「暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで」サイモン・シン 新潮社 2001年
The Code Book, Simon Singh 1999
「フェルマーの最終定理」の著者が次に選んだのは暗号。前作の中にちらほらと暗号のことが書かれていたので予期していた。
第I章では、1580年。スコットランド女王メアリの裁判で始まる。イングランド女王のエリザベスの暗殺を企図していたからだ。幽閉されていたメアリが外部と連絡をとっていた手段は暗号… そこから紀元前の暗号の歴史(簡単な暗号の作り方)を経てメアリの末期に至る。この第I章の展開が抜群に面白い。そこからは巻措く能わず状態に。
現代の高等数学やらコンピューターを使った複雑な暗号にしか興味がない人には退屈な展開かも知れないが、そうでもない(私のような)読者にはとても読みどころが多い。最初は簡易なところから段々と複雑な暗号へと進んでいくので門外漢でもついていける。量子力学についてはいまだによく分からないけど。
ロゼッタストーンの解読、戦時中のドイツの無敵暗号機械エニグマの暗号製作方法や関わった人たちのエピソードも読ませる。見た目は堅苦しい本に見えるけれど、暗号という一つのキーワードでくくった面白歴史本というのが当たっているように思う。
では、また。
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