「宇宙創成」サイモン・シン 新潮社 文庫2009年(単行本「ビックバン宇宙論」2006年から改題)
Big Bang, Simon Singh 2004
「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」の著者による。
地動説から、コペルニクスによる太陽中心モデル、惑星の楕円軌道、ガリレオ… 宇宙は永遠の過去から存在する…光の速度、相対性理論、ビッグバン、定常宇宙… 滑らかに宇宙論の歴史を振り返る。
ふむ。非常に分かりやすい。高校の物理の授業よりずっと面白い。高校の理科でトラウマのある大人(=ワタシ)が、今読んで面白い本だと思う。
二つの有力な理論の片方はアインシュタインの相対性理論からルメートルとフリードマンに導き出されたビッグバン・モデル。過去に一度だけ宇宙創造の瞬間あり、その後宇宙は急速に膨張したとする。ガモフとアルファーは、ビッグバンによって水素とヘリウムの存在比を説明できることを示す。一方、ホイル、ゴールド、ボンディによって作られた定常宇宙モデルは、宇宙は永遠だとする保守的な宇宙観に立ち返る。物質はたえず生成され、宇宙は膨張しているという要素も含んでいる。
定常宇宙モデルはとても体感的に、納得できる。しかし、過去の一瞬に全てが始まったというビッグバンの方はどうもよく理解できない。ところが、軽い元素の存在比の説明の可否、宇宙マイクロ派背景放出などビッグバン・モデルの方がずっと合理的であることが分かってきた。
ふむ。そうなのか。そういうことを門外漢になるべく数式を使わないで教えてくれるのが本書。こういう本を書ける人はほんとすごいと思う。
では、また。
この間、横浜の梅の花でお客様と飲んだとき、君を思い出した。
最近、物理?天文?の文学?にはまっているのね。キミラシイトイウカ、君ならではというか
また呑もうね
これはこれは。大変ご無沙汰しております。
私は純粋文系なので、たぶん年に一度の季節性の理系もの読みたい流感にかかってるだけかと。私らしいとはなぜゆえに?
キムさんの、家庭生活のその後については大いに気になっております。また呑みに行って大いに語りましょう。