブラームス  チェロとピアノのためのソナタ第1番

アンコール 
あらら、失念!
シューマン トロイメライ

大阪郊外都市に出来た新しいホールでのリサイタル。
200人ほどの小ホールで良い響きに浸ることができました。
このリサイタルにかけてこられた熱意がすごく伝わってきて好感度アップ。
1時間ほどで行けるこのホール、催しをこれからもチェックしなくては。

これも行きました。


回顧展ですが、ライブ映像が主役!?
ファンでもありませんが、こんな美しい才能豊かなカリスマがいたことを再認識させていただきました。
スーパースターが触れたものなら何でもかんでも保管しているのにはビックリ。
走り書きや化粧の使用済みティッシュまで拝見してきました。
この楽器の件には触れてなかったのが残念。
このチェロはいずこ?


最後はケラス様



三重奏のチェロばかり聞き耳を立てる変な聴き方をしてしまいました。
グッとくるような音色をもっともっと味わいたい!
現代音楽も久々に新鮮でした。
アンコール曲紹介をちゃんと日本語でされてました!


チェロは良いホールで聴くと一層楽しい。←今月の感想。